EX-TREND武蔵で建設ICTに挑戦!
TS出来形管理の効果を体感する
国土交通省の支援のもと全国で建設ICTモデル工事が進んでいます。その一つ、「伊豆縦貫谷田道路建設工事」を請負う大旺新洋名古屋支店では、EX-TREND武蔵を始め技術を駆使しTS出来形管理などいくつかの建設ICTに取り組んでいます。同社にとって初となるこの取り組みについて、同社の森氏、加藤氏、大橋氏に伺います。
土工の3つのICTが同時に稼働する現場A
- 工事の概要をご紹介ください
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森氏
中部地方整備局発注の道路改良工事です。現場は三島市竹倉で施工延長932m。主な工事は土工事で掘削15万立米、盛土が3万5千と法面一式に重力式擁壁2カ所と排水構造物、舗装工・防護柵各1式に大きめの調整池も作ります。土工事メインの現場だけにICTモデル現場にも適していました。
- 導入した建設ICTは?
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加藤氏
トータルステーションを用いた出来形管理、ブルドーザ・バックホウの3Dマシンガイダンス、GNSS方式による振動ローラ搭載型の転圧管理にも取り組んでいます。土工のICTが3つも同時に進むのは珍しいでしょう。私たちも初めてだったので「ぜひやりたい」とアピールしました。正直現場はまだまだ手探りでTS出来形管理も完成測量まで行っていませんが、EX-TREND武蔵で作ったデータは丁張り等に活用しています。初めてだったのでデータ作成には少々手間取りましたが、慣れてしまえば圧倒的に速いですよ。
- 「圧倒的な速さ」の理由は何でしょう?
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大橋氏
何しろ図面を武蔵に取込めばすぐにデータができ、すぐに任意の場所で出来形の測量ができるのですから、手計算とは比べ物になりません。従来2日かかっていた作業が、武蔵を使えば1日もかからないんです。
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加藤氏
たとえば新人が丁張りをかけることができるようになるまでに1~2カ月はかかりますが、武蔵を使えば同じ人でも1週間あれば充分でしょう。何しろ3Dの絵を目で見て確認できるので、丁張りも物凄くスピードアップするんですよ。
- 違いは他にも感じますか?
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大橋氏
TS出来形管理の場合、現況に左右されないのも強みですね。難しい斜面等の測量も武蔵でやれば関係ありません。切り出しの位置も即座にピンポイントで出せますし……。
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加藤氏
品質向上も期待できますよ。データさえ確かなら手計算のような間違いは一切ないし、掘削しながら必要に応じてすぐに位置を観測確認し、早い段階で指示を出せます。これらは確実に品質向上につながりますね。
- その他のICTについてはどうですか?
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加藤氏
3Dマシンガイダンスも有効です。特にバックホウは、切り出しの丁張りだけで後は丁張り無しで全部1回で仕上げられ、丁張りの数を半数以下に減らせました。当然格段に速いし仕上りもきれいですね。最初オペレータにも戸惑いがありましたが、慣れると「これなしではやりたくない!」と言ってました。またローラーの転圧管理も職人の勘頼りでなく、視覚的に転圧状況を確認できるので、よくある転圧不足等のミスを防げると思います。
- 今後の建設ICTへの取り組みは?
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森氏
施工面では便利に使えており、工期短縮等の効果も実感しています。ただしICTだけで現場が回せるわけではなく、そこには技術者の現場経験も欠かせません。この両者のバランスを取りつつ進めることで、工期短縮やコストダウンを効果的に行えるでしょう。若い人には、ICTを学びながら現場の経験もじっくり積んでほしいですね。
※2012年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。
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