\若手が活躍/道路設計の3D化を推進
TREND ROAD Designer/TREND-CORE活用レポート
近年、土木設計業務においてもBIM/CIMの活用が求められる中、長野県伊那市の建設コンサルタントである株式会社ワイドでは、入社したばかりの若手技術者が先頭に立ち、3D測量成果を活用した道路設計の3D化に取り組んでいます。長年の経験が求められる道路設計業務に3Dを導入することで、設計の精度と生産性を向上させ、新たな時代に向けた取り組みを進めています。
- 3D道路設計CADを導入したきっかけは?
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城倉氏
BIM/CIMの活用業務というのが出てきて、モデルを納品する必要性に迫られて3D製品を入れたいうのが現状。施工計画において支障物件あるような跨線橋など、点群のデータを活かして3Dで道路設計ができる「TREND ROAD Designer」を導入したという経緯があります。
- 3Dを取入れて感じている効果は?
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城倉氏
やはり道路設計というのは、2次元の図面から等高線の間隔などから、頭の中で断面をイメージしながら道路線形というのを決めていくというのが一般的。今まで熟練の技術者が頭の中で考えていたものを、パソコンの画面上に即座に出せるようになり、若い技術者でも失敗せず取り組んでいける。敷居を下げてくれたと思っているんです。
- 効率化という面ではいかがでしょうか?
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城倉氏
若い技術者でも取り組んでいけるようになるので、熟練した技術者は別の仕事ができる。そういう意味ではかなり効率化が図れる思います。
実務のほうでは、入社2年目と4年目の若手技術者が中心となって、道路設計における3Dモデルの活用を進めています。3D点群ソフトのTREND-POINT、3DCADのTREND-CORE、3D道路設計CADのTREND ROAD Desiognerを使った業務をご紹介していただきました。
TREND-COREによる道路モデリング
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澤田氏
森の中に堰堤を作るための工事用道路を計画するといった業務を、2次元の図面、平面図と横断図と道路の線形データを基に「TREND-CORE」でモデルを作りました。発注者さんにもいろいろな角度から見てもらって、「ああ、こういう感じでできるんだ」と納得していただいた様子でした。
- 2案のルート比較を3Dモデルで?
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澤田氏
今回は、設計に取り掛かる段階でフロントローディングの取り組みとして3Dを使いました。比較用に2案のルートをモデリングしたのですが、設計担当者が線形を決めて、「TREND-ONE」、「TREND-POINT」、「TREND-CORE」の連携でモデリングを行い、複数のルート案の設計をする時間が短縮できたのではないかと思います。発注先さんとの打ち合わせでも、工事にかかる費用などは構造物の大きさなど3Dモデルの見た目で判断できるので、合意を得るのも早いですね。
- 複雑なモデルなので苦労されたのでは?
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澤田氏
「TREND ROAD Designer」を導入する前にやっていた業務なので、結構苦労したところがありますね。「TREND ROAD Designer」だったら構造物とか大きさを設計する段階で決められるので、モデリングしながら。苦労しないのがいいなってと思います。
TREND ROAD Designerによる道路モデリング
- 実際行った業務をご紹介ください。
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恩田氏
今回は設計担当者が「TREND-ONE」で作った3案の線形を基にモデルに起こしました。それぞれの補強土壁工の概算数量を「TREND ROAD Designer」から出力し、3案比較の資料として添付しました。
- TREND ROAD Designerを使用した感想は?
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恩田氏
“標準断面”を設定すれば、全てのルート案に使えるので、線形さえ組めばもう一気に3D道路モデルができてしまう。自分も「TREND-CORE」で道路モデルを作ったことがあるのですが、そういった面では非常に楽でしたね。拡幅も“標準断面”で設定できるので楽ですし、ブロック擁壁なども“標準断面”で作れば勝手に高さも変わるので、構造物が柔軟に作れるっていうのはとてもいいところ。
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中村氏
彼(恩田氏)に「TREND-CORE」をやってもらって、ひと通り道路の設計をトライしてもらって、その後に「TREND ROAD Designer」を買って覚えてもらったのですが、「TREND-CORE」よりも、こっちの方が全然ラクですよ!と言っていたので、道路設計では使いやすいモデリングソフトなんだということを感じました。
- 操作習得はどのようにしていますか?
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中村氏
サポートはすごく丁寧にしてもらっていて、福井さんにメールを送って回答いただくのが基本なんですが、動画にして作ったものをネットにUPして、これを見ていただけますか?っていうような案内もしてくださったりして、本当にいろいろ教わらないとできなかったことが非常に多かったので、助けていただいてます。
今後の展望
- BIM/CIM活用業務に対する、今後の備えは?
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中村氏
3Dの技術というのは、業務の効率化にものすごく役立つもので、これからどんどん発展してくる技術だと思います。これから機材の整備だったり、技術者の人と一緒に勉強する会を作ったりというようなことに取り組んでいきたい。
- 中長期的な展望についてお聞かせください。
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城倉氏
20年、30年前、ちょうど紙の図面からCADに変わった時に、いわゆる図面屋さんという方がいなくなってしまった。同じような感じになるというだろうと薄々感じており、機器だとトータルステーションがレーザースキャナーに置き換わり、設計だと2次元から3次元に置き換わることで、従来手法の熟練技術者というのがいらなくなってくるのかなと。専門性が高くなり細分化されていった部分が再びまた寄り集まり、いろんな考え方が持つ技術者が集まることで、今までと違ったアプローチでの設計手法に発展するのではないかな、というふうに思ってます。
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