シンクライアントで実現する、CALS業務の確実な維持管理
手間も、時間も、コストも抑えてCALS業務環境を確実に維持管理
本格化しはじめた地方版CALSの現場では、様々な問題が生まれています。例えば電子納品業務で数百人の職員が使用する、システムの維持管理の問題も重要です。徳島県ではこの課題解決のため、シンクライアントの利点であるシステムバージョン統一化を実現したストリーミング・システム「Z!Stream」を導入。この「Z!Stream」上で「EX-TREND 武蔵」を稼働させています。
システムの維持管理が重要課題に
- 徳島県のCALS状況はいかがですか
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鈴江氏
平成16年12月に電子入札システムが完成し稼動を始めており、18年度中には完全に電子入札に切り替わる計画です。また電子納品は昨年からCAD、電子納品ツールの導入を開始した段階です。
- 電子納品を慎重に進めている理由は?
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鈴江氏
電子納品が稼動すれば、数百人の県職員がCADや電子納品ツールを使用することになります。そうしたシステムの導入も重要な課題ですが、稼動後の維持管理の問題も大きいのです。基準(案)の変更に対応したCADのバージョンアップ対応やトラブル対応をどうするのか。稼動後の維持管理のコストは低く見積もられがちですし、近年の予算縮減の流れの中ではその予算も縮小されていく傾向にあります。コストと手間を抑えつつ質の高いシステム環境を維持するにはどうすればよいか、慎重に検討する必要がありました。
- 「Z!Stream」選定の理由は?
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鈴江氏
当初別のシステムも検討していましたが機能に不足があり、より良いものがないか探していました。そこへ提案されたのが「Z!Stream」というシンクライアント的な利点を持ったシステムでした。教育分野で実績のある製品で、数百台規模のアプリケーションを手間なく確実に維持管理するには最適だったのです。
使い手にも管理者にも大きなメリット
- システムの概要をご紹介ください
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鈴江氏
本庁のサーバルームに専用サーバを置いてCADなどを入れ、ユーザはそれぞれのPCからネットワークを介してアクセスし利用します。職員個々のPCにはCADは入っておらずセットアップもバージョンアップも不要。本庁サーバのCADだけバージョンアップすればいいので、イニシャルコストをクリアすれば、維持管理の手間やコストは最低限に抑えられます。
- 「EX-TREND 武蔵」の選定理由は?
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鈴江氏
製品が「Z!Stream」上で使えるのが前提なのはもちろん、ライセンス問題のクリアが必要でした。「EX-TREND 武蔵」は「Z!Stream」との相性もよく、ライセンス問題にも柔軟に対応してくれました。CALS対応土木CADとして優れた製品であることは言うまでもありません。
- システムの稼働状況はいかがですか?
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鈴江氏
システムは3月末にカットオーバーしたばかりです。「EX-TREND 武蔵」に決定したのが昨年暮れで、「Z!Stream」と組み合わせたシステム作りには3カ月しか時間がありませんでした。福井コンピュータには無理を言いましたが、間に合わせてくれました。トラブルの報告はないし、順調に稼動しているようですよ。もっとも起動させる時にひと手間あるだけでCADとしての操作感は変わりませんから、ほとんどの職員は「Z!Stream」を意識していないはずです。CAD以外のアプリケーションも載せられるので、多くの職員が使うソフトはライセンスをクリア次第、積極的に入れたいですね。既に「武蔵」の他にもエディタやビューワなど数種のフリーウェアを入れています。使う側の職員にも管理する側にもメリットは大きいと思います。
- CALSに関する今後の展開は?
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鈴江氏
まず職員のスキルアップです。福井コンピュータの協力を仰ぎ、今年40回は電子納品とCADの研修を行います。電子納品要領(案)も年内に固めたいですね。
※2006年発行のWind/fで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。
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