緊急【体験】座談会
これがオンライン登記申請だ!
遅れ気味とされていた不動産登記のオンライン登記申請も、徐々に各地で土地家屋調査士によるチャレンジが始まっています。ここでは2007年9月に初めてオンライン申請にチャレンジし、10月にも2度目を行った福井県の土地家屋調査士の皆さんに話を聞きました。
自分でやらなければ判らない
- チャレンジのきっかけは?
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宗沢氏
今回の私たちの取組みは、土地家屋調査士仲間の5つの事務所が集まって、福井コンピュータの協力のもと、内々で試験的に行ってみた実験的なものです。何しろみんな初めてですから、「オンライン申請って実際はどんなものなのか?」というくらいの気持ちだったと思いますよ。
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北嶋氏
そうですね。やはり「自分でやらないと判らないこと」というのは非常に多いですから。その意味でも今回はとてもよい勉強をさせてもらったと思いますね。
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番匠氏
オンライン申請は現状様々な問題があってなかなか普及が進んでいません。しかし法律も変わりましたし、管轄官庁の法務省が推進しているのですからこの方向に進むことは間違いないでしょう。ならば、先んじて勉強を始めておいた方が間違いない。第一、実際に自分でやってみないと、どこに問題があるのかも判らないでしょう。
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宗沢氏
そうですね。自分で経験したからこそ、自分なりに問題点も見えてくるし、そうすれば自分なりの意見も出せるんですよ。
- 実際の申請作業自体はいかがでした?
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番匠氏
今回は2回とも実物件で行ったんですが、大変だったのは、申請そのものより最初の準備段階。設定作業の部分でしたね。福井コンピュータの方が手伝ってくれたので、なんとかなりましたが……。
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北嶋氏
たしかに、環境設定には本当に苦労しましたね。それだけで、少なくとも半日くらいはかかってしまったんじゃないでしょうか。
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宗沢氏
法務省のホームページからツール類をダウンロードしてきて、セットアップするだけのことなんですが、何しろ初めてですから。自分のパソコン環境に合わせて設定していくだけで右往左往。エラーが出ても何がエラーなのかさえ判らない始末です(笑)。
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番匠氏
あの環境設定については、研修を受けたりマニュアルで教わっても、本当にできるようにはならないんじゃないかな。
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北嶋氏
まぁ、100台のパソコンがあれば100の異なる環境があるわけで。全てに当てはまる説明なんてそもそも無理ですからね。そこは試行錯誤しながらでも自分で設定するしかないし、その方が勉強にもなるでしょう。
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番匠氏
その環境設定さえ済ませてしまえば、実際の申請の方は基本、法務省のホームぺージに書いてある通り進めるだけ。それほど手間がかかることではありませんからね。
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宗沢氏
今回は分筆登記の案件でやれたのも勉強になりましたね。図面などの添付書類が必要なので、たくさん試せたし。これもマニュアルを読んだだけじゃ判らない。実際に使ってみて初めて実感できるポイントです。
たくさんある「試したいこと」
- チャレンジを終えた感想は?
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宗沢氏
私たちがオンラインで送った図面が、法務局のパソコン上で実際にどんなふうに展開されるのか、どういう処理をされるのか。見られるものならぜひ見てみたいと思いました。
- 何か問題点が見えてきましたか?
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番匠氏
やはりオンライン申請を行うことのメリットが、調査士側にももっと明確に出てくるといい、とは思いますね。夜8時過ぎまで受け付けてくれるとか、いちいち足を運ぶ必要がないとか、たしかにメリットはあるんですが……。もっとはっきりした何かが出てくれば、普及にも弾みがつくのではないでしょうか。住基カードの普及がすべてのカギであることは変わらないと思いますが。
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北嶋氏
それと始まったばかりということもあり、システム自体こなれていない感じがしましたね。手続き類もやや煩雑で……これらをもう少し簡略化できれば、申請作業全体が効率アップできるんじゃないでしょうか。これも普及促進につながる要素ですよ。
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宗沢氏
それと始まったばかりということもあり、システム自体こなれていない感じがしましたね。手続き類もやや煩雑で……これらをもう少し簡略化できれば、申請作業全体が効率アップできるんじゃないでしょうか。これも普及促進につながる要素ですよ。
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北嶋氏
例えば、オンラインで全部事項証明書を取ってみるだけでも、雰囲気だけは判りますよ。初めての方は、まずこれを取ってみるといいんじゃないでしょうか。
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番匠氏
私自身はオンライン申請で試してみたいことはまだたくさんあるんですよ。例えば建物関係の登記とかもやってみたいし……。
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宗沢氏
そうそう、あと土地関係では、合筆登記もぜひ試したいですよね。合筆したものは登記識別情報がつくはずですから、これがどういう形で出てくるのかぜひ見てみたい。機会があったらまた皆で集まりましょう!
※2007年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。
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