意識を変える多角的スキルアップが対応のカギ
創業80余年の歴史を持つ総合建設コンサルタント・オオバは、「調査測量・情報」「環境」「まちづくり」「設計」など幅広く展開しています。同社が全国に展開する支店・営業所は総計30拠点。それぞれ地域に特化した高い技術力を備え、それを互いに交流させて総体的な技術向上を図っています。そんな同社拠点の、法改正や新法施行への対応はどのようなものなのか--。オオバ九州支店の古賀氏、渋川氏にお話をうかがいました。
技術を知り自らの意識を変えることが必要
- 九州の測量業界の状況はいかがですか?
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古賀氏
公共関連は厳しいですね。物件数自体が少ないですし……民間の方で幾つか動きが出ていますが、土木全体の景気が回復するには、まだだいぶ時間がかかりそうです。
- 一連の新法・法改正の影響はありますか?
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古賀氏
具体的な業務への影響というものはまだ出てきていませんが、課題としてはすでにいろいろなものが生まれています。測量に関して言えば、公共測量作業規程の改訂がやはり大きい。多様な測量作業方法の規程ということで、GPS測量の新手法なども反映されるようになりました。こうした新しいものも含めて幅広い技術への理解をより深め、時間短縮や人件費削減などを総合的に判断しながら進めていかなければ、業務から利益を上げるのはどんどん難しくなっていくでしょう。
- 現場の技術者にとってはどうでしょうか?
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渋川氏
作業のクオリティなどの面で影響は大きいでしょう。たとえば今後は測量成果の活用推進ということで、情報の一般への提供、共有などが進められますが、そうなると当然、よりグローバルな世界への融合ということを意識しなければなりませんね。
技術者の多角的なスキルアップがカギ
- 対策としての具体的な取り組みは?
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古賀氏
GPS測位についてはVRSを導入しています。また、各種の新技術やノウハウは総合建設コンサルタントの利点を活かしながら総合的に技術の向上を推進しています。また、入札制度における選定条件クリアも見逃せない要件であり、各種の資格取得を含め、技術者が新技術を学べるような学習機会も増やしています。また、新しい作業規程については、外部の講習などに参加させています。
- 人材育成に熱心ですね?
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古賀氏
これは九州支店が、というより、当社の社風でしょう。法改正とは関わりない部分でも、技術者がより高い技術やノウハウを求められる機会が増えています。近年では、公共事業に対して関心がある地権者が多く、事前にインターネットなどを利用して情報収集した知識の豊富な方が多く、こちらも充分勉強し、準備していかないと業務に多くの時間を費やしてしまうことがあります。こればかりは機械だけでは対応しきれません。技術者自身が、どんどんスキルアップしなければならないのです。
- 新法対策に関し他にポイントとなるのは?
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渋川氏
ハードはもちろん、CADなどのソフトウェアの高度化が重要になってくるのではないでしょうか。当支店では「BLUETREND V」を使っていますが、地理情報活用推進基本法が目指しているような内容がさらに本格化していけば、BLUETREND Vにもさらなる進化が必要になります。よりさまざまなアプリケーションとの融合、連携を期待したいですね。
- 特にどういった要望がありますか?
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渋川氏
GPS関連は、これからも大きく活躍の場を広げていくことになりますから、そちらとの連携は重要になるでしょう。個人的には、解析ソフトなども含めすべて福井コンピュータで開発して、BLUETREND Vと融合してくれれば一番助かるんですけどね(笑)。
古賀氏
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古賀氏
ソフトウェアの進化ということももちろんですが、福井コンピュータには、その活用という部分でも、さらに突っ込んだサポートを期待したいですね。今後は「CADをどう使いこなすか」がさらに重要になるのは確実です。たとえば成果物の、納品後の活用方法を見据えて、こういう作り方をするといいとか、簡単にできるとか……。そういったノウハウも開発、提供してほしいと思います。
※2008年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。
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