土地家屋調査士

公益社団法人 山梨県公共嘱託登記土地家屋調査士協会

土地家屋調査士

Mercury-EvolutoとLandStation-Sを活用!
筆界未定地ゼロを目指す14条地図作成事業

山梨県公共嘱託登記土地家屋調査士協会は、官公署等から土地家屋調査士業務を受託できる地域唯一の法人組織。2010年からは不動産登記法第14条地図整備事業の委託を受け、2年単位で登記所備付地図の作成も進めています。これを円滑に進めるため、同協会では測量成果作成・活用システム「Mercury-Evoluto」と地籍調査支援システム「LandStation-S」を活用しています。その運用の詳細について、同協会理事長の西海氏と理事の武井氏にお話を伺いました。

地図のプロとして取組む14条地図作成事業

CAD-立会日程の図面(Mercury-Evoluto)

貴協会の主な活動内容をご紹介ください

西海

以前は土地家屋調査士による一般社団法人でしたが、平成23年に公益社団法人となり、県民・市民のための公益活動を行うようになりました。具体的には、たとえば協会シンポジウムや若い方に土地家屋調査士の仕事を理解してもらうための高校への出前授業、市町村のシンボル建物の建物表題登記や認定、基準点等の設置といった、4つの公益目的事業を中心としています。そして、この公益目的を充実させていくための新しい取組みの一つが、不動産登記法第14条地図整備事業の受託業務です。

14条地図作成の現状をご紹介ください

西海

平成22年から2年単位で1地区ずつ作業を進め、現在、3地区に4地区目を半分終えた所です。作業は事業区域を幾つかに分け、それぞれ担当の班を決めて進めています。実は山梨は土地家屋調査士の数が少なく、当協会も関東ブロックで一番規模が小さいのです。そのため人数的に大変な部分もありますが、地図に関わる業務はやはり土地家屋調査士特有の仕事として確立していきたいですからね。

武井

作業自体は作業規程に決められた通りに行いますが、公益事業の一環として、当協会では自発的に一筆立会済みの境界点全てに境界標を入れています。発注者は白ペンキだけで良いとしていますが、私たちとしては、やはり杭を入れるべきだと思うからです。他県の対応もさまざまだしコストもかかるので、今後も続けられるか分かりませんが、できる限りやっていきたいですね。

全員一致で福井コンピュータ製品を選定

CAD-立会日程の登録(Mercury-Evoluto)

未経験の作業もあったそうですが?

武井

14条地図作成の作業のなかに、一筆地立会調査というものがあります。実際に地権者の方に立会っていただき境界の確認と筆界認定を行う作業で、これを対象区域の土地全てについて行います。そこで事前に対象区域の地権者を確認し、立会依頼の通知を送る必要があります。つまり、大人数の地権者のデータを収集管理し帳票を作成・発送していくわけです。しかし、これらは調査士の多くが未経験の作業で、当初は必要なツールもありませんでした。

大変でしたね

武井

当初は発注者に専用ツールを借りて作業していましたが、継続してやっていくならやはり協会でツールを導入しようということで、「Mercury-Evoluto」「LandStation-S」を購入しました。製品選定は十数人の理事全員で2社のプレゼンを受け、同じく理事全員の意見を聞いた上で決定しました。福井コンピュータのプレゼンが上手かったというのもありますが(笑)、ソフトの機能が段違いで……。圧倒的というか、ほとんど全員一致で福井コンピュータ製品に即決しました。

FC製品をどのように使いましたか

武井

基本的には、最初の実態調査の所から前述した一筆地立会いのあたりをメインに活用しています。法務局からいただいたデータを取込んで「どこにどのくらいの地権者がいるか?」を確認し管理していくわけですが、Mercury-Evolutoは画面上で色付けできるので、そこで立会い計画を作成。LandStationで帳票を作って立会い通知を発送しています。大勢の地権者を確実に管理できるし、色分けできるので漏れている人がいないかチェックするのも簡単です。帳票類の作成もスピーディにできました。他に一部の図面作成や地図作成、最後の成果品作成も行っています。

事務支援-帳票出力(LandStation)

FC製品の効果を実感できましたか

武井

ええ。スピードアップできたのはもちろん、ミスなく確実にやれるところが非常に大きいです。事実上これが地権者とのファーストコンタクトなので、もしそこでミスして1人でも漏れていたら、後工程全体に響いてきますから……。導入して良かったと思います。

サポートについてはいかがでしたか

武井

素晴らしいですね。というのは、実はLandStationは地籍調査用のソフトで、当初は14条地図作成の帳票には対応してなかったんですが、福井コンピュータに要望を出したら、すぐに対応して新しい帳票類を作ってくれました。操作についても実に細かくサポートしてくれましたし、他の測量ソフトメーカーだったら、こうはいかないでしょうね。

事務支援-立会日程確認(LandStation)

14条地図作成業務の今後のご計画は?

西海

14条地図作成事業が計画されている地区は、甲府市の北部などこれから先もあります。できればその分も入札し、継続して受託していきたいと考えています。私たちとしては、そうやって筆界未定地というものを一筆でも少なくしていきたい、と考えています。最終的には筆界未定地がないことこそ、最高の地図成果ですからね。この5月からまた一筆立会いが始まるので、まずはそこで未定地ゼロにもっていくよう努力したいと思っています。大変ですけどね(笑)

※2018年春公開のCONST-MAG Vol.6で掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。

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西海幸雄公益社団法人 山梨県公共嘱託登記土地家屋調査士協会理事長

武井新吾武井土地家屋調査士事務所
代表

公益社団法人 山梨県公共嘱託登記土地家屋調査士協会

設 立
2012年7月
代表者
理事長 西海幸雄
所在地
山梨県甲府市
従業員数
117名
事業内容
各種法定業務:調査業務、土地の調査・測量、嘱託・申請手続、審査請求手続、書類の作成他

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