土地家屋調査士

高見土地家屋調査士事務所

土地家屋調査士

ドローンとTREND-POINTを広汎に活用し土地家屋調査士の枠を超えた新市場を開拓

青森県十和田市の高見土地家屋調査士事務所は、その名の通り1996年開業の土地家屋調査士事務所です。所長の高見雅之氏は十和田きってのアイデアマンとして知られ、冬山測量など「普通の調査士が断るような」仕事を引き受け、ユニークな工夫で次々やり遂げるなど独自の道を歩んできました。近年はさらにドローンを活用した多彩な取組みで、調査士業を越えた幅広いフィールドに展開を開始しています。そのユニークな活動の詳細について高見氏に伺います。

他の調査士がやらない仕事で差別化を

分かりやすいと好評な素図と画像の重ね図

他の調査士が断る仕事もお引き受けとか

高見

たとえば冬山や雪に埋もれた土地の分筆とか、「高見さんならやってくれるだろう」と頼まれますね(笑)。冬山はスノーバイクにTS、GNSSを積み1人で30町歩近く測量し分筆登記しましたし、雪の駐車場は重機で除雪しながら測量し登記しました。不動産会社の依頼だったんですが、お客様の駐車場まで除雪したのがとても喜ばれ、そこから不動産屋さんとの接点もできました。実は独立開業時に、他の調査士と違う特長を打ち出して差別化しようと考えたんです。現在注力しているドローンによる展開もここからですね。

ドローン活用法とは?

高見

土地の境界判定も建物の登記にも、ドローンは有効な武器となります。特に青森のような地域では土地家屋調査士が扱う土地も非常に大きいので、ドローンはきわめて効果的です。たとえば広大な原野や山林などを測量する際、地上から測るとどうしても時間とコストがかかりますが、ドローンで写真を撮ってTREND-POINTで加工処理すれば、コストを抑えて時間も短縮できます。しかも、これをちょっと工夫してビジュアル的に加工すると強力なプレゼンツールとなり、活用範囲が一挙に拡がりますよ。

TREND-POINTでの作業

オルソ画像を加工するのですか

高見

ええ。たとえば境界判定を依頼された土地をドローンで撮影しオルソ画像を作ったら、それをTREND-POINT等を使って地図の筆界と重ね合わせ、一種の「オルソ重ね図」を作るんです。すると土地の境界も、建物も、工作物も、全てひっくるめて「どこに何があるか」一目瞭然で理解できる重ね図となります。強力で汎用性の高いビジュアルツールの出来上がりです。

具体的にはどのような効果が?

高見

地権者の方は高齢者が多いのですが、境界確定の立会い等ではその地権者さんに境界について質問しなければなりません。ところが2Dの図面を見せながら聞いても、「分らない」と言われがちです。ところがこのオルソ重ね図を見せると、とたんに95歳のお爺さんが「そうだそうだ」と言いだすんですよ。「境界は確かにこうだ」と。重ね図のリアルなビジュアルは、一般の方でも現況との比較がしやすいので、確認作業をスムーズにするために大いに役立っています。

ドローンを活かして新市場を開拓

ドローンの整備

これは他にも使えるんですか

高見

今では地権者さんとの立会いはもちろん、それ以外でも最高の説明&説得ツールとして無くてはならないものになっています。先日、公共事業の立会のために作成したオルソ重ね図では、現地の道路側溝が地図と合わず、民地へ越境状態になっているのが一目瞭然で……。官公庁の方々が「確かにそうなっている」と驚き、ショックを受けていました。また金融機関は土地家屋などの財産を査定して融資を検討するので、やはりこの重ね図を歓迎してくれます。査定の参考資料としてすごく有効なようですね。さらに、ある住宅会社では、計画や施主への提案等に使うというので、その会社の現場は全てドローンで撮りTREND-POINTビューワーのデータで納品しました。今度はそこの設計と現場担当の方向けにTREND-POINTビューワーの講習会も行う予定です。

重ね図で新分野を開拓しておられますね

高見

オルソ重ね図だけでなくドローン&TREND-POINTで、新しい世界が見えてきた実感があります。昨年は民間企業の依頼で風力発電施設の計画用に海岸沿いの2kmの土地を1人でドローンを使って撮影し、国道から海まで3次元化しました。また福島のメガソーラの現場では40haの土地を3人で実働1日半で全て計測したし、大学の依頼で三原山の噴火口の深さ等を計測したこともあります。まさに普通に調査士にはできない異分野やビッグスケールの仕事が可能になったんです。

超小型ドローンも活用

今後も新分野へ挑戦を?

高見

調査士業への応用はもちろん、たとえば前述の三原山の噴火口計測の例など噴火予測にも使えそうだし、観光地の3Dモデル化なども考えられます。防災や観光等さまざまな方向へ活用できそうです。特に今まで航空機で予算をかけてやっていたような公共事業も、かなりの部分をドローンで肩代わりできるのではないでしょうか。公共向けにも活用提案していきたいですね。

ドローンが調査士の仕事を変えていく?

高見

その通りだと思います。しかも、それは調査士にとっては既存の測量機器とCADに、ドローンとTREND-POINT等のソフト類を加えるだけで挑戦可能になります。特に若い調査士は、これを活かして積極的に仕事を獲得していくべきでしょう。興味のある方には、調査士に適したドローンの導入・運用をサポートするITH合同会社のWebサイトを御勧めします。これは私たち調査士が作った調査士のためのドローン研究企業ですから、きっと参考になりますよ。

※2018年春公開のCONST-MAG Vol.6で掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。

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高見雅之高見土地家屋調査士事務所
代表/土地家屋調査士

高見土地家屋調査士事務所

設 立
1996年
代表者
所長 高見雅之
資本金
2,000万円
事業内容
土地分筆測量、建物登記、土地境界測量ほか

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