EX-TREND武蔵で情報化施工への全社対応を加速!
新潟県長岡市は異常豪雨等によりたびたび浸水被害を受け、特に平成23年の新潟・福島豪雨で甚大な被害があったことから、放水路建設を目指す柿川床上浸水対策特別緊急事業が進んでいます。その一環である柿川放水路排水樋門新設工事を受注した福田組ではTS出来形を主とする情報化施工のため、EX-TREND武蔵を導入しました。その背景と狙いについて、福田組の松谷氏と数間氏に伺います。
武蔵を使ったTS出来形管理とバックホウのマシンガイダンス
- まず現場をご紹介ください
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松谷氏
柿川放水路事業の一環となる、柿川放水路排水樋門新設工事の現場です。平成23年7月の新潟・福島豪雨で大きな被害が出たため、床上浸水対策緊急事業として急遽実施されることになりました。工事は放水路や排水機場等に分かれていますが、当社が受注したのは、放水路の一番末端である樋門の工事です。
- 工事の特徴はどのような点でしょう
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松谷氏
メインは柿川と支川(太田川)の合流施設である樋門を作る工事で、堤防の嵩上げなども行いました。現場が市街地なので、騒音振動対策や粉塵対策が課題でしたね。騒音を抑え堅い地盤に対応できる硬質地盤クリア工法や、CO2排出や騒音が抑えられるハイブリッド式バックホウ等も利用しています。そして、もう1つの課題が情報化施工。樋門工事は国土交通省の管轄エリアなので、これも重要なテーマなのです。
- 今回の情報化施工の取組み内容は?
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松谷氏
TS出来形管理とTSを用いた転圧管理と「GNSS」を用いたマシンコントロールを行いました。TS出来形については、私はここが2つめの現場でしたが、今回新たにEX-TREND武蔵を導入してTS出来形管理を行いました。マシンコントロールも、今回は最新のシステムでバックホウを使って行いました。
- 武蔵を初めてご利用になった感想は?
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数間氏
何しろ初めてだったので、最初は少し戸惑いもありましたが、徐々に慣れました。といっても、まだほとんどTS出来形だけですが、機能的には出来形計測データを取り込むと、そのまま図面に重ねられる点がすごく便利ですね。ワンタッチで寸法線の下に赤字で実測値が表示されるとか、使い手の立場に立った使いやすさだと思います。また、CADで横断図の任意のポイントを指定すると高さを自動的に読み取ってくれるので、ミスに気付きやすいのもいいと思います。図面が間違っている可能性もあるので、それがチェックできるのはとても助かります。
- ビジュアルで確認できるのが良い?
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数間氏
ええ。たとえば、TS出来形のデータ作成のところでは、まず線形と縦断を入力し、その後、横断のデータ等を入れていくと、イメージ図が出て目で見て確認できるので、即座に入力の正否を確認できます。変な数字を入れてしまうと、おのずとイメージ図の形も変になりますから。
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松谷氏
私は、すごく融通の利くソフトだ、と感じましたね。現場の状況に合わせて柔軟に対応できるというか……。他社のソフトは、データを取った後はあまり選択の余地がない感じで、時には無理矢理ソフトに合わせなければなりませんが、武蔵は柔軟に対応してくれます。だから、むしろ複雑な、難しい地形の現場ほど威力を発揮するんじゃないでしょうか。
- 操作習得には苦労しませんでしたか?
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数間氏
TS出来形に関しては、極論すればソフトに設計図面を読み込ませて測点を指定し、現地で測った測定データを入力するだけですから、1回やってしまえば、2回目からはどんな現場でも問題なく使えると思います。武蔵で使用する「建設CAD」については、今まで使っていたCADと操作方法が異なるため、手探りで進めている感じです(笑)。
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松谷氏
まあ初めての導入のわりには、スピーディーに学べた気がします。これはサポートが良かったからですね。特に私たちの画面をオペレーターが共有し、それを遠隔操作しながら説明してくれるリモートサポートが、とても具体的で分かりやすくて。スムーズに理解することができました。
武蔵が持つさまざまな機能をもっと現場で試してみたい
- 御社の情報化施工の取組みはいつ頃から始まりましたか?
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松谷氏
私個人は2011年頃から、この情報化施工的な取組みを行いました。そのときはGNSSを用いた転圧管理を行いました。会社で本格的に情報化施工に取組み始めたのは、6~7年前からのことになりますかね。新潟エリアでは、わりあい早くからのチャレンジだったと思いますよ。いまでは情報化施工が使える現場は、積極的に導入していこうという方向へ進んでいます。
- その取組みの背景にある狙いは?
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松谷氏
現状、国交省の発注現場は当社の場合全体の2割ほどに過ぎず、決して多いとはいえません。しかし、当社の場合、特に担当を分けているわけではないので、タイミング次第で誰でも国交省発注現場を担当する可能性があります。自分は関係ないなんて思っていても、ある日突然「明日から国交省発注現場へ行ってくれ!」といわれる可能性はいつでもあるんです。ですから、現場の技術者はその時が来ても慌てないようにしておく必要があるんですよ。
- 今後の武蔵の活用については?
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松谷氏
まだこの現場が終ってないのでなんとも言えませんが、今回の現場では武蔵の膨大な機能のほんの一部しか使っていないのが心残りです。カタログを見ると、まだまだ使ってみたい機能がたくさんありました。出来形管理にしても、一つのソフトでTS出来形も普通の出来形もどちらでも簡単にできるわけで、情報化施工現場以外でも試してみたいですね。
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数間氏
出来形管理は、すごく使いやすいと思いますよ。最初に国土交通省とか新潟県とか選べば、自動的に各工種の規格値まで持ってきてくれるので、いちいち自分で調べなくてもいいんです。私自身は、出来形管理と写真管理がリンクできるのも試してみたいですね。
- 他に試したい武蔵の機能は?
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松谷氏
アスファルトやコンクリートの品管理、出来形の総括表、あるいは現場端末の「X-FIELD」等にも興味があります。当社では現状、出来形管理の総括表なども、各技術者がそれぞればらばらのやり方をしているんですよ。Excelを使う人もいれば、他社ソフトを使っている人もいる状態で、これはやっぱりいろいろ問題があります。Excelも自己流で作って繰り返しコピーして使っていくと、いろいろ困ったトラブルが起こります。武蔵ならば各ツールが連動しているから、ミスも減らせるし確認も取りやすいわけです。
- いろいろなツールを使い分ける必要もないわけですね
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松谷氏
ええ、すべての現場業務にこれ1本で対応できるのなら、それに越したことはありません。みんなでこれを使うことで、全社で仕様を統一することも可能になるわけですし……。とにかくまずは私自身が、もっと使い方を勉強していきたいですね。
※2015年発行のCONST-MAGで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。
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