最新技術で現場を変えていく
富良野から目指す現場の最先端
アラタ工業は、北海道・富良野に創業以来90年余の歴史を持つ地域密着型の建設会社です。富良野地域の土木建設工事を広く請負う一方、観光事業に進出するなど、新分野の開拓にも注力しています。そんな同社では情報化施工への展開も早く、2010年頃からはほぼ全現場でTS出来形を導入しています。その狙いと背景について、同社最新の情報化施工導入現場に菊地氏と石井氏をお訪ねしました。
最新機器をいち早く導入し「武器」にする
- まずこちらの現場をご紹介ください
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菊地氏
旭川を起点に富良野経由で占冠村に至る、延長約120kmの高規格道路「旭川十勝道路」建設の一翼を担う工事です。具体的には盛土施工とボックス施工が中心となります。
- 本現場の情報化施工の活用は?
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菊地氏
情報化施工については、TS出来形を導入しています。実は当社の情報化施工メニューはTS出来形と転圧管理の2本立てとなっており、本現場でも当初はこの2つを予定していました。ところが盛土の含水率が予想以上に高く、地盤が軟弱すぎてローラーによる締め固めが困難ということで、TS出来形だけの運用に変更となりました。そんなトラブルはありましたが、発注者にもすぐ事情をご理解いただけ、工事は滞りなく進んでいます。
- TS出来形の活用も順調ですか?
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菊地氏
ええ。個人的にも情報化施工は3現場目なので、もう戸惑いなど全くありません。特にTS出来形は作業手順の要領さえ教えれば、1年生の新入社員でもできると思いますよ。別現場ですが、勉強を兼ねて1年生にやらせたこともありました。もちろんチェックは必要ですが、問題なくこなしてくれました。
- 導入効果も出ていますか?
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菊地氏
TS出来形の作業自体はもちろん、起工測量なども含めた、一連の業務全体がトータルに効率化された実感がありますね。
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石井氏
ええ。私も当初は事前準備が面倒な気もしましたが、トータルでみると大きく効率化されているのは間違いありません。たとえば測量は、以前は現場で書いたり計算したりの作業が非常に多くやっかいでしたが、今は事務所でEX-TREND武蔵に入力すれば、後は全部機械に入れて現場に持ち込み、その場で処理できる。現場作業全体が非常にスムーズで、書き間違いや写し間違いもありません。実際、野帳も持ち歩かなくなりました。
- コストダウンにつながったでしょうか
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菊地氏
効果は出ていますよ。分かりやすい例でいえば、情報化施工以前と比べて、明らかに人工が減っているんです。むかし4人でやっていたような現場も、今は3人で十分賄える感じですね。まぁ、事務所作業では話相手が減って寂しい気もしますが(笑)
- ハード&ソフトはどのようなものを?
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菊地氏
ソフトはもちろんEX-TREND武蔵です。これは電子納品が始まった頃からずっと使っています。機器類はトータルステーションやGPSも最新の追尾型を、また転圧管理の重機のシステムも導入しました。この現場では、現場紹介のホームページもにっこりブログを使って作成・公開しているんです。
- 転圧管理システムまで導入されているのはかなり先進的ですね
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石井氏
GPS盛土が標準化されていけば、遅かれ早かれノウハウも機材も必要になってきます。だったら一足先に入れて早く慣れた方が武器にできますから。機器やシステムがあればいろいろ試すこともできるし…。今はバックホウ等のマシンガイダンスに興味があります。丁張りレスはやはり夢ですからね。
- EX-TREND武蔵はずっとお使いですね
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石井氏
EX-TREND武蔵の前身の「EX-TRENDWin」の頃から使っていますが、さまざまな機能向上と共に、どんどん速く、軽く動くようになっている点が素晴らしいです。毎度の新機能も現場のニーズに応えたモノが多く、アップデートするのがすごく楽しみですね。今後はCIMの展開も気になっているので、そちらへの対応も期待したいです。
※2013年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。
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