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3DGSとは?点群データを高速・高品質に描画する新技術を徹底解説

2026.03.09

近年、建設・測量分野で活用が広がっている点群データ。しかし、データ量が膨大なため「表示が重い」「操作しづらい」と感じたことはないでしょうか。

こうした課題を解決する技術として注目されているのが、3D Gaussian Splatting(以下“3DGS”と表記)です。

本記事では、3DGSが従来の点群データとどう違うのか、なぜ高速かつ高品質な描画が可能なのかを、できるだけ分かりやすく解説します。建設現場での活用イメージも交えながら、その可能性を整理していきます。

1. 3DGSの基本と仕組み

3DGSは、複数の写真から3次元空間を再構築し、高速に描画するための新しい技術です。2023年に発表された比較的新しい手法で、ここ12年で急速に注目を集めています。

従来の点群が「色付きの点の集合」で空間を表現するのに対し、3DGSでは各点を「3次元ガウス分布」という広がりを持つデータとして扱います。

簡単に言えば、単なるではなく、少し広がりを持ったにじんだ点(Splatとして空間を構成します。これにより、質感や光の当たり方まで、より自然に再現できるようになります。

1.1 ガウス分布による表現がもたらす違い

点群は、位置と色の情報を持つ点で構成されます。そのため、拡大すると点と点の隙間が目立ち、粗く見えることがあります。

一方、3DGSは「位置・色・大きさ・向き・透明度」などの情報を持つガウス分布で空間を表現します。点同士の隙間を自然に補いながら描画できるため、滑らかで現実に近いビジュアルを生成できます。

結果として、より少ないデータでも自然な3D表現が可能になります。

1.2 NeRFを凌駕するリアルタイム性能

写真から3Dシーンを生成する技術としては、NeRFNeural Radiance Fields)も広く知られています。

NeRFは非常に高品質な画像生成が可能ですが、学習やレンダリングに時間がかかるという課題があります。視点を変えるたびに再計算が必要になるため、リアルタイム操作には向いていません。

一方、3DGSはガウス分布を直接描画する手法を採用しており、高速なレンダリングを実現しています。完成した3D空間をリアルタイムに近い感覚で操作できる点が大きな特徴です。

2. 3DGSが点群データ活用にもたらすメリット

3DGSは、従来の点群処理で課題とされてきた「重さ」や「描画の粗さ」を大きく改善します。

特に、高速性と高品質な描画の両立が最大の特徴です。

2.1 圧倒的な描画速度と操作性の向上

3DGSは、複雑なポリゴンメッシュを生成せず、点を直接描画する方式を採用しています。そのため、大規模なデータでもスムーズな表示が可能です。

数億点規模のデータであっても、拡大・縮小・回転といった基本操作を軽快に行えます。従来の点群ビューアで感じていた表示遅延やカクつきが大きく軽減されます。

技術

描画速度

データ操作性

得意なデータ規模

3DGS

非常に高速
(リアルタイム)

非常に軽快

大規模

従来の点群ビューア

データ規模に依存
(大規模で遅延)

データが重いとカクつく

中規模まで

NeRF

比較的低速
(学習・レンダリングに時間)

視点移動に再計算が必要

小〜中規模

表:3DGSと従来技術の性能比較

 

2.2 写真のように滑らかで自然なビジュアル

従来の点群では、拡大すると点の隙間が目立ち、表面が粗く見えることがありました。

3DGSは、点を半透明で広がりを持つデータとして扱うため、隙間を自然に補います。その結果、表面が滑らかに見え、金属やガラスのような質感もより自然に表現できます。

写真から取り込んだテクスチャの再現性も高く、没入感のある3D空間を構築できます。

2.3 3DGS vs NeRF(Neural Radiance Fields)

NeRF3DGSは、どちらも複数の写真から3D空間を生成する「新視点画像生成(Novel View Synthesis)」技術に分類されます。

NeRFAI(ニューラルネットワーク)を用いて、空間内の光の振る舞いを学習します。非常に高品質な画像を生成できますが、学習に時間がかかり、リアルタイム表示が難しいという側面があります。

一方、3DGSはガウシアンを直接描画するアプローチを採用しています。これにより、高品質なビジュアルを保ちながらも、リアルタイムに近い表示を実現しています。

この「リアルタイム性」は、建設DXの現場において大きな意味を持ちます。遠隔臨場や施工シミュレーション、デジタルツイン活用など、インタラクティブな操作が求められる場面で力を発揮します。

3. 建設・測量分野における点群と3DGSの活用事例

膨大な3次元データを扱う建設・測量分野において、3DGSは建設DXを後押しする技術として期待されています。

3.1 各種画像取得手法の広がりと汎用化への期待

これまで3Dモデル生成は、スマートフォンやデジタルカメラによる撮影が中心でした。

現在では、ドローンによる空撮や、SLAMレーザ技術を活用した計測など、取得方法が多様化しています。

これらの画像やセンサーデータを活用することで、点群生成やメッシュ化といった中間工程を経ずに、高品質な3Dモデルを短時間で構築できる可能性が広がっています。

屋内外を問わず、地形や構造物の現況を直感的に把握できる環境づくりに寄与します。

3.2 現場の進捗管理と関係者間のスムーズな情報共有

工事進捗に合わせて定期的に撮影し、3DGSモデルを作成することで、時間経過に伴う変化を視覚的に確認できます。

BIM/CIMデータと重ね合わせれば、設計との差異の確認や施工品質の向上にも役立ちます。

また、生成された3Dモデルを快適に閲覧・共有できる環境が整えば、発注者・施工者・協力会社などが同じデータを参照しながら議論でき、合意形成のスピードも向上します。

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4. まとめ

XGRIDSにより取得した3DGSデータ(福井県/一乗谷朝倉氏遺跡)
XGRIDSにより取得した3DGSデータ(福井県/一乗谷朝倉氏遺跡)

3DGSは、点群データの課題であった「重さ」と「粗さ」を改善し、高速かつ高品質な描画を実現する技術です。

大規模データでも軽快に操作できる点は、建設・測量分野の実務において大きなメリットがあります。

今後、画像取得技術の進化とともに、3DGSの活用範囲はさらに広がることが期待されます。点群データ活用の新たな選択肢として、今後ますます注目される技術といえるでしょう。

従来の点群では、拡大すると点の隙間が目立ち、表面が粗く見えるといった課題がありました。3DGSは、点を「半透明で向きを持つ雲」のように扱うことで、隙間を自然に補い、表面が滑らかなモデルを生成します。金属やガラスといった質感も自然に表現でき、写真から取り込んだテクスチャも高い精度で再現されるため、没入感のあるリアルな3D空間の体験が可能になります。

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