i-Con現場から始まる土木工事新時代広がり続けるi-Construction

株式会社 小林組

特集i-Construction

3次元測量から無人探査、そして動画制作へ
ドローンで切り開く新たなビジネスフィールド

砂防施設の無人探査、竣工式用空撮映像……
多角的に広がっていくドローンの活用範囲

新潟県長岡市の小林組は創業100年を超える老舗の土木建設会社です。多岐にわたる公共工事を請負い、地域のインフラ整備に貢献し続けています。地元では測量技術に長けた技術者集団としても知られ、トータルステーションを用いた測量作業の効率化など独自の取組みを推進。近年はTREND-POINTとドローンの導入によりフィールドを大きく拡大しています。同社のユニークな展開について、長岡市郊外の工事現場事務所に土木部工事長の山本氏を訪ねました。

ドローン+TREND-POINTで起工測量が一変

こちらはどのような現場でしょうか

山本

一級河川の護岸修繕工事を行っています。昨年夏に約300ミリの大雨が降り、背面側から押される形で護岸のブロック積みが崩れてしまったので修繕しているわけです。規模は小さい工事なので、ドローンが使えれば、起工測量等も1日で終えて、かなり良い図面ができ上がったはずなんですけどね。

今回はそれができなかった?

山本

ええ、たまたま現場近くに高圧線が通っていたため、ここではドローンは飛ばさない方が良いだろう、ということになったのです。仕方なくTSによる従来方式で行いましたが、外周だけで1日がかりとなり、横断図を描くまでトータル4〜5日もかかってしまいました。

TSで測点ごとに縦横断を測るので仕方ないのですが、ドローンでやれれば、前述の通り1日で終えてTREND-POINTで3D図面を起し、横断図も切っていけるわけで。たぶんトータルで10日前後は圧縮できたのではないでしょうか。

ドローンによる3D測量は早くからお取組みを?

山本

いえ、実はドローンは去年の9月に導入したばかりなのです。昨年は降雪が始まるまでに一度実証実験を行っただけで、本格的な運用は今年からということになります。いまは検証を兼ねて継続運用できそうな現場を選んで飛ばしている状況ですね。

ご導入のきっかけは?

山本

こうした流れが生まれたのは、福井コンピュータとのお付合いが出発点です。最初は3年ほど前にEX-TREND武蔵を入れたのですが、これが抜群に使い勝手が良く土量計算等もできて便利だったことから、福井コンピュータ製品をいろいろ導入していきました。そして、すぐ TREND-POINTに触れ、これを使えばドローンで写真測量して図面が起こせると知ったわけです。それまでは武蔵の座標から横断図も起すなどしていたのですが、ある日社長が「うちもドローンを買うぞ!」と宣言して(笑)。いまの流れが始まったわけです。

TREND-POINTによる作業

それまで他社CADがメインだった?

山本

ええ。比べてみると、やはりCADなども福井コンピュータ製品の方が断然使いやすいですね。何というか、図面を描いていても、ユーザーが感性でクリックしたものをマシンの側が「その思いまで察して」拾ってくれている感じで、同じ作業をしても武蔵の方がクリック数も少なくて済むんです。また、ウチのように測量に力を入れている会社にとっては、機能的にもありがたい点が多くて、簡単に等高線が入れられたり、好きな箇所で横断を切って土量計算できるなど、われわれのやり方に非常にフィットするのです。しかも各ソフトが連携して使うことができるし、トータルな強みは圧倒的に上だと思いますね。

ドローン導入で起工測量は3次元測量が中心に?

山本

もちろん現場の状況にもよりますが、基本的には、従来TSで行ってきた作業をドローンとTREND-POINTに置き換える方向で検証を進めています。それと……実はドローンの運用については、他にも新しいことを試し始めているんですよ。

ドローンの新しい活用法

ドローンによる新しい試みとは?

山本

3次元測量や3Dデータ活用とは直接関係ないのですが、幾つかあります。たとえば、当社では長岡地域振興局の依頼で砂防堰堤の点検・整備をお手伝いしているのですが、この堰堤の点検作業にドローンを使っています。山奥の深い谷等に設置されている砂防堰堤も定期的に点検する必要があり、どこにどんな施設があるか施設台帳に記されているのですが、中には明確な設置場所が記入されてない場合があるんです。そうなると現地写真から場所を探しだし、そこへ行かなければなりません。これが大変な作業なんです。

見つかり難いということでしょうか?

山本

ええ、堰堤の多くは谷底にあるので、道からでは見えないことが多いのです。仮にそれらしいものを見つけても、谷底まで降りて、時には川を遡上するなどしてその場所まで辿り着くのは困難で、しばしば危険でさえあります。今年からこの点検作業が民間に委託されることになったので、私たちの方から発注者にドローンの活用を提案し、了承を得て実証実験を開始しました。

具体的にはどんな風に運用を?

山本

最初はドローンを飛ばして目標周辺の谷底の写真を撮り、その写真のジオタグを整理して台帳に記入。GoogleMAPを使って座標を打っていけば、地図上である程度正確な位置を検討できるのではないかと考えたのです。そうやって場所を特定できれば「この辺にクルマを止めて、ここから谷に降りて……」とアプローチできるわけです。

場所が分かっても行けないケースもあるのでは?

山本

そうですね。そういう危険な場所にある施設については、ドローンで近づいて写真だけでも撮れれば、土砂の堆積状況や堰堤自体にクラックが入ってないか等々、その写真で調べられるのではと考えています。もちろん、上空が開けているとか条件は限られるし、調査自体も写真で判定できる範囲に留まってしまいますが、むやみやたら薮をかき分け谷に降りて、沢登りも……というような危険かつ効率の悪い従来の踏査方式より安全かつ効率的なのは間違いありません。まだ始めたばかりの検証段階ですが、たとえばまずドローンで写真だけ撮って分析し、損傷が酷そうな所だけ追加踏査するなど、合理的な方法が確立できるのではないかと期待しています。

ムービーでお客様のCS向上を

竣工式用ムービーはスマホに入れてプレゼン等にも使用

ドローンで映像も撮っているそうですが?

山本

はい。当社が関わったある村の圃場整備工事が竣工し、その竣工式にあたって記念冊子を作るので「ドローンで完成した耕地区画の航空写真を撮ってくれ」と依頼されたのです。そこで写真撮影に合わせて動画も撮り、音楽も付けて編集し、竣工式で余興代わりに上映したら喜んでもらえるのでは……と提案したところ、賛成いただいたので私自身が製作しました。ドローンを飛ばしたのは一度ですが、圃場整備した一帯を嘗めながら最後に夕日が映るような完成度の高いムービーができ上がり、地権者の方にも喜んでいただきました。半ば趣味で作った映像ですが、お客様のCS向上に繋がったかもしれません。

映画の1シーンようですね

山本

動画は好きでよく撮っているのです。本当は東洋一といわれる守門岳の雪庇を撮りたいのですが、これはなかなか難しくて(笑)。まあ、山でなくても、ドローンでいろいろな映像を撮って編集していけば、たとえば地域の商工観光課の観光PRメディア等に使ってもらうなど、ビジネスに繋げていけるだろうと考えています。

そうした活動について会社は何と?

山本

大らかな社風なので、ドローンも思うように飛ばして良い、といわれています。落とさなければ、ですが。とにかくこれを導入したことで、フィールドは大きく広がりつつありますね。

※2018年発行のi-Construction活用事例集で掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。

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山本 実土木部工事長

株式会社 小林組

創業
1967年1月
代表者
代表取締役 嘉代健一
所 在 地
新潟県長岡市
資本金
2,500万円
従業員数
25名
事業内容
土木工事、建築工事、とび・土工工事、管工事、鋼構造物工事、舗装工事、浚渫工事ほか

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