情報化施工

株式会社 早野組

情報化施工

じっくり1年かけて「武蔵」を導入!
TS出来形管理から情報化施工を本格化

情報化施工とその先のCIM導入が進む土木業界でも、全国的にみると「本格展開はこれから」という所も数多くあります。早野組は山梨県の建設会社として120年余の歴史を持ち、規模実績ともに地域の土木業界を牽引する存在。昨年、EX-TREND武蔵を導入した同社は、満を持して情報化施工へ展開を開始しました。取組みを主導する齊藤氏に話を伺いました。

「やらなければ遅れる一方」という危機感

山梨県の情報化施工の普及状況は?

齊藤

山梨県の場合、情報化施工の対象となるような大規模案件が多くないという事情もあり、普及はあまり進んでいません。TS出来形管理についても、現場にはまだ「取っ付きづらい」という意識が残っていますね。

そんななか御社がいち早く情報化施工への展開を開始されたのは?

齊藤

現状では対象となる大規模工事が少ないとは言え、将来これが一般化されることも視野に入れておくべきでしょう。私自身「いまやらなければ遅れていく一方」という危機感がありました。ただ、実際に対応するとなると、CAD等も情報化施工に対応した製品が必要です。当社の技術者のポテンシャルは山梨一と自負しており、情報化施工にも十分対応できますが、それでも教育は必要でしょう。特に使い慣れたCADを切り替えるとなると時間もかかります。正直、迷わなかったといえば嘘になりますが、だからこそ「いま変えなければダメだ」と思い、上司に提案しました。

そして、まず武蔵導入をお決めになった

齊藤

ええ、導入するならTS出来形管理と思っていたので、当然これに対応できる工事管理ツールを探しました。それも、できればCADと連携できるものが望ましいので、TS出来形と建設CADが密接に連携できる「EX-TREND武蔵」を選びました。もちろん、製品選定にあたってはできるだけ情報を集め、いろんな製品を見て比較検討しましたよ。さらに、すでにそれらを導入済みの他社にもヒアリングした上で「一番良い」と意見が一致したのが武蔵だったんです。導入は昨年6月で、土木部と舗装部の統一CADとしています。

使い慣れたCADからの切り替えはどうやって?

齊藤

簡単にいかないことは分かっていたので、じっくり1年かけて切り替えていこうと計画しました。まずは土木部・舗装部の20代から40代の、つまり当社の次代を担う技術者約50人に、合計6回の講習を受けてもらいました。そして、講習期間が終わった今年6月から、土木部・舗装部は「武蔵」へ切り替えていく方向です。すでに初めてとなる情報化施工対象現場も受注しており、TS出来形の運用準備も始めていますよ。

講習会には齊藤さんも参加を?

齊藤

はい、推進役としての責任がありますし、講義にはすべて出席しました。武蔵を使ってみた感触は、TS出来形など必要に応じていろんなツールと組合せて連携でき、CAD自体もシンプルなのがいいですね。たぶんまったくCADを知らない人間でも、使えるようになります。私自身はすでに完全に武蔵に切り替え、今はこれ1本で作業を行っています。情報化施工を牽引して行く側の立場なので背水の陣です(笑)。他のみんなはなかなかそうきっぱり割り切れないようですが、実際に情報化施工現場を担当すれば、すぐに使いこなしてくれるでしょう。

情報化施工の展開予定は?

齊藤

どうしても受注次第ということになりますが、最低でも年に1~2件はやっていきたいですね。対象現場でない所でも、余裕があればどんどん取組んでいきたい。私がいま担当している現場でも、時間ができたらTS出来形をやってみるつもりです。そして、そうやって蓄積したノウハウは社内で共有できますし、広く同業他社にも提供していきたいと思っています。

業界の牽引役としての務めでしょうか?

齊藤

そうですね、業界を私たちが引っ張っていくくらいの気持ちで進めたいと思っています。市場環境の厳しさはもちろんですし、競争して取っていかなければならないものも当然ありますが、情報化施工は現場を良くしていくことが一番の目的。ならばその目的のもと、互いにノウハウを提供しあい、協力しあっていくことが大切だと思っています。

※2015年発行のCONST-MAGで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。

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齊藤 英男舗装本部 工事部
工事長

株式会社 早野組

創 業
1887年4月
代表者
代表取締役会長 早野 潔
代表取締役社長 早野正泰
資本金
1億8,000万円
本社
山梨県甲府市
事業内容
土木及び建築の設計、監理並びに施工請負ほか

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