施工厚の精度にこだわる!
論文発表に発展したその取り組みに迫る
2025年の土木学会全国大会年次学術講演会において、株式会社不動テトラ様よりTREND-POINTを活用した点群差分解析に関する論文が発表されました。どのような取り組みを発表されたのか、お話を伺ってきました。
点群による差分解析の活用について
- 橋脚の出来形管理についてご紹介ください。
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小野崎氏
ICT構造物工として、橋脚の点群データを用い、幅・厚み・高さといった寸法を確認し、規格値を満たしているかを評価しています。具体的にはベクトル差分解析を行い、設計面のサーフェスと施工後の点群を比較することでヒートマップを作成し、平坦性を評価しています。また、基準面との距離の平均値が+7mm程度であることから、設計どおり良好に施工できていることが確認できました。
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小林氏
既設橋脚の耐震補強として行うRC巻立てでは、施工前後の点群を地上型レーザースキャナーで取得し、差分解析により巻立て厚を評価しています。従来評価が難しかった巻立て厚も、少人数(場合によっては1人)で効率的に把握できるようになりました。
土量ヒートマップを構造物に応用
- 以前は、独自の方法で試行されたそうですね。
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小林氏
国交省の試行資料を参考に、将来の要領化を見据えて独自に検証を進めました。当時施工していた単独橋脚や拡幅橋脚の現場で、ICT構造物工に近い出来形管理が可能か試行しています。寸法計測に加え、平坦性の評価にも挑戦しましたが、当時は差分解析機能が未実装だったため、土工の出来形管理機能を応用しました。具体的には、縦方向の橋脚を一度“横に寝かせる”加工を行い、標高差として凹凸を色分け表示することでヒートマップを作成しています。その後、差分解析機能が正式に搭載され、こうした工夫をせずとも容易にヒートマップが作成できるようになりました。
施工厚の評価に着目した論文を発表
- 論文の内容について教えてください。
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小林氏
平坦性評価に加え、RC巻立てやトンネル覆工、法面吹付工など「施工厚」に着目した評価を行いました。差分解析を用いることで厚さを面的に可視化し、複数工種で横断的に評価している点が特徴です。特にトンネル覆工では、凹凸のある基準面と平滑な完成面を比較するため、点群同士の差分から厚さを算出します。この場合、両方の点群に誤差が含まれるため、誤差の累積が課題となります。そこで厚さ分布を統計的に分析し、正規分布に近い傾向を確認しました。現時点では手法確立には至っていませんが、今後データ蓄積を進めることで、より高度な評価手法の構築を目指しています。
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小野崎氏
国交省でも吹付厚の面的管理が検討されており、本取り組みはその流れと方向性が一致しています。
手軽な点群計測の実現に向けて
- フォトグラメトリも検証されているそうですね。
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小野崎氏
従来は高価な地上型レーザースキャナーや外注測量に依存していましたが、より手軽で安価な手法としてフォトグラメトリ(Pix4D)を試行しました。軽量な機材で撮影し、点群化したデータをTLSで取得したデータと比較したところ、断面上でも平均的に一致しており、十分な精度が確認できました。
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小林氏
この結果、現場の施工管理者自身でも高精度な計測が可能になる見込みが得られました。また、場所打ち杭の出来形管理にも応用を進めており、杭頭形状の取得や従来計測との比較、省力化効果の検証を行っています。さらに、鉄筋干渉チェックのために点群から鉄筋位置をモデル化するなど、出来形管理以外への活用も検討しています。
- 今後の点群活用についてお聞かせください。
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小林氏
出来形管理以外にも、進捗管理や出来高管理への応用が期待できます。日々取得した点群データ同士の差分を比較することで、施工の進み具合を視覚的に把握できる可能性があります。このように点群は、施工の可視化や管理高度化に大きく寄与すると考えています。
- 最後にTREND-POINTの評価をお願いします。
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小林氏
3Dモデリングと点群処理は操作性が異なるため当初は不安もありましたが、TREND-POINTは操作が分かりやすく、導入のハードルを下げてくれました。差分解析などの機能を通じて新たな技術的発見や展望も得られています。また、若手技術者は点群への抵抗感が少なく、今後さらに普及していくのではないかと感じています。
(取材:2026年4月)
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