高精細空間測量分野で新市場を開拓!
今年設立10周年を迎える(株)共和は、奈良県・和歌山県に本拠を置く測量会社。従業員数10名の規模ながら、GPS測量やデジタル写真測量、DM編集など、高度な技術が必要な特殊測量を得意としています。そんな同社の次なる挑戦は3次元レーザースキャナと福井コンピュータの「BLUETREND V」を活かした、高精細空間測量分野への挑戦。――技術で勝ち残る同社の戦略について、枡谷社長のお話をうかがいました。
独自の“何か”で差別化を図る
ごく普通の測量会社だった共和の飛躍のきっかけはGPS測量への進出。しかしそれは決して平坦な道ではありませんでした。
「当時GPS分野に明確な将来性があったわけではありません。実際、同業の仲間には止められましたが……それでも高価な機器を買い、皆で勉強して。人のやらないことをやりたかったんですね。何しろ公共事業が縮減されダンピングが進んで、事業は確実に先細っていきます。生き残るには独自の何かで差別化を図るしかない。そしてその“何か”が技術です。新技術を導入し技術で市場を開拓しようと考えたのです」。
技術を先取り新たな市場を開拓する
社長の賭けは当たりました。GPS測量は成長を続け総売上げの約30%を占め、その実績と技術は他県にも知られています。
「当社はすでにデジタル写真測量やDM編集にも進出しています。“他ではやらないこと”が当社の最大の武器ですから、設備投資や勉強の手間も惜しみません」。すでにISO9001、ISO14001を取得し、JISQ15001の取得も準備中。まさに技術集団として確固たる地位を築きつつあります。
「ともかく特殊なもの、新しい技術のプロとして、できることはなんでもやりたいですね。もはや“待っていれば仕事が来る”時代ではないのですから」。
3次元化でめざす異分野市場
そんな共和は昨年、レーザースキャンした3次元座標データから3次元モデルを生成するレーザースキャニングシステムを導入。高精細空間測量の世界に進出しました。
「これをGPS等による位置情報と組み合わせれば、高品質な測量を効率的に行えますし後工程の図化作業も容易です。しかも得られた3次元空間モデルを活かせば異分野の市場開拓が可能です」。事実、測量・建設分野はもちろん、それ以外でも3次元モデルの活用は大きな可能性を持っています。
「3次元空間モデルを福井コンピュータのBLUETREND VやARCHITREND 21に取り込めば建築や土木測量に活かせますし、文化財のモデルデータは学術文化関連で活用できます。測量の副産物のモデルデータが付加価値を生むんです。近々専用の作業車にシステム一式を積み全国をデモして回る計画です。他にも様々なアイデアがありますし、CAD連携のアイデアなど、福井コンピュータの協力も大いに期待していますよ」。
※2004年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。
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