i-Construction

東急建設株式会社

i-ConstructionBIM/CIM3D活用事例

建設ソフトを適材適所で使う!

福井コンピュータ製ソフトを軸に他社メーカーソフトを連携活用

東急建設株式会社では、早くから3Dデータを活用した取り組みを行っておりますが、その組織の大きさ故、業務で使用するソフトウェアの種類も非常に多く存在しています。今回、メーカーを横断したソフトウェアの活用について、どのように効率的な使い方をされているのか、土木事業部でICT活用推進をご担当するお二人にお話を伺いました。

上:Civil 3D/下:TREND-POINT

AUTODESK製品とTREND-POINTを併用しているとのことですが

上原

はい。今回併用による3D検討を試みた現場は、覆土工事を行う現場なのですが、幅が狭いのと高さがあるので、3Dで検討しないとちょっと難しいね、っていうところからスタートしています。
まずはドローンで現況計測をして、TREND-POINTに読み込んで現況を再現しています。既存の吹付けの境界をTREND-POINTのトレース機能で抽出しAutoCADに出力し、AutoCAD上で覆土面の設計データをいくつかの勾配に分けて複数案入れていきました。この設計データを今度はLandXMLに書き出し、TREND-POINT上で検証を行いました。
法肩から1割8分、5分、2分など、どの勾配で覆土するのが適切なのか、TREND-POINTで現況と計画を合成した状態で検証していきました。
また今回は、設計図面だけではなく、地滑りなどの検討をしないといけないので、TREND-POINTで断面を抽出しAutoCADに書き出し、それを地盤グループに渡して、解析してもらう、という流れで進めた業務になります。

上原氏

さらにTREND-COREも併用?

上原

はい。こちらは推進トンネル工事の現場です。こちらもまずは現況からですね。地上型のレーザースキャナーを用いて、現況を計測しております。3DのデータはAutoCADを使って発注図から作成しています。
この工事では、3Dで規制図を作成しています。街中なので、どういうふうに規制するかというのを3Dに起こすことで、信号が見えるのか、一般の方からどう見えるのか、クレーンが電線にかからないか、といった確認を3Dで行いました。
クレーンなどは、TREND-COREの部品を配置しています。TREND-COREの良いところは、重機を配置して、それを動かせることがメリットで、実際の可動範囲を見ながら、フロントローディングというか、事前の確認を行っています。現場に入る方からも、この3D規制図のモデルで様々な事前確認を行ったと聞いております。

上:Navisworks/左:TREND-POINT/右:TREND-CORE

上原氏

各ソフト、どのように使い分けを?

上原

ソフトもそれぞれに、短所、長所というか、メリット、デメリットあるので、そこを使い分けていくのが大切です。TREND-COREだったら施工検討に使う。TREND-POINTだったら現場確認とか断面作成に使う。Navisworksは動きがいいというのと、Autodesk製品はやはり使い慣れていて社内で多くの方が使っています。福井さんのソフトはDWGに対応してくれているなど、Autodesk製品との親和性も高いので、私としてはすごく連携活用しやすいところですね。

TREND-POINTで転圧データの層を作成

TREND-POINTで設計データも一部作っているそうですが…?

和田

私の担当した現場は、地方のバイパス道路で、補強土壁の間に盛土を行う現場です。
設計データに関してはCivil3Dを使っています。路体の天端や擁壁の設計データをCivil3Dで作って、それをTREND-POINTに読み込んで土量の算出や、盛土の㎡数の算出に使っています。補強土壁の間は盛土なので、敷均しや転圧のデータも作成していますが、それを実はTREND-POINTで作っています。
路体の天端は、道路勾配がついているので、まず水平に加工した面を作り、例えば30cm毎に土を盛る計画なら、平行移動で30cmずつ下げていく、上げていくという形で層を作っています。補強土壁の盛土に関しては、部材が横に入るんですが、基本は25cmで上げていったり、ブロックの境のところで盛土を止めたりなどで、層厚が全部変わってきますね。
重力式擁壁の背面など斜めのところが入ってくる層は、各層と斜めの部分がぶつかるところでくり抜きの機能を使って作っています。こういった感じで敷均しや転圧のデータを全部TREND-POINTで作っています。
ローラーに渡すときの転圧データは2次元になるので、DXFやDWGのデータで各層のデータを渡す。設計データの3次元に関しては、ショベルなど建機メーカーオリジナルのファイルに変換してもらって搭載してもらう、という流れで施工に活かしてます。

和田氏

最近、多数のKUMIKIライセンスを導入したようですね。

和田

これまでドローン測量は、私の部署(本部)が全国の現場に出向いて行っておりました。
空撮目的でドローンを導入する現場が増えてきたので「じゃあ写真測量の方も現場の人にやってもらおうよ」という話になり、各広域支店の方にドローンを配備しました。
ただ、ドローン飛ばして写真は撮ってもらえるんですが、処理は誰やるの?という課題が残って。Metashapeだと、処理をするのにどうしてもパソコンを長時間占有してしまったり、それなりの技術習得が必要といった課題があるのですが、KUMIKIなら、クラウドで処理するためパソコンを占有しませんし、非常に操作が簡単ということで各現場用にライセンスを購入しました。
また、実際現場においての点群活用を聞くと、土量を出したいという依頼がほとんどなので、それぐらいだったらTREND-POINTを覚えてもらわなくても、KUMIKIの中で完結できるため、早急に現場で完結できるように勧めているところです。
もちろん並行してTREND-POINTも使えるように講習をして行くので、さらに現場での点群活用が進むと思っています。

左:KUMIKI/右:各現場でUAV測量を実施

本例での導入製品(製品ページ)はこちら

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和田 勝利土木事業本部 技術統括部 土木設計部 ICT推進グループ
課長代理

上原 隆志土木事業本部 技術統括部 土木設計部 ICT推進グループ

東急建設株式会社

設立/2003年4月(創業/1946年3月
代表者/寺田光宏
所在地/東京都渋谷区
従業員数/2,494名(連結2,845名
資本金/163億5,444万円
事業内容/総合建設業

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