若手社員中心に3次元測量技術を発展&拡大
測量会社の枠を超え、新市場を開拓していく
「定時帰宅が当りまえ」の測量会社へ──
若い技術者たちの発想と技術が会社を変える
山形県山形市の三友エンジニアは、高度な3次元測量技術を基盤に測量設計と土木現場ICT支援を展開する土木測量コンサルタント会社。近年は若手技術者を中心にTRENDONEやEX-TREND武蔵、TREND-POINT、TREND-CORE等々、福井コンピュータ製品をフルラインナップで運用。3Dデータを幅広く活用し、土木測量の分野を超えた新しい市場開拓に挑戦しています。積極果敢なその取組みについて、長岡社長と若手技術者の皆さんに伺います。
山形の現場ICT普及を多角的に支援
- 3次元活用に早くからお取組みに?
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長岡氏
わが国でCALS/ECが始まったのは1995年ですが、これと機を一に私たちも現場IT化に特化した取組みを開始しました。その後、CALS自体は停滞してしまいましたが、私たちはこの取組みを継続。いち早く3次元CADを導入して、3次元の活用というフィールドに踏み出していました。それはいずれ日本の現場もIT化が進み3次元の活用等も当り前になっていく、という確信があったからです。もっとも現状では、当社の事業も測量設計と建設系の現場技術支援が二本柱で、これを基盤に新分野の取組みとして3次元系の業務を開拓している状況です。
- 山形で創業された狙いは?
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長岡氏
私は県外の現場をいろいろ回っていたのですが、何しろ出身が山形なんです。だから故郷の土木測量業界が3次元化の流れに乗り遅れないよう、レベルアップのお手伝いをしたいと考え、ここに拠点を置きました。当初は「図面が描ければなんでもいいじゃん」という状況だったので苦労しましたね。今ではBIM/CIM、ICTといった流れができてだいぶ変わってきました。各社がこの波にきちんと乗って思い通りに動ける会社になれるよう、いろんな角度からお手伝いしていきたいと考えています。
- 「新分野の取組み」とはどんなものですか?
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長岡氏
たとえば「着工前後の現場状況をドローンで空撮してくれ」といった仕事がよくあります。無論、依頼された写真をきちんと撮る一方、ムービーも作ったりしています。編集しエフェクトをかけ、音楽を付けて「こんなものを作ってみました」とお見せすると「この方が綺麗だし分かりやすい」となったり……。あるいは測量を頼まれた現場をドローンで撮り、その点群データを元に3Dプリンターで現場の地形を出力したこともありますね。発注者にプレゼントしたら喜ばれるかな、と(笑)。また、いまプレゼンしているもので、廃校になった分校校舎を3Dスキャンして3Dプリンターで出力し記念品の模型代わりにしようと提案していますし、歴史的な建造物を点群データから3次元CGで再現して歴史建造物のデータアーカイブを作る計画もあります。
- 実際に進行中のプロジェクトはありますか?
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長岡氏
山形県総合運動公園に「NDソフトスタジアム山形」というサッカースタジアムがあるのですが、築後20数年経っていて周辺に背の高い樹木が多く生えています。これが日を遮って近隣での日照の問題が出てきたことから、県の発注で現状把握のための日影シミュレーションを作成しています。高さ15m以上の木を伐採したら外観はこうなる、道路から見るとこうなる、影はこうなる等々、先方の判断のために数パターンを仕上げてお持ちする予定です。制作の中心となったのはウチの女性チームで、彼女たちが現地へ行って実測したデータを元にTREND-COREを駆使。樹木一本一本まで再現しながら日照をシミュレーションさせています。もちろん県へのプレゼンテーションも、彼女たちにやってもらう予定ですよ。
若い技術者がカギを握る
- 男女問わず若手が活躍していますね
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長岡氏
ICTやI-Constructionなど、新技術活用のカギは若い技術者です。ICTに取組むには3D CADを始めさまざまな3Dツールを使う必要があり、これらはやはり若い方が馴染みやすいのです。当社も25名のうち4名が女性で平均年齢は26~27歳。男性陣も私を除けば平均年齢30代です。彼らが関心を持って楽しく働ける環境と設備を整え、意見を積極的に活かしていくことが重要です。前述の新しい取組みも、若い技術者たちが提案してくれた内容がベースなんですよ。
- 設備という点では3Dツールの選択も重要ですね
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長岡氏
もちろん自社に適した製品を揃える必要があります。中でも福井コンピュータのICT関連製品は一式揃えておかないと、全く仕事になりません。以前は当社も海外製CADを使っていましたが、日本の現場IT化が本格化し始めるとやはり福井コンピュータ製品の方が便利で、どんどん使用機会が広がりました。現在では作業のおよそ7割を福井コンピュータ製品で行っています。
- どこが違うのでしょう?
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長岡氏
公共事業、公共測量の業務には帳票や書類に定められた様式があり、作業の流れも「日本ならでは」のため、国産の福井コンピュータ製品が一番使いやすいのです。多くの面で私たちの現場にフィットしているんですね。当社でも、若い技術者は全員、福井コンピュータ製品を使えるようにしています。もちろん男女問わずドローンを飛ばし3Dレーザースキャナーを動かしコンピュータを使いますが、TREND-COREやTREND-POINTを使うCGビジュアルやシミュレーションは、女性技術者のチームに任せています。一方、男性陣はTREND-ONEやTREND-POINTを使うことが多いかな。
残業がほとんどない測量会社
- 若い方にFC製品の使用感を伺えますか?
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山口氏
TREND-ONEとTREND-POINTを常用していますが、直感的な操作が可能で、いちいち難しいことを考える必要がありません。特にTREND-ONEは測量結果と図面が連動でき、TREND-POINTの3Dデータも一括して管理できます。しかも、動作が軽く何でもストレス無く処理できるのが最高です。普通の平面図や縦断図、横断図を作る作業は以前の3倍の作業効率だと思います。実際、いまや当社ではほとんど残業がありません。皆ほぼ毎日が定時帰宅です。
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大内氏
いまTREND-COREで山形県総合運動公園のシミュレーションを作っていますが、「樹木」の3D部品がいろいろ揃っているので助かっています。画像もテクスチャとして読み込めるし、Sketch UPで作ったデータもそのまま取込める。とても柔軟で使いやすいのです。まるで絵を描いているみたいに楽しく作業できています。
- 若い方たちがとても元気ですね
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長岡氏
嬉しいことです。業界全体を見渡すと、残念ながら、若い人たちが持っているイメージは良いとは言えません。これをどうにかして変えて行く必要があるわけで……その意味でもICTの導入・活用は非常に重要な課題だと思っています。
- 業界の現状は変わりましたか?
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長岡氏
県が「ICTをやりましょう!」と発注をかけてくるようになり、地場の業者も「そういうこともやらなきゃいけないのか」という意識が生まれはじめました。しかし、一方では「そういうレベルの仕事は関係ない」と思っている所もたくさんあります。私たちとしては、前述したようなプラスアルファのICTの成果、3次元のメリットをどんどんお見せしていきたいですね。実際、ドローンで3次元の点群データにしてお見せするだけでも、すごく効果があるんですよ。そして、その技術の活用の仕方とメリットを具体的に説明すれば「やってみよう!」となる方も多くいらっしゃいます。ですから、いまはそういう提案を地道に積み重ねていこうと考えています。
※役職などは2019年春、取材当時のものです。
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