導入レポート

株式会社 鴻池組


株式会社 鴻池組


  • 大阪本店土木部
    原 暢夫 氏

  • 土木事業本部
    技術部技術課 課長

    大西 正毅 氏

  • 大阪本店土木部
    伏見 昂 氏
所在地 大阪市北区
開設 1871年
資本金 52億5000万円
事業内容 建設工事の企画・測量・設計・監理・請負およびコンサルティングに関する事業、不動産の売買・貸借およびその仲介ならびに所有管理に関する事業ほか

初めてのEX-TREND武蔵で挑んだ
TS出来形の運用で現場効率化を実感

通称「二外(にそと)」と呼ばれる京都第二外環状道路は、京都市西部の主要道路を輪のように繋いで建設が進む、総延長15.7kmの自動車専用道路です。関西圏を代表するゼネコンの株式会社鴻池組では、2009年9月この京都第二外環状道路建設工事の長岡京工区を受注。そこでEX-TREND武蔵を活用し、TS出来形の試行を行いました。同工事を担当した鴻池組の原氏、大西氏、伏見氏にお話を伺います。


TS出来形管理を実施した河川付け替え工事現場

河川付け替え工事の現場で初挑戦

TS出来形を導入したのはどのような現場ですか?

原氏

京都第二外環状道路(以下「二外」)建設工事のうち、当社は長岡京工区を受注しました。二外の工事は国交省の工区と西日本高速道路(株)の工区に分かれているのですが、長岡京工区は国交省の工区となります。この工区では高架橋本体の建設工事とは別に、すぐ脇を流れる河川の付け替え工事がありました。具体的にいうと、蛇行している川を真っすぐに整備するというもので、この現場でTS出来形を使用しました。

どのような経緯でTS出来形を導入されたのですか?

原氏

今回の工事では、特記仕様書でTS出来形の試用が求められていました。TS出来形必須ということではなく、試行的にやってみるようにという内容でしたが、これを機会に挑戦してみようということになりました。私自身はTS出来形に関して多少の予備知識はありましたが、実際に取組むのは今回が初めて。正直言って「どの程度役に立つのだろうか」と半信半疑な気持ちもありましたが、まずは試してみようと思いました。

TS出来形への取組みはどのように進みましたか?

原氏

TS出来形のツールにも、いろいろなものがあると思いますが、すでに本社の方でそれらを検討してEX-TREND武蔵の導入を決めていました。当社の他現場での導入実績もあり、そのあたりは安心してEX-TREND武蔵の導入を進めることができました。もっとも操作研修を受けさせるほどの余裕はなかったので、担当の若手職員に現場で試しながら覚えてもらったのですが。

では、現場で自学習したのですか?

伏見氏

ええ、特に研修などは受けていません。分からない所は福井コンピュータの電話サポートなどを利用しながら、自学習で修得しました。現場作業でも試験しましたよ。河川工事に着手するのが少し遅かったので、それまでの期間を利用し、私道の切り替えなどでTS出来形を試し、本番に備えました。さすがにいきなり本番で使うのはちょっと不安でしたからね。

作業効率化&精度向上への大きな手応え

TS出来形の実運用が始まったのは?

伏見氏

河川工事に着手したのは、2010年の1月末でした。前述の通り、ひと通り使ってみて手順は把握していましたが、こちらは河川の工事なので、やはり練習していた道路とは違う面もあります。特に河川の場合、断面でいうところの切土部分がずっと大きくなるので、ちょっと不安で(笑)。もちろんTS出来形なら断面もレベルなしで測れるわけですが、やはりどうしても「どこまで信用できるのかな」と思ってしまって。もし間違ったものを作ってしまったら大変ですからね。当初はやはり1ステップ1ステップ手探りで進めていった感じです。

ではTS出来形の威力を実感するまではいかなかった?

伏見氏


石積工の観測

いえ、一連の作業が終わる頃にはどんどん慣れて安心感も出てきましたし、効率化の実感も生まれました。いま思い返してみると、限られた工期のなか、作業スピードも精度もかなり向上できたのではないかと思います。やはり野帳とかに書き写す手間もいらず、その場で計算することもできるという点は大きいですよね。それなりに自信もつきましたし、上手く使っていけば、次回は20パーセント程度は時間短縮できるはずだと思っています。

特に便利だった、あるいは驚きだった機能はありますか?

伏見氏

やはり現場で任意の点を当たっても即座に座標が分かるし、そこに据えて次の座標を確認するという流れで、計測作業全体が非常に効率的に進められますね。また、3D座標を取得するだけでなく設計値との比較ができるので、出来形不足も即座に見つけられます。いずれもTS出来形なら当然の機能なんでしょうが、やはり衝撃的でした。なんていうか、これまで「面倒くさいなあ」「できたらいいのに」と思っていた機能がいつの間にか実現されていた、という感じでしたね。

逆に難しかったのは?

伏見氏

これまで使っていたCADと操作性が違うので、最初のうちはEX-TREND武蔵の操作に戸惑いました。でも電話サポートを利用するようになってからは、スムーズに学べた気がしますよ。特に自分の画面をオペレーターが共有して問題解決してくれるリモートサポートは本当に便利で・・・もっと早く知りたかったです(笑)。そうやって使い込んでいくと、土木用のCADだけに便利な機能がいっぱいあって・・・もっと覚えたいという気持ちになりますね。

急ピッチで進む流れに乗り遅れるな!

今後の課題となるのは?

伏見氏

TS出来形の場合も、現場作業にはすぐに慣れて、便利に使えるようになると思います。ですが、基本設計データを入力するのは、やはり現場にとって大きな負担です。入力してしまえば後の作業が楽になるのは分かるのですが、それにしても大変で。今回は私が入力したのですが、入力した後も、やはり合わない部分等、対応がどうしても遅れてしまいます。設計変更などもありうるし、そうなったらまた入れ直しになるのか、という不安もあります。このあたりの負担を減らせればと思いますね。

情報化施工への今後の取組みはどのように進めていかれますか?

原氏


対岸も効率的に観測できる

情報化施工が現場に普及していくのは、たいへん良いことだと思っています。しかし現状では、現場の方がその展開の早さに付いていけていない部分もあると思うので、さらに多くの現場に広げていくように努力していく必要があるでしょう。TS出来形など情報化施工を経験した者を中心に、若手職員が交流する勉強会などを開くのも良いですね。

大西氏

私の部署では技術提案の作成を行っているので、情報化施工もこれまでは技術提案の1つの材料として情報収集などに取組んできました。しかし、今後はこれも一般化が進んでいくのは間違いありませんし、主導する国土交通省は本当に積極的にこれを進めています。この流れに遅れないように付いていくことが、当面の目標ということになるでしょう。

※2012年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。

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