現場端末システム「TREND-FIELD」を活用し日々業務を効率化!トータルな補償コンサルタントサービスを提供。
TREND-FIELDを始め、福井コンピュータ製品を幅広く活用して公共事業に点群を活用した新しい市場を開拓していく
埼玉県熊谷市の北武蔵調査測量設計事務所は、補償コンサルタントを中心に測量・土木設計にも展開する調査測量設計のプロ集団である。高度化・複雑化が進む公共事業の用地補償問題に対し、同社は補償8部門を完全登録して高難度の業務にも対応。測量や土木設計でもGNSS測量から3次元測量、3次元設計等の最新技術を導入し積極果敢な展開を続けている。その基盤となっている、現場端末システム「TREND-FIELD」を始めとする福井コンピュータ製品の活用状況について、今井社長と堀口氏、関口氏に話を伺った。
TREND-FIELDの機動性を生かす建物調査
- 御社が網羅する補償8部門とは?
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今井氏
道を作る等の公共事業では建物等の移転が必要になることがあり、国や地方自治体は、その土地や建物の持ち主に損失の補償を行わなければなりません。この補償関連業務を請け負うのが補償コンサルタントです。その業務としては、まず補償の対象となる土地調査、土地評価と補償金算定、物件の調査と補償金算定、機械工作物の調査と補償金算定。さらに営業補償・特殊補償や事業損失、補償関連、総合補償等々、総計8部門があります。
- 補償コンサルとしての御社の強みは?
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今井氏
補償8部門を網羅し、難度の高い案件にも対応できること。そして測量部門・土木設計部門も擁していることです。これにより、当社は計画から測量、設計、補償算定まで一連の業務をトータル的にサポート出来ます。もちろんパートごとの対応も可能なので、必要に応じて柔軟に対応していけるわけです。
- 早くから電子化を進めてきたそうですね
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今井氏
近年、公共事業も縮小傾向にあり、さらなる効率化と新規分野の開拓が欠かせません。そこで当社では早い時期から電子化に取り組み、業務の効率化を進めてきました。当時、数千万円をかけ県内でいち早く補償システムのオフィスコンピューターや測量のワークステーションを導入し、その後TREND-ONEの前身であるBLUETRENDを導入しました。現在は、これに加えてTREND-FIELDやTREND-POINT等も使っています。
- TREND-FIELDはどのような使い方を?
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堀口氏
私は補償コンサルタント部門で、主に物件に関わる調査と補償金算定業務を担当しています。区画整理や道路拡幅等の公共事業で立ち退き等が必要となると、その住宅など建築物の移転料(=補償金)が支払われます。この補償金を正しく算定するため、建物の配置等を描いた現況平面はもちろん、立木等も細かく調査し記録しなければなりません。TREND-FIELDはこのフィールドワークで活用しています。
- 建物だけでなく立木まで?
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堀口氏
立木だけでなく芝生や花壇、庭石も補償の対象となります。普通の配置図の他に「ここにこんな木が何本あります」「庭石がこんな風に並んでいます」と分かるよう絵を描いて、TREND-FIELDでメモっていきます。測点は一日で100~200程度を取りますね。
- かなり手間がかかりそうですね
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堀口氏
通常、家の中の調査を3~4人、外回りの調査を2人で進めます。一般の住宅であればこの5~6人で行って半日程度。極端に大きなお住まいでも一日で済ませます。ただ、住宅内部の写真を撮ったりするので、住人の方にはかなり気を遣います。作業に時間をかけ過ぎないよう、TREND-FIELD等を使ってできるだけ効率的に進めなければなりません。
- 現場で作成したデータはどのように?
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堀口氏
現場で描けるものは絵にしてしまいますが、全てを網羅した詳細な庭の絵は現場では描ききれません。TREND-FIELDのメモ機能等を利用して簡単にメモを取っておき、終了後、事務所で整理……TREND-ONEにデータを取り込み平面図にまとめます。その後、図面担当に渡して仕上げてもらうわけです。
FC製品の連携で広がる業務ネットワーク
- こうした建物調査の案件は多いのですか
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今井氏
前述の通り新しい道の計画は減っていますが、道路の拡幅や区画整理の公共事業に関連して発生します。年ごとに変化もあるので一概に何件とは言えませんが、権利者数で言えば、大小合わせて年間200~300件ほどは調査していると思います。一権利者の案件で複数の建物が関連することもあるので、建物数で言えば当然もっと多くなるわけで。TREND-FIELDの機動性が大いに威力を発揮しています。
- FC製品のメリットは何でしょう?
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今井氏
やはり各ソフトの連携がスムーズであることですね。測量部門で描いた図面データを補償の方で使うこともできますし、部門の枠を超えて日常的に連携できます。これは外部に対しても同様です。実際、測量分野では福井コンピュータの製品を使っている所が多いので、他社が測量した場合もそのままデータを貰って使うことができるわけです。
- 測量部門のデータを補償で使うことが?
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堀口氏
ええ。たとえば道路の拡幅等の工事にあたっては「どこまで道路が拡幅されるか?」などについては当然、測量部門でも測っていきます。そして、その拡幅作業の進行上、既存の建物が支障になるということになれば、私たち補償部門の方で建物の調査を行う必要が出てくるわけです。当然、測量部門はすでにその場所のデータを持っていますから、私たちもそれを活用させてもらうことになります。逆に補償の方で取った現況平面のデータが、測量の方で使われるケースも普通にありますよ。
全県道点群データ化プロジェクト
- TREND-POINTもお使いだそうですが?
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関口氏
公共事業の現状を考えると、今後は点群を活用した新しい分野の仕事を増やしていく必要があるわけで……TREND-POINT導入の狙いもそこにあります。とはいえ、この地域では3Dデータを活用した仕事はまだほとんど無く、当初は私たちも点群を活かせる仕事を模索していました。
- 最初にご活用になったのは?
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関口氏
昨年夏、ドローンやTREND-POINTを活かした3次元測量をアピールしていこうと社内で話し合い、その時受注していた河川の現場で、デモンストレーションとして「点群データを取りませんか?」と持ちかけたんです。点群を解析処理し縦横断図まで作れば幅広く活用できると説明すると、先方も「実際に見てみたい」と賛成してくれました。
- 結果はどうなりましたか
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関口氏
ドローンを飛ばして点群を取り、TREND-POINTで処理したデータでビューアー版を作りました。DVDで提出したのですが、なかなか見てもらえず、そのうち「2Dの画像で見たい」と言われたので、TREND-POINTの3次元データからスクリーンショット的に撮って再提出しました。「こういう形で見られるのか!」とおっしゃってましたね。
- 点群データ活用の話は他にも?
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関口氏
実は県道を全て点群データ化しようという計画が始まっています。MMSを走らせて道路周辺の点群を取り、撮りきれない所を3Dスキャナーやドローンでカバーします。当社含め3社が入っていますが、うち2社はTREND-POINTユーザー。県の狙いは道路台帳全てを点群データ化することで、たとえば工事等で現況が変わったらデータも補正で直し、常に最新の状態に保っていこうというわけです。これをモデルケースに他の役所からも点群を活用する工事が出てくるのでは、と期待しています。
- プロジェクトの現状は?
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関口氏
すでに県道4本分、長さ15キロ前後のデータを蓄積しています。工期はこの12月までですが、すぐ第2弾、第3弾と進むとのことで、最終的には3年で全県道を点群化する計画です。やはり役所の方も含め初めてなので、私たち業者側で「こうした方が良いですよ」とケアしながら進めています。最終的に凄いデータ量になるのは明らかで、それをどう管理するのか?も私たちの方から提案することになるでしょう。3社間では、クラウドでデータ共有ができる「CIMPHONY Plus」を使おうと言う声もあり、今後の展開が楽しみです。
(取材2021年8月)
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