準備は万全!満を持して待つ電子納品
独自のアクションプランを策定し、CALS/ECに意欲的な取り組みを進める山梨県では、発注図面制作CADとして「TREND ff」を選定。同製品269セットを導入しました。製品選定の経緯と今後の展開について、土木総務課副主幹の萩原一慶氏にお話をうかがいました。
本格稼働する山梨県CALS/EC
- 山梨県のCALS/ECへの取り組みは?
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萩原氏
1997年に「山梨県情報化構想」を、98年に「山梨県庁情報化推進計画」を策定し、職員のパソコン1人1台や庁内LANの整備、グループウェア活用などIT化を進めてきました。CALS/ECについても、設計図書の電子配布や公共工事の入札事務の統一など環境整備を進め、これを基盤に「山梨県CALS/EC整備基本計画」を策定しました。
- その主眼はどのようなものでしょう。
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萩原氏
山梨県のCALS/ECのコンセプトは「情報技術を最大限に活用した業務の改善」。ITを活用した公共施設のライフサイクル全般における情報の共有・有効活用を通じ、業務プロセスの抜本的見直しを図るための取り組みと位置づけています。
- 県内企業のCALS/ECに対する認識は?
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萩原氏
以前は具体的な対応を行いかねている企業が多かったのですが、「整備基本計画」「山梨県土木部電子納品要領」が策定されて具体的なアクションが始まりました。同時期に金額1億円以上を対象に電子納品の義務づけも始まりましたし、企業の取組は急速に本格化するでしょう。
発注者ニーズにフィットした「TREND ff」
- CAD選定の経緯をご紹介ください。
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萩原氏
製品の検討は2002年頃から始めていましたが、2003年秋から一部で電子納品の義務づけが始まるということで、昨年4月にあらためて選定委員会を設け約2カ月かけて各社の製品を厳しく比較検討。「TREND ff」に決定したのです。
- 「TREND ff」選定のポイントは?
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萩原氏
「山梨県土木部電子納品要領」によりCADデータはSXF(sfc)と決まっていましたから、まずSXF対応の点で安心できるOCF検定認証製品であることを前提に、機種の仕様を検討しました。重視したのは操作性と汎用性、アフターフォローです。以前からCADを使っていた職員もいますが、今後は誰でも使えなければなりません。その点「TREND ff」は使いやすく、汎用性が高い。設計者と違い、発注者は一から図面を起すことはほとんどありません。納品された図面をチェックするだけの職員も多いですし、発注図面を作る場合も修正したり一部を切りだして発注図面を作る程度で、高度な機能はあまり要りません。「TREND ff」はそうした発注者のニーズにフィットした製品ですね。
電子納品データを利活用するシステムへ
- 「TREND ff」は実働していますか?
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萩原氏
昨年秋に始まった電子納品の義務づけは1億円以上の工事が対象で、実際に成果物が納品されるのは夏以降でしょう。従って現場ではまだ研修中というところです。図面を見るだけの職員を含めれば「TREND ff」ユーザは500人に達し、いくら使いやすくても教育は大変です。導入時に1カ月かけてのべ400名が福井コンピュータの研修会を受けましたが、まだまだ十分とはいえません。たとえば昨年度の土木部の工事発注件数は約1350件。これがいずれ全て電子納品化されるのですから職員はもっとCADの操作に慣れておく必要がある。今後も何度か研修会を実施する計画です。
- では、今後の展望をお聞かせください。
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萩原氏
まず電子納品データの保管システムの構築、さらにそのデータ利活用のシステムを考えています。たとえばGIS的なものと連携させるなど、データのライフサイクルの視点から活用したいですね。
※2004年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。
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