災害査定における点群活用
熊本県土木部での事例をご紹介
落石災害で見えたデジタルツインの実力
熊本県南阿蘇村の阿蘇吉田線で発生した落石災害。県土木部では、360°カメラやUAV、3次元計測を組み合わせたデジタルツインにより災害査定を実施。現場を担当した株式会社シー・バス・プランニングの舩尾氏にお話を伺いました。
- まず、現場の状況を教えてください。
-
舩尾氏
道路に面した斜面の約30m上にある岩盤から、最大2m規模の岩が落下し、既設のポケット式落石防護網に衝突しました。防護網の変形や支柱の曲がりが発生していましたが、急斜面で非常に危険な場所でした。
- デジタルツインはどのように構築したのでしょうか。
-
舩尾氏
360°カメラで現場を撮影し、バーチャルツアー化しました。画面上で現場内を移動できるほか、UAVで取得したオルソ画像上のポイントをクリックすると、その地点の360°画像や空撮画像に飛べる仕組みです。現地に行かなくても、周辺地形や背後の状況まで含めて把握できます。
また3次元計測については、道路面は地上レーザースキャナ、斜面や上部はUAVレーザーを使用し、さらに橋梁部にはスラムレーザーも使っています。これにより、従来は平面図から想像していた地形を、点群で立体的に確認できるようになりました。
- 特に効果を感じた点はどこですか。
-
舩尾氏
今回は被災前の点群データも保有していたため、被災後データと重ねて比較できました。落石した岩塊の数量算出だけでなく、防護網のどの範囲がどれだけ変形したか、支柱がどの方向にどの程度曲がったかまで視覚的に確認できるため、補修範囲の判断にも役立ちました。
- 安全性や効率性はいかがでしょうか。
-
舩尾氏
これまでのようにロープやハーネスを使って斜面に降りる必要がほぼなくなりました。危険箇所に立ち入らずに済むのは大きいです。作業日数も従来は2~3日かかっていたものが、今回は1日で完了しました。また資料作成においても、点群比較で被災状況が明確になるため、従来のような根拠写真の大量作成が不要になりました。
また、3次元データに写真や動画を紐づけて表示できるので、発注者にも直感的に伝わります。今後は、こうしたデジタルツインを前提にした災害対応が標準になっていくと感じています。
(取材:2026年1月)
本例での導入製品(製品ページ)はこちら
お気軽にご相談ください
自社に合う製品が分からない、導入についての詳細が知りたいなど、専任のスタッフが疑問にお応えいたします。まずはお気軽にお問合せください。


