1. NETISの基本|建設現場の生産性を高める仕組み
公共工事の品質向上や生産性向上を目的として、国土交通省は新技術情報提供システム(NETIS)を運営しています。民間企業が開発した優れた新技術を収集し、その情報を建設業界全体で共有するための重要なプラットフォームです。
1.1 NETISとは?国が運営する新技術の公開データベース
NETIS(New Technology Information System)は、国土交通省が管理する新技術データベースで、民間企業が開発した工法・材料・機械などの情報が登録されています。登録された技術はオンラインで公開され、発注者・施工者が現場の課題に合った技術を検索・活用できる仕組みになっています。
1.2 NETISの目的と役割
NETISが目指しているのは、優れた新技術の普及を通じて公共工事の課題を解決することです。特に、
・公共工事の品質確保とコスト縮減
・建設現場の生産性および安全性向上
・新技術の開発促進と迅速な普及
という目的が掲げられ、建設業界全体の技術革新を後押ししています。
1.3 NETIS登録から評価までの流れ
NETISは技術を登録するだけの制度ではなく、申請・評価・活用・事後評価・フィードバックというサイクルによって技術の信頼性を高めています。
まず、技術開発者が新技術を申請し、国土交通省や第三者機関による評価を経て登録されます。登録後は、各現場で発注者・施工者がその技術を選定し、実際に公共工事で活用します。活用後には、従来技術との比較となる「活用効果調査」が提出され、その結果に基づいて国が事後評価を行います。これらの情報は再度データベースへ反映され、将来の技術選定の判断材料となります。
2. NETIS登録技術とは?|「推奨技術」の違い
NETISに登録される技術には評価段階が存在し、その中でも特に信頼性が高い技術が推奨技術として位置づけられます。
2.1 「登録技術」と「推奨技術」の評価段階
NETISに登録された技術は、効果実証や活用実績に応じて段階的に評価されます。
まず、民間企業などが開発した新技術は「登録技術」として掲載されます。この段階では、新規性や期待される効果は認められていますが、実績に基づく客観的評価はまだ十分ではありません。一方、登録技術の中でも活用効果調査により実工事での有効性が確認され、さらに国の地方整備局などから推薦を受けた技術が「推奨技術」として認定されます。これは、国が効果と信頼性を認めた技術であり、NETISの中でも上位に位置づけられます。
また、NETIS番号には評価状況を示す記号が付与されており、技術選定の際の重要な判断材料となります。
・********-A:評価情報が掲載されていない技術(未評価)
・********-VR:継続調査の対象とする技術
・********-VE:継続調査の対象としない(評価が確定した技術)
特にVEは、多くの現場で活用され評価が蓄積された技術であり、信頼性の高い技術と判断できます。
2.2 両者の違いが公共工事でどう影響するか
登録技術と推奨技術では、公共工事における扱いが大きく異なります。
登録技術は新技術として活用することで総合評価落札方式での加点対象になりますが、推奨技術はより高い評価が得られ、技術提案において強力なアピールポイントとなります。つまり、推奨技術は「効果が証明された信頼性の高い技術」であり、入札戦略において非常に有利に働く技術群です。
3. NETIS技術を活用するメリット|現場改善と工事成績向上への効果
NETIS登録技術を活用することで得られるメリットは、入札時の評価だけではありません。現場の課題に合った技術を導入することで、施工の効率化や安全性向上が期待でき、結果として工事成績の向上にもつながります。
工事成績は、その後の総合評価方式による入札で評価対象となる場合があるため、NETIS技術の活用は中長期的な受注競争力の強化にも関係します。
3.1 工事成績の向上を通じた評価への影響
NETIS技術の活用は、公共工事における評価の一要素となる場合があります。特に国土交通省直轄工事では、技術提案にNETIS登録技術を盛り込むことで、企業の技術力や現場改善への取り組みを示す材料となります。
一方で、地方自治体発注の工事では、評価方法や配点基準が発注機関ごとに異なるため、NETIS技術を活用したからといって必ず加点されるとは限りません。
ただし、現場での活用効果が認められれば、工事成績評定に良い影響を与える可能性があり、その後の入札評価にもつながる要素となります。
3.2 品質向上・工期短縮・安全性向上など現場改善につながる
NETISに登録される技術は、従来技術と比較して、施工性、経済性、品質、安全性などの面で効果が期待されるものです。
現場の課題に合った技術を導入することで、施工管理の精度向上、作業効率の改善、工期短縮、省人化、安全性向上などにつながります。これらの効果により、発注者・受注者双方にとって現場改善のメリットが生まれます。
3.3 企業の技術力を示し、発注者からの信頼を高める
NETIS技術や推奨技術の活用実績は、企業が新技術の導入や現場改善に積極的であることを示す材料となります。
また、活用効果が工事成績や施工実績として蓄積されれば、次回以降の技術提案や企業評価にも活用しやすくなります。NETIS技術の活用は、単発の加点対策ではなく、現場改善の実績を積み重ねる取り組みとして捉えることが重要です。
▼ 令和7年度 NETIS"推奨技術"製品ご紹介
4. まとめ
本記事では、国土交通省が運営する「NETIS(新技術情報提供システム)」について、その仕組みから推奨技術との違い、活用メリットまでを解説しました。NETISは公共工事の品質確保と生産性向上を支える重要なデータベースであり、登録技術の活用は評価加点によって受注を有利に進めるだけでなく、現場の効率化・品質向上にも寄与します。
さらに、活用効果が実証され国から推薦された推奨技術は、より高い信頼性とアピール力を持ち、入札戦略において非常に強力な武器となります。今後、公共工事の品質向上と効率化を進めるうえで、NETISの積極的な活用はますます重要性を増していくでしょう。
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