大成ジオテック株式会社

点群活用

橋梁点検・補修設計に点群を試行活用

新たな手法を模索する若き技術者の挑戦

点群を活用し、橋梁メンテナンスの高度化に挑む

インフラの老朽化対策が社会的課題となる中、長年の点検ノウハウと最新の3D技術を融合させた取り組みを進めている同社。今回、橋梁メンテナンスにおける点群活用の取組みについてお話を伺いました。

御社の事業について教えてください。

首藤

当社のコンサルティング事業としては、大きく分けて、GIS、建設、空間情報、測量調査・補償の4部門で構成されています。中でも強みとしているのが、メンテナンスや点検分野です。比較的早い段階から取り組んできたこともあり、点検に関するノウハウは豊富に蓄積されていると自負しています。

メンテナンス業務について教えてください。

熊谷

私は橋梁メンテナンスを主に担当しています。今回ご紹介するのは、点検の結果を受けて実施している補修設計業務です。
従来の橋梁点検は、技術者が構造物に近づき、目視で損傷を確認する方法が基本です。点検後は、橋ごとに調書を作成します。そこには橋の諸元や一般図、損傷評価の一覧表などをまとめ、概略図面に損傷箇所を旗揚げして整理します。
さらに、写真帳を作成し、ひび割れや鉄筋露出などの損傷箇所にはチョーキング(マーキング)を行います。写真だけでは判別しづらい損傷もあるため、現場で白くなぞり、位置や範囲を明確にして記録します。これらを台帳として取りまとめるのが従来の流れです。

点群の活用を試行されているそうですね。

熊谷

はい。従来は調書を中心に説明していましたが、損傷が大きい橋などでは、今後は点群データを活用していきたいと考えています。
今回の橋梁は点検の結果、状態が良くないと判断され、補修設計業務として受注しました。その中で、点群をどのように活用できるかを検証しています。
今回の現場では、ライカのBLKで点群を取得しました。橋梁部分だけでなく、周辺の河川も含めて広範囲に計測しています。将来的に断面活用なども見据え、橋の上部工・下部工・橋面をすべてリンクしたデータを作成しました。

熊谷

補修設計業務では、既存の橋について概略図ではなく詳細な図面が必要になります。これまでは現地で細かく計測し、スケッチをもとに図面を起こしていましたが、点群上で計測を行いそこから図面作成を行う取り組みを始めています。
今のところは、点群を現地計測データの補完や寸法確認までの活用ですが、将来的には点群データのみで詳細図面を作成できる体制を目指しています。
また損傷の可視化という点では、点群データの「受光強度表示」で、現場で施したチョーキング跡を確認しやすくし、ひび割れや鉄筋露出といった損傷内容ごとに色分けしてトレースしています。

点群にパノラマ写真を重ねる

TREND-POINTの最新機能もお使いですね。

熊谷

はい。点群上でトレースした箇所に旗揚げを行い、そこに近接写真をリンクさせることで、従来の点検調書をより分かりやすく説明できるのではないかと考えています。
また、点群にパノラマ写真を重ね合わせることで、チョーキング跡をより明確に確認できます。ただし、写真だけで微細なひび割れを完全に検出するにはまだちょっと難しく、最終的には人の目による確認も必要です。とはいえ、後処理や整理作業の効率化には大きな可能性を感じています。
損傷を点群上でここまで表現するのは、当社としても初めての試みです。

統合モデルによる維持管理の未来

今後の展望について教えてください。

首藤

この橋のコンクリート品質試験の結果が約1か月後に出る予定です。強度などのデータも、この点群モデル上に取り込み、旗揚げ表示できればと考えています。強度の充足・不足が視覚的に分かるようになれば、より実用的なモデルになるはずです。
最終的には、点群データに設計図面まで重ね合わせ、補修設計から現場管理まで一体的に活用できる仕組みを構築したいと考えています。

長年培ってきた現場での点検技術に、3D点群というデジタル技術を融合させる同社の取り組み。
人の目と経験を活かしながら、インフラ維持管理の新たなスタンダードづくりが進んでいます。

(取材:2026年1月)

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首藤 浩二取締役 社会デザイン部 部長

熊谷 寛太社会デザイン部 エンジニア

大成ジオテック株式会社

設立/1968年1月
代表者/代表取締役  横山 巖
所在地/福岡県久留米市
支店/福岡・鹿児島
営業所/熊本・佐賀・長崎・大分・宮崎・広島
事業内容/総合建設コンサルタント、測量業者、補償コンサルタント

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