300名を集め「情報化施工」体験実習会開催
~株式会社岩崎(札幌)の取組み~
「現場に即した」情報化施工体験会
- 今回の「体験実習会」の狙いは?
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古口氏
もともとは、約3年前から私たち自身が情報化施工の効果を確かめたくて始めた体験会です。で、私たちなりに実証できたので、今度はお客様に「こういう様にできる」ことをお見せしよう、ということになりました。以降毎年開いていましたが、今回は募集開始と同時に2日間100人の枠が満杯になり、追加開催分もすぐ満員になるなど、関心が急激に高まっている実感がありますね。
- 実習会の内容をご紹介ください
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木下氏
約3時間のメニューで体験項目は全5項目。まず重機を使った実習は、3次元設計データを読込んでブルドーザを動かす路体盛土の敷均し、転圧管理システムを使った振動ローラによる転圧。そして3次元設計データで油圧ショベルを使う盛土法面整形の3項目です。データは「EX-TREND 武蔵」で作ります。法面整形は丁張りによる従来方式で造る盛土と、3Dマシンコントロールによる盛土を比較して精度を確認してもらいました。
- TS関連の実習は?
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木下氏
まずTS出来形管理ですね。トータルステーションで出来形計測点を計測し設計値との差を確認します。ここでは「EX-TREND 武蔵」の「TS出来形取込」を、次の軟弱地盤の動態観測実習では当社の「NETIS」に登録されたシステムを使います。他にGPSや3Dスキャナを使った現地の実測も行いました。概要説明は座学ですが、その他は私たちの作業をお見せした後、参加者に実際に機器、システ厶の操作を体験してもらいます。終了後アンケートを取ったのですが、分からないとか難しそうという声はほとんどありませんでしたよ。実際の現場に即した形で情報化施工を体験し、リアルに捉えてもらえたのではないでしょうか。
大切なのは前向きに取組む気持ち
- 参加希望者が急増したのはなぜでしょう?
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古口氏
やはり昨年、国土交通省の情報化推進会議で情報化施工推進戦略が策定されたことが大きかったですね。北海道開発局の試験施工件数も昨年は3件でしたが、今年度はその6倍の18件まで増えました。
- 情報化施工のメリットについては?
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古口氏
現場ごとに条件が違うし、やり方次第の要素も多く、一概に最初からメリットが出るとは言えません。ただ、早くから取組んでいるお客様で、実際に情報化施工を経験したオペレータから「上手く使えば工期が半分になる」というコメントも聞きました。また、数年前に情報化施工先進国である欧米各国の現状を調査した時も、ドイツのアウトバーンの工事現場で、情報化施工により工期が10年前の半分になったと言っていましたね。
- やはり早く対応すべきですか?
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古口氏
それはお客様個々の戦略ですから、私たちがとやかく言うことではないでしょう。ただ、情報化施工は、私たちがノウハウを提供すればすぐ対応できるというものではありません。現場のオペレータや現場代理人が実際に情報化施工のやり方に慣れ、それなりに効果を出せるよう習熟するには一定の期間が必要です。3年も経って情報化施工が本格化する頃には、先に対応を始めていた会社はノウハウを蓄積して工期を短縮し、利益を出せる体制になっているでしょうが、逆にその頃になってから対応するのでは、差を縮めるのは大変でしょうね。とにかく大切なのは、お客様自身の積極的に取組もうという気持ちです。そういう前向きなお客様は、私たちも全力でバックアップしていきますよ。
※2009年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。
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