点群活用

埼玉県県土整備部

点群活用教育

点群データと3次元を活かし、新たな建設DX展開へ!
~埼玉県県土整備部がTREND-POINT研修会を開催~

点群データはすでに着々と集まりつつある。次はこのデータをどう活用していくかが課題となる。

2022年6月1日、埼玉県県土整備部は浦和合同庁舎において3D点群処理システム「TREND-POINT」の操作研修会を開催しました。これは県土整備部へのTREND-POINTの採用と全事務所への配備に伴って行われたもので、福井コンピュータの社員が講師を務め、各県土整備事務所から参集した担当職員約20名を対象に実施されました。この研修会開催の背景となった新たな建設DX の流れと研修会当日の模様について、埼玉県総合技術センター主幹の深井勝徳氏の言葉と共にレポートします。

埼玉県県土整備部がTREND-POINTを正式採用

国土交通省が推進しているi-Constructionを始めとする、建設DXの流れが大きく加速しようとしています。中でも特にUAVや3次元スキャナーによる点群データと、これをTREND-POINT等で加工した3次元データの活用手法は、建設現場に限らない幅広いフィールドにおいて応用が進んでおり、これを業務ツールとして採用する自治体も急増しています。

熊谷陸上競技場の点群(本文とは関係ありません。)

この新たな建設DXの流れを重視する自治体の一つである埼玉県では、いま「県内道路・河川等のインフラを3次元で捉えて、効率的に維持管理しよう」という狙いのもと、点群データとその3次元活用に関する積極的な取り組みを開始しています。埼玉県総合技術センターで新製品・新技術担当の主幹を務めている深井勝徳氏は以下のように語ります。

「従来、現場の測量といえば、実際にそこへ足を運んでメジャーを用いて直接計測するのが一般的でした。しかし、たとえばUAV等で採った点群データをTREND-POINTで処理して、これを3Dデータ化すれば、現地に行かなくてもパソコン上で形状を捉えて正確な計測を行うことも可能となり、今までは手の届く場所しか計測できなかったのが計測できるようになります。これにより私たちの業務において大きな効率化が期待できます」。

もちろんそれは点群採取時の地形だから、実際の施工前に現地へ足を運び、変化の有無を確認する必要があるでしょう。それでも効率化の効果は非常に高く、正確な計測が可能になることによるメリットもとても大きいのです。これは職員の働き方改革にも繋がるような、重要な取り組みなのだ、と深井氏は言葉を続けます。そして、だからこそTREND-POINTを導入したのだと言います。

一番使い勝手が良いTREND-POINTを選定

「私は点群処理のシステムもいろいろ見ましたが、福井コンピュータのTREND-POINTは、各社のさまざまな製品の中でも一番使い勝手が良い製品だと感じています。そして埼玉県では、すでに福井コンピュータの土木施工管理システムEX-TREN D武蔵を導入・使用しており、今回はそういった縁もあってTREND-POINTを選ぶことにしたわけです」。

このような経緯を経てTREND-POINTの正式導入を決めた県土整備事務所では、すでに傘下の全ての事務所にTREND-POINTと専用パソコンを1セットずつ配備しました。ですが、もちろんそれだけで点群データの活用が広がり、TREND-POINTの普及が進むわけではありません──そう深井氏は言います。

若手職員を中心に集まっていただいた

とにかくまずは県土整備部各事務所の「現場」にTREND-POINTを使ってもらい、点群データに触れてもらう必要があるとの考えから、まずは現場職員にTREND-POINTの操作できるようになってもらおうと実施したのが、今回のTREND-POINT研修会でした。

「使えるようになっていただく!」研修会

研修会当日、JR北浦和駅からほど近い浦和合同庁舎( さいたま市浦和区)4階の研修室に、県土整備事務所傘下の全ての事務所から担当職員が1名ずつ参集し、研修会は午前9時から約3時間にわたって実施されました。会場となった研修室は、新型コロナの感染予防措置が徹底されていたのはもちろん、受講者全員の席にTREND-POINTをインストール済みのノートパソコンが1台ずつセットされました。

福井コンピュータ社員による講義は、まず点群とこれを用いた3D計測の手法の概要を伝える分かりやすい解説から始まりました。この講義が30分ほどで終了すると、福井コンピュータ社員の指導のもと、いよいよ参加者自身がノートパソコンのTREND-POINTを起動します。そして、講師が示す点群データ処理の流れに沿ってTREND-POINTを実際に動かしていく、実践的な操作研修が始まりました。

研修に使われた海岸線の点群断面

まずは某所海岸線の点群データ(サンプル)を用いて講師自身が回転・拡大等の基本操作を行い、参加者は各自のノートPCでこれを忠実に再現していきます。会場内には講師とは別に指導役も巡回し、操作に詰まったり戸惑う方がいればすぐに声をかけ、アドバイスを送ります。続いて講師の見本は地物や人物、自動車等々の不要データを手動で削除し、複数の点群データを結合させたり、距離や面積を測ったりする操作へと進んでいきます。

一つ一つの実演はごくゆっくりしたペースで行われ、分かりにくい箇所・重要な箇所等は念入りに何度も同じ手順を繰り返し、一貫して「とにかく使えるようになっていただく!」ことを最優先としていることが分かります。このようにして、途中10分ほどの休憩を挟みながら、昼12時近くまで続いた操作実習は、前述の通りスローペースな進行ながら、土量計算や出来形管理まで、点群処理の基本的な作業の流れを網羅した内容となりました。

出来形ヒートマップも習得

こうした多人数の研修会では、全員が同じペースで操作を習得するのはなかなか難しいかもしれません。しかし、今回は分かりやすさ・伝わりやすさを優先した独特の研修スタイルを徹底したうえ、TREND-POINT自体の使い勝手の良さが加わり、さらには参加者一人一人の強い熱意も加わって、参加者の方々のTREND-POINTはどれも講師の操作を忠実に追いかけ、誰もが操作・運用のポイントを確実に吸収していきました。そのことは、終盤の質疑応答で実践的な操作や活用に関わる質問が相次いだことからも分ります。

今後の展望と福井コンピュータへの期待

「今日の研修は、基本的に各事務所へ配属されたばかりの……つまり、当面その事務所から異動する予定のない、若手職員を中心に集まっていただきました。そういう方たちにTREND-POINTの操作を習得してもらい、各事務所ではその方を中心にじっくりと点群の活用とTREND-POINTの運用を広げていっていただきたいと考えています。もちろん私たちも積極的にサポートしていきますよ」。

熱心にメモを取る職員

そんな風に語った深井氏は、若い職員はゲームなどを通じて3次元やパソコンの扱いにも慣れている人が多いので、こうした新しい業務スタイルもきっと受け入れやすいはずだ、と語ります。前述の通り、研修会の最後の質疑応答がきわめて活発だったこともあって、深井氏はその意を強くしたようでした。

「点群データ自体は埼玉県でも昨年度から各地で取得を開始し、今後どんどん増えていく予定です。後はこのデータをどう活かしていくか?が私たちの課題となりますが、埼玉県ではすでに国と歩調を合わせてICT施工に積極的に取り組んでいく方針を打ち出しており、実際、県内のICT活用現場も着実に増えています。また、TREND-POINT等のソフトウェアやパソコンを中心に作業環境も整備が進んでおり、たとえば本日研修を受けていただいた方々の活躍の場も準備が整いつつあると言えるでしょう。もちろん、そうは言っても私たちはまだまだ点群については素人に過ぎません。ですから、実際にTREND-POINTやEX-TREND武蔵を運用していく中で、きっとさまざまな疑問・質問も生まれてくることでしょう。ぜひ、これまで以上に手厚いフォローを福井コンピュータに期待しています」。

(取材:2022年6月)

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深井 勝徳埼玉県総合技術センター
新製品・新技術担当 主幹

埼玉県県土整備部

(写真は浦和合同庁舎)

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