設計のBIM/CIM到来を見据えるコンサルタントの今!
TREND-POINTとTREND-COREで3D活用を加速!
愛媛県松山市に本社をおく愛媛建設コンサルタントは、昭和37年に設立され、平成8年に現在の社名に名称変更。愛媛県を中心に「四国の地形・地質に精通した建設コンサルタント」を目指して、測量をはじめ、地質調査や設計分野で事業展開している。現在では、UAVレーザや地上レーザ等を導入して、3次元を取り入れた先進的な取り組みを行っている。測量部部長の田中正人氏、同グループ長の原豪氏、設計第一部の有本結衣氏に伺った。
測量・設計・地質調査に3Dを導入
「3D導入のきっかけとなったのは、測量設計業務で全景写真を撮るためにUAVを購入したのがスタートです。」そう語るのは、測量部部長として3次元測量の導入に積極的に取り組んできた田中正人氏。空撮から始まったUAVで写真測量を行うようになり、3D点群処理ソフトのTREND-POINTを導入。UAVレーザや地上レーザ等の機器も揃え本格的に3次元測量をスタートさせた。
設計部門では、現状では基本的に2次元での設計を行っているが、造成工事のための測量設計業務等においては3次元測量成果をベースに3Dモデルを構築し、住民説明会用として活用している。地質調査業務においても、BIM/CIMに対応した3D地質モデルの作成及びその活用に取り組んでいる。
3次元測量を導入した当初はパソコンのスペックが追い付かず、点群処理に時間がかかり苦労したようだが、現在では大幅に解消。「旧来の測量では外業7割内業3割だった業務比率が、外業2割内業8割と逆転し、現場の作業効率が大幅にアップした。また、危険な場所や私有地への立ち入りをすることなく現場作業ができるため、安全かつ短期間で測量ができるようになり、体力的な面においても負担が軽減された。」と、田中氏をはじめ、部員一同3D導入のメリットを肌で感じているようだ。
住民説明会用に3Dモデルを活用
一般の設計業務においては、3次元測量の現況モデルから2次元データを作成して、2次元での設計が行われている。3次元測量の成果をそのまま活用した事例として、農地造成の測量設計業務において、計画の3Dモデルを3DCADのTREND-COREを使って作成した案件を紹介してもらった。「延長約300m、面積約3万㎡の果樹園の造成計画業務になります。まずUAVレーザと地上レーザで現況を測り、路線測量なども点群上で行いました。」計測から設計部門に受け渡すまでの作業を、測量部グループ長の原豪氏が担当する。
原氏が仕上げた現況モデルの上に、設計第一部の有本結衣氏が造成計画の3Dモデルを作成していく。「計画平面図を参考に、高さが決まっている平場や道路を先に作成していき、法面や隙間の擦り付けを最後に行います。」有本氏が続ける。「TREND-COREで作った3DモデルをTwinmotionに流して、社内検討用に試作動画を作ったのがこれです。」と、非常にリアルで実用的なドライブシミュレーション動画まで作成しているのだ。
「TREND-COREは部品が豊富で、軽トラックなどの配置が、地元説明会でもとても好評です。実際の駐車場所などのイメージがつきやすいので。」と、原氏も有本氏の作成する3Dモデルを称賛する。
TREND-COREは、施工におけるICT建機を制御するための「3次元設計データ」を作成するための機能を有しており、造成地などのモデリングには相性が良い。擦り付けなど複雑な部分は、2Dの設計で起こした断面に比べても現実的な形状で、視覚的にもわかりやすく再現できるといったメリットがあるようだ。
設計のBIM/CIM対応に向けて
3次元測量にTREND-POINTを使う大きな目的は“省力化”ではあるが、扱う点群は様々な面で活用ができるため、付加価値が非常に多いデータである。今はまだ設計への活用に向けて試行錯誤している面もあるが、目下の目標としては、設計に渡すまでの作業スピードを上げて行くことを目指したい考えだ。
また、TREND-COREによる3Dモデル作成においては、現状は地元説明会用途のため、細かい擦り付けなどの部分で、実際の2D設計図面と多少整合が取れない部分が出てきてしまうが、今後はこういった部分についても根拠を示せるようスキルアップを図り、すぐそこまで来ている設計業務のBIM/CIM化に備える構えだ。
(取材:2024年11月)
本例での導入製品(製品ページ)はこちら
お気軽にご相談ください
自社に合う製品が分からない、導入についての詳細が知りたいなど、専任のスタッフが疑問にお応えいたします。まずはお気軽にお問合せください。