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測地成果2024とは?標高改定の変更理由と影響を分かりやすく解説

2026.03.09

2025年(令和7年)41日、国土地理院により全国の基準点の標高成果が更新されました。これが「標高改定(測地成果2024)」です。

今回の改定は、地殻変動などにより現状との間に生じていた標高成果のズレを解消するとともに、衛星測位(GNSS)を基盤とする新たな標高体系への移行や、最新のジオイドモデルの反映を行ったものです。測量・設計・インフラ管理など、高さを扱うすべての業務に関わる重要な更新といえます。

1. 標高改定が実施された背景と理由

全国の標高が見直された背景には、日本列島の地殻変動と測量体系の転換があります。現実の地形と従来の標高値とのズレを解消し、より精度の高い基盤情報を整えることが目的です。

1.1 地殻変動による国土の変形

日本は複数のプレートが重なる地域にあり、日常的にわずかな地殻変動が続いています。さらに大規模な地震が発生すると、広い範囲で地盤が上下することがあります。

こうした地殻変動は一時的なものではなく、長期的に積み重なっていくものです。その結果、実際の地形の高さと、従来の標高成果との間に差が生じることがあります。

こうしたズレを整理し、現状の国土の姿に即した標高へ見直すことも、今回の標高改定の重要な目的の一つです。

1.2 測量技術の進化と観測網の高度化

従来の標高体系は、水準測量を基盤として構築されてきました。しかし、距離が長くなるほど誤差が蓄積するという課題がありました。

現在は、全国約1,300点に設置された電子基準点から得られるGNSS観測データを活用し、地殻変動を高精度に把握できるようになっています。

今回の改定では、この電子基準点から求められる高さを基盤とした体系へ移行したことが大きなポイントです。

1.3 標高体系の見直し(電子基準点基盤への転換)

標高の基準そのものが変わったわけではありません。
日本水準原点の標高値は、測量法施行令で定められているとおり、東京湾平均海面上24.3900メートルです。

全国の標高成果はこれまでも改定が行われており、直近では「測地成果2011」の改定がありました。今回の改定はそれに続くもので、「日本水準原点」を基準としつつ、電子基準点から求められる高さを基盤軸とした標高体系へ再構築された点に特徴があります。

詳しい改定内容は、国土地理院の公式ページで公開されています。

2. 具体的な改定内容と全国の標高への影響

2025年(令和7年)41日の標高改定により、全国の基準点の標高値が更新されました。地域によって上昇・低下の傾向は異なります。

2.1 ジオイド2024の導入

今回の改定で重要なのが、ジオイドモデルの更新です。

標高計算に使用するジオイドが
「日本のジオイド2011」から
「ジオイド2024 日本とその周辺」へ切り替わりました。

ジオイドとは、簡単に言えば「標高を求めるための基準となる面」です。
重力測定データなどを反映して高精度化されています。

ジオイド2024について|国土地理院

2.2 全国で見られる標高の改定例

地域によって標高水準点の改定量は異なります。

例:

  • 宮城県牡鹿半島:約 +23cm
  • 北海道別海町:約 −40cm

これは+ーの最大値であり、詳細は基準点成果で確認する必要があります。

2.3 更新対象となった基準点

今回更新された主な基準点は以下のとおりです。

電子基準点:GNSS観測を24時間行う全国約1,300
・水準点  :日本の高さの基盤を形成する点
・三角点  :位置決定や地図作成に使用
・公共基準点:地方自治体が管理する測量基準点 

これらの標高が更新されたことにより、今後の測量では必ず新しい標高値(測地成果2024)を使用する必要があります。

基準点の種類

概要

電子基準点

GNSSGPSなどの衛星測位システム)からの電波を24時間連続で受信し、精密な位置情報の基準となる点。
全国に約1,300点設置されています。

水準点

道路沿いなどに設置され、日本の高さの基準(東京湾平均海面)からの高さを精密に測定した点。従来、標高の基盤となっていました。

三角点

山の頂上や見晴らしの良い場所に設置され、地図作成や位置を決定するための基準となる点。

公共基準点

地方公共団体が測量の基準として設置・管理している基準点。

 

【TREND-ONE】令和7年 標高成果の改定について 詳しくはこちら

3. 測量業務における注意点と新標高の確認方法

2025年(令和7年)41日以降の業務では、新しい標高成果を前提とした対応が必要です。

3.1 新旧標高の混在防止

改定直後は、新旧データが混在しやすい時期です。

業務着手前に、

  • 使用する成果が「測地成果2011」か「測地成果2024」か
  • 発注仕様でどちらが指定されているか

を必ず確認します。

成果品には使用した標高体系を明記しておくことが重要です。

3.2 新標高の確認方法

標高成果は、国土地理院の「基準点成果等閲覧サービス」で確認できます。

成果表に「測地成果2024」と記載されていれば、新体系です。

GNSS測量では、ジオイドモデルを必ず「ジオイド2024」に設定します。

3.3 機器・ソフトの設定確認

GNSS機器や測量計算ソフトは、ジオイドファイルの更新が必要です。

ネットワーク型RTKサービスを利用している場合も、配信成果が「測地成果2024」に対応しているか確認しましょう。

4. まとめ

本記事では、測地成果2024(標高改定)の背景、改定内容、測量業務への影響を整理しました。

今回の改定のポイントは、地殻変動で累積したズレ等を整理しつつ、電子基準点等の衛星測位を基盤とする標高体系へ移行したこと、そしてジオイド2024 日本とその周辺」を用いる新しい枠組みに更新されたことです。

標高は、土木設計、防災、インフラ整備など広い分野に関わります。業務では新旧成果の混在を避け、国土地理院の公開成果を参照しながら、正しい標高体系で取り扱っていきましょう。

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