武蔵&Landcomを生かした独自の技術提案で満点を獲得
土木・建築、環境事業等に展開する大福工業(出雲市)では、総合評価の評点アップのため、EX-TREND武蔵とLandcomによる独自のTS出来形の活用法を提案。満点を獲得しました。そのユニークな取り組みについて同社のお二人に伺います。
逆転の発想でTS出来形を活用
- ユニークな技術提案をされたそうですね
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妹尾氏
ダムの残土処理場の整備工事ですが、排水構造物の施工にTS出来形を使う提案を行ったんです。土工でTS出来形を使うのは珍しくありませんが、排水構造物に使った例はなく、効果も期待できたためか、思った以上の満点という高い評価点を、2回連続でいただくことができました。
- 提案の内容をご紹介ください
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妹尾氏
現場は山の中の10万平米に及ぶ残土処理場の排水用水路で、排水勾配の確保が重要課題でした。これは処理場の排水を全て一カ所に集めて流すための水路で、全長5kmもあり、線形は複雑で標高もあまり変化がありません。そのため線形をショートカットする部分はともかく、逆に距離を伸ばす部分など、勾配が取れなくなる怖れがあったのです。そこで考えたのが、事前に計画を立て、そのデータに合わせて施工する方法でした。
- 逆転の発想ですね
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妹尾氏
ええ。事前に位置と高さを作っておき、そのデジタルデータを使って施工すれば、勾配は確実に確保できるはずですし、丁張り設置や側溝据え付けの確認などの作業にも手間がかかりません。そこでTS出来形を使うこのやり方を提案し、高く評価されたのです。
- 現場はやりにくくなかったですか?
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安部氏
最初は戸惑いましたが、横断図さえしっかり書けていれば「武蔵」が読み取ってくれるのでチェック等は必要ないし、思ったより手間が抑えられたのが実感です。従来は計算を間違えると、勾配が取れず水が溜まったりしましたが、TSなら現場で高さと距離さえ確認すれば、逆勾配の可能性は抑えられます。
- 「使える」技術という手応えがあった?
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安部氏
そうですね。排水勾配を確保するための手法としては、かなり良いと思います。私たち現場の方がもっとTSの使い方に習熟していけば、作業効率もさらに上がっていくと思います。
ユニークな提案と分かりやすい提案書をA
- 評価点アップのポイントは?
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妹尾氏
勝因はやはり武蔵とLandcomを使った提案のユニークさと、分かりやすい提案書にあったと思います。発注者により異なりますが、審査側は提出された書類を全部並べて比較するので、同じような提案は目立たず点が付きません。やはり同じような提案が集まりがちなので、突拍子もない提案があれば「これはいい」となる(笑)。もちろんユニークな提案だからこそ、そのメリットを分かりやすく伝える書き方も重要なのです。
- ユニークなアイデアはどこから?
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妹尾氏
これはもうその都度必死で考えるしかありません。今回も私は、良いアイデアが閃くまで何度も現場に足を運んで考え続けました。1つポイントとなるのは、課題の背景にある発注者の意図です。「なぜこの課題を出すのか?」という所を読むことが大切だと思います。そしてもちろん、新しい技術やノウハウの導入も必要です。最近ならやはりTS出来形やLandcom、GPSをどう生かすかですね。その意味でも、こうした新しい技術や情報を提供してくれる、福井コンピュータとのお付き合いは重要だと考えています。
- 今後の展開についてお聞かせください
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妹尾氏
公共事業の工事量は減り続けており、業界はどんどん縮小されています。効率化して手間を減らし人員を減らして、なおかつ同レベルの品質で現場管理しなければなりません。もちろん総合評価への対応も引き続き注力します。評価点アップを目指すのはもちろん、実績評価型の新しい総合評価にも対応していきます。こちらは企業や技術者個人の技術点などが評価の中心となるので、CPDS等の推進など社員のスキルアップが必要ですね。これもなるべく早く、全社的な取り組みを進めていきたいと思っています。
※2011年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。
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