現場作業効率化

佐藤登記測量事務所

現場作業効率化

モバイル&クラウドで機動力アップ!
調査士業務を大きく効率化

土地家屋調査士の仕事は、登記の測量や立ち合いなど、内業以上に外業に多くの時間が割かれます。特に小規模の調査士事務所にとって、移動にかかる時間や手間は大きな負担となります。三重県四日市市の土地家屋調査士・佐藤浩之氏は、各種モバイル機器やWeb、クラウド等を活用し実績をあげています。佐藤氏のモバイル&クラウド活用術を紹介しましょう。

「移動時間」という膨大なロス

貴所では外業/内業の比率はどれくらいですか

佐藤

事務所でなければできない仕事というのは実は今ではあまりなくて、全体の3割くらいでしょう。どうしても全体の7割は外業に取られてしまいますね。当事務所のフィールドは、桑名方面から四日市市、鈴鹿あたりまでの狭い地域ですが、それでも昨今は道が混むので、思ったより移動時間がかかってしまうことが少なくありません。同じ四日市市内でさえ片道30分はざらですし、市外では片道1時間なんてこともしばしばです。

移動時間が大きな負担なのですね

佐藤

土地家屋調査士の仕事では、どうしても現場に行かないわけにはいきませんから。とは言え、確かに移動時間のロスはとても大きかったです。たとえば出先で別の現場のお客様から何か問合せが入ることもよくあって、そうなると確認のために1時間かけて事務所へ戻るしかない、なんてことも多々ありました。つまり、資料を確認してお客様へ連絡する数分間のために、往復2時間かけて戻るという大変なロスが発生していたのです。もちろん事務所に補助者を置ければ良いのですが、昨今の市場環境ではフルタイムで雇うのは大変です。人を雇うには売上を増やす必要があり、そのためにはより多くの現場を掛け持ちしなければならず、結局、逆に移動時間の負担が増しかねないのです。

それはさすがにロスが大きすぎますね

佐藤

ですから、今は“どうしても事務所でやらざるを得ない仕事”以外は、出先でも処理できるようなワーキングスタイルを整えて移動の無駄をカットし、時間的なロスを削減しています。突き詰めれば、事務所でやらざるを得ない仕事というのは、ほぼ“腰を据えて考える必要があるもの”に限られます。たとえば“境界をどうすべきか”深く考えて資料調査を行い、書類を作ったり、申請したりといった作業は、やはり事務所に腰を落ち着けてじっくり取組みたいですから。裏返せば、そういった業務以外は、環境さえ整えればだいたい出先で処理してしまえるんです。

モバイル機器&クラウドをフル活用

出先で処理できるスタイルとは?

佐藤

簡単に言えば、さまざまなモバイル機器とクラウドなどのネットワークを、フル活用する業務スタイルですね。具体的に紹介すると、まず現場へ出るときに携帯するモバイル機器としては、通信機器ではスマートフォンに携帯電話、それと10分間通話無料のウィルコムも持っていきます。コンピュータはノートPCとタブレットも欠かせませんね。そして、これらをネットワークするためのルーター。……最低でもこれだけの機器を必ず持って行くんです。だから、ポケットのいっぱい付いた作業衣と大きなカバンは必携ですね。現場によっては着替えも持参しますから、毎日が引越みたいですよ(笑)。

それぞれの使い分けは?

佐藤

携帯電話は基本的には通話専用で、スマホはメールチェックを中心に一部の通話も行います。また、前述の通り腰を据えてのコンピュータ作業は事務所でやりますが、ちょっとした計算や仮図の作成などは出先でもノートPCを開いてBLUETREND XA でやってしまいます。こうした出先で行うCAD業務に欠かせないのが、「Dropbox」という(2GBまで)無料で使えるオンラインストレージサービスと、別のリモートアクセスサービスです。Dropboxはご存知の方も多いと思いますが、CADデータや各種文書、写真や動画までWeb上に保存できるサービスで、私はこれを、出先で一種のクラウドとして活用しているわけです。

具体的にはどのような運用を?

佐藤

まず出かける前に、その現場に関連するデータと登記情報などすべてDropboxに放り込んでおきます。で、現場で必要になったらノートPCを開いてネットに繋ぎ、Dropboxからデータを出して、XAで計算したり仮図を描いたりするわけです。もちろんトータルステーションとも連携可能ですし、「こことここの交点がほしい」とか、そういう細かい計算で使うことが多いですね。計算はTSでもできますが、やはりパソコンでやらないと単位が間違ったりするので。それからお客様によっては、関係ない別の現場のことも聞かれることがあるので、文書類はほぼ全部データ化してあり出先からでもアクセスして見られるような環境にしてあります。「聞かれそうだな」と予想できるものについては、事前にPDF化してDropboxに入れておいて、求められたらタブレットPCでさっとご覧に入れるようにしています。

ノートPCでなくタブレットで?

佐藤

タブレットの方が見せやすいし、ご覧になったお客様の反応も断然良いんです。「おーっ!」って感じになりますからね、コミュニケーションツールとしてすごく効果的です。たとえば地目変更の登記の時など、お邪魔した先のお客様に“どれが宅地でどれが雑種地か”言葉だけで説明するのはたいへん困難ですが、写真でビジュアルにお見せすれば一発で理解していただけます。あるいは遠方のお客様に「境界標の杭を入れましたよ」と説明にうかがった時も、杭を打った所を写真に撮っていって画像でお見せすれば間違いありません。そして、時には息抜きに、私が撮ったペットの写真を見せたり、お客様にタブレットを渡して楽しんでもらうなどして、場を和ませたりもします。そういう使い方にタブレットは最適なんです。

出先でのXAの認証はどのように?

佐藤

そうですね。まず、出先からリモートアクセスによる遠隔操作で事務所のパソコンのBLUETREND XAを立ち上げます。そして認証を解除しておいて、今度は手元のノートPCの方で自動認証するんです。さらにDropboxの中に入れておいたXAのデータを開けば、ノートPCにXAが立ち上がるというわけです。また出先でのCAD作業が終わったら、そこで作成したデータは再びDropboxの方に保存しておきます。そうしておいて、事務所に戻ったらそちらのパソコンからDropboxに接続して作成したデータを取りだして仕上げていく、という流れです。

2年後にはスタンダードに

こうしたスタイルはいつごろから?

佐藤

“目覚めた”のはもう15年も前のことです。当時は高額だったノートPCを導入し、なんとか出先で作業できないか、挑戦し始めたんです。まあ、当時のことですからネット環境が貧弱すぎて実現できず、10年近くはどうにもなりませんでした。やがてインターネット環境が急速な進化を遂げていったわけですが、一番進化を実感したのは登記情報等がPDF化されたことですね。こうなると、ネットにさえつなげればどこからでも見られるわけで。やがてスマホの通信速度がそれなりに早くなり、ノートPCも使えるようになって……いろいろ試行錯誤しながら、今のスタイルが完成したのは1年くらい前になります。

今後の課題は?

佐藤

いま、私がいちばん気になっているのはデータ管理の問題です。現状では事務所のコンピュータでデータ管理し、クラウドはモバイルのための武器として使っているのですが、将来は逆にクラウド側をサーバにして、事務所のパソコンをバックアップ的に使えないか、と考えています。この辺りも海が近いし、津波に襲われないとも限りません。だからデータは安全度の高い場所に置いておきたいんです。そうなると、無料のストレージでは心もとないので、ちゃんとしたクラウドがほしい。欲を言えば、福井コンピュータがクラウドを運営してくれれば一番いいですね。私のデータはほぼ全部福井コンピュータ製品のデータなので、そうなれば安心だし、使いやすいんじゃないかと思っています。

そこまでモバイルを使いこなしている調査士さんは少数派でしょうね

佐藤

私自身は、特に先を行っているなんて実感はありません。携帯電話だって当初は「必要ない」という人が多かったですが、あっという間に普及して、今では使わない人はほとんどいませんよね。クラウドやモバイル機器も同じです。私は新しいもの好きということもあってちょっとだけ早かったですが、2年もすればこれらもスタンダードになると思っています。どうせ2年後に使うことになるのであれば、いま導入を面倒がっているのは、無駄な時間でしかないでしょう。実際、思うほど面倒ではないし、少なくとも1.5人分くらいの働きはしてくれますよ。その意味では、少人数の事務所こそ、率先して活用していくべきなのではないでしょうか。

※2013年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。

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佐藤 浩之代表/土地家屋調査士

佐藤登記測量事務所

開 設
1998年1月
代表者
佐藤 浩之
所在地
三重県四日市市
事業内容
境界確認、分筆登記、土地表題登記 地目変更登記、地図訂正申し出、地積更正登記ほか

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