UAVによる下水道調査に挑戦!
ドローンが切り拓く建設業の新領域
創業から6期目を迎えたトライアブル社では、建設工事の下請けから事業をスタートし、近年はドローン事業を急速に拡大しています。
今回、CEOの右馬(うば)氏、ドローン事業を担う寺田氏、そして新たに入社した橋本氏に、事業の展開と下水道調査の実証実験、そして今後の展望についてお話を伺いました。
創業4名からスタートした新しい会社
- まず、御社の事業のこれまでの展開について教えてください。
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右馬氏
創業は建設工事の下請け会社として4人でスタートしました。2023年に新入社員が入社したことをきっかけにドローン事業を立ち上げ、現在は“建設工事・ドローン事業・建築設計”の3本柱で6期目を迎えています。
建設業界では空撮やドローン測量が一般化していますが、私たちはそこに独自性を出したいと考え、運搬用ドローンやGPSが効かない環境でも飛べるエリオス3など、他社と被らない機体も積極的に導入してきました。測量からデータ処理まで自社で完結できる体制づくりにも取り組んでいます。
- 下水道管調査の実証実験を行うことになった経緯を教えてください。
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右馬氏
きっかけは、エリオス3の紹介動画を偶然YouTubeで見たことです。『こんな機体があるのか!』と驚き、すぐにメーカーへ連絡してデモを依頼しました。
そのデモを、仲の良い下水道工事会社・森岡組さんと一緒に見せてもらったんですが、その場で『実証実験をやろう』と即決。下水道工事では硫化水素や酸欠など危険が多いので、ドローンで安全性を高める意味でもぜひやってみようという話になりました。
企業局さんにも協力いただき、実証実験は大成功。成果物の精度も高く、自治体の方々からも非常に高い評価をいただきました。
“計測時間は従来の10分の1”──実証実験の舞台裏
- 実際の実証実験について詳しく教えてください。
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寺田氏
事前に図面をいただき、飛行計画書を作成しました。元請である森岡組さんや近隣住民への説明資料も準備しました。
今回はマンホールからドローンを入れる必要があり、地上からそのまま飛び込むことができなかったため、フックで吊り下げて投入しました。暗闇の中でもエリオス3は4K映像と強力なライトで非常に鮮明に映ります。森岡組の職人さんからも『ここまで明るく見えたのは初めて』と言われました。
下水道内はGPSが届かず自動航行できないため、マニュアル操作で飛行させますが、LiDARで自己位置を把握しながら安定した飛行が可能です。
取得した点群データはトレンドポイントで解析し、管径や断面図を作成しました。人の手で調査したデータと比較しても誤差は許容範囲で、充分実用に耐えるものでした。
一方、水が多い箇所ではレーザーが吸収されてしまうため誤差が大きくなるなど、課題も見つかりました。また、肉眼では見えにくい小さなひび割れが確認できたりと、新たな発見も多かったですね。
エリオス3のモニタ
TREND-POINTで計測
工期を24日短縮──“ドローンレッカー”の威力
- 下水道調査以外にもドローン事業をされているそうですね。
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右馬氏
はい、私たちが力を入れているのが“運搬用ドローン”です。法面工事では、40kgの金網ロールを3,000㎡分、わずか3日で運びました。通常はモノレールで運搬し、30日ほどかかりますが、ドローンを併用した結果、工事全体が6日で完了。24日の工程短縮ができました。
この取り組みは奈良県の技術研究発表会で優秀賞をいただき、近畿の発表会にも推薦されるなど、反響が大きかったです。
ドローン事業が呼び込む新たな人材
- 橋本さんはなぜ入社を決めたのでしょうか?
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橋本氏
前職では土木建築会社の総務をしていたのですが、ネットで“ドローンレッカー”の記事を見て衝撃を受けました。『何だこの会社は!?』と思い(笑)、ホームページからお問い合わせを送って社長と話をさせてもらい、すぐに入社を決めました。
ドローンは土木との親和性が高く、災害時の孤立地域への物資輸送や下水道の調査など、社会的に意義のある分野で活用できると思います。操縦士として力をつけ、会社の強みをさらに伸ばしていきたいです。
“困難な領域へのトライ”──ドローン事業の未来
- 最後に、ドローン事業の今後の展望を教えてください。
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右馬氏
どうせやるなら独自性を出したい。標準的な使い方はもちろん、他社がやっていない分野にも挑戦していきたいと考えています。
会社として“必要とされる存在になる”という目標があるので、社会のニーズに応えられるサービスをつくりたいですね。
そのために昨年から“困難な領域へのトライ”というテーマを掲げています。
【1】資材搬入が困難な場所への運搬ドローン
【2】調査困難箇所へのエリオス3による調査
【3】作業困難箇所へのチャレンジ(詳しくまだ公表できません)
まだまだ実現したいことはたくさんあります。これからも挑戦を続けていきます!
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