TS出来形初挑戦を舗装工事で!
見えてきた「現場」の未来
長野県上田市に本社を置く宮下組は、創業100年余の歴史を持つ老舗建設会社です。同社では、今年「EX-TREND武蔵」の「TS出来形管理」を導入。初めてのTS出来形活用の舞台に舗装工事の現場を選びました。舗装工事でTS出来形を活用した例はまだ少なく、初挑戦でこれに挑戦したのは珍しいでしょう。その狙いと背景について、現場を担当した北沢氏、小林氏に伺いました。
仕組みさえ分かれば誰でもできるTS出来形
- まず現場の特徴をご紹介ください
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北沢氏
工事概要的には3工区に分かれ、それぞれ異なる工事内容となっています。一つ目がメインとなる歩道の融雪設備工事。地下水を汲み上げて歩道の下を通し、雪を溶かす仕組みを新設します。二つ目は古くなった融雪設備の改修工事。そして三つ目が、今回TS出来形を使った舗装修繕工事で、延長約300mの舗装工事としてはコンパクトな現場です。
- TS出来形初挑戦で舗装を選んだのは?
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北沢氏
会社に提案したのは私ですが、これはあくまでタイミングが良かったから。TS出来形の導入が決まりハードやソフトを揃えて、さあ!というところで本件が入ったんです。舗装の事例が少ないのは知っていましたが、理屈は土工事と同じですし、やってやれないことはないだろう、と(笑)。
- 手探りだった部分も多かったのでは?
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北沢氏
ええ。でも先に取組んでおけば課題も早く見つかり、対策も考えられます。そして、それは当社のノウハウになるのですから悪いことじゃありません。そもそもTS出来形自体は難しい手法ではないし、仕組みさえ分れば誰でもできると思います。たとえばデータ作りは面倒ですが、入れていくだけなので難しくはありません。まあ、入力漏れや設定忘れは無くすような工夫は必要ですが。
- 測量の方はいかがでしたか?
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小林氏
私も始めるまでは「どうなのかな?」と半信半疑な気持ちがありましたが、福井コンピュータのサポートもあり、意外とすぐに慣れることができました。TSも自動追尾型を導入したので、現場では全部自動追尾でやってくれるんです。先にデータさえ入れておけばいいのですから楽なものです。ただ、影に入ってロストした時は、探し直すのに時間がかかりましたが、それでも全体の作業性はかなり上がったと思いますよ。
- 従来のやり方に比べてどうでした?
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小林氏
いつもはレベルで測っているのですが、今回はTSで高さまで全部見られたので、ヒューマンエラーも減ったと思います。実際、データを持ってきて設計データと合わせてチェックするんですが、機械にきちんとデータさえ入れておけば間違いありませんから。レベルでやると、どうしても読み違えや書き間違いのミスが起きてしまうんですよ。
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北沢氏
測量で課題になったことといえば、片側通行にして、クルマを通す側を測った時の安全性確保でしょうか。全面通行止めにするわけにもいかないので、クルマを流しながら、測点ごとに取るしかなくて。これもノンプリズム方式でできれば、歩道側に機械を据えれば勝手に取ってくれるんですが……。夢みたいな話ですが、不可能ではないはずです。今後の技術進化に期待したいですね。
- 今後のお取組みは?
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小林氏
せっかく費用をかけて良い機械を買ってもらったんですから、積極的に活用したいですね。土工事もタイミングが合えばどんどんTS出来形でやっていこうと思ってます。
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北沢氏
土工はもちろん、それ以外も試してみたいです。構造物も砂防ダムとか橋といった大きいものでも、TS出来形で十分対応できるでしょう。出来形の前に「TS」って付けると腰が引けちゃう人もいますが、どちらもやることは一緒。一度やれば分かるし、やらなければ永久に分かりません。この世界で生きていくにはやるしかないのですから、だったら、少しでも早く取組むべきだと思いますよ。
※2013年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。
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