i-Construction

株式会社 創建

i-Construction

ICTに特化してアピール&ノウハウを蓄積
導入4年目で3次元測量業務を3~4倍に拡大!

ICT技術は点数獲得のための手段ではない
i-Con現場でなくても生産性向上に活かせる

宮崎日向市の株式会社創建は、各種測量業を中心に土木設計から用地調査、施工管理はもちろん、3次元計測分野まで展開する総合建設コンサルタントです。近年は最新のICT技術をいち早く導入・駆使して新たな3次元計測の事業フィールドを開拓。この新分野の成長を起爆剤に、着々と売上を拡大しながら地域のICT普及を牽引しています。積極果敢なその展開について、常務取締役の黒木氏と測量設計部の米田氏、山下氏にお話を伺います。

ICT導入4年目に業務量は3~4倍に拡大

地域で最も早くからICTに取組んでおられます

黒木

2016年の4月に、まず3Dレーザースキャナーを福井コンピュータのソフト類と合わせて導入し、すぐ現場へ投入しました。「どこよりも早く」ということについては、ある程度意識的に取組んでいます。その狙いは、まず土木業界を目指す若い人たちへのアピールです。若い彼らに興味を持ってもらえるような新技術を取り入れたい。もちろん、同じように営業面における企業アピールも重要です。営業を拡大するにはまず知ってもらう必要がありますから……。現在、業界最大の課題の一つであるICTに特化した企業としてアピールしているわけです。

最初は利益に結びつかなかったのでは?

米田

利益や出来高を考えていたら新技術はなかなか導入できません。当社の場合、最初の1年間は利益度外視で、現場で積極的に使って試行錯誤し、少しでも早く修得することを優先しました。さらに導入2年目からは3次元設計への取組みも開始しています。というのは、せっかく3次元計測を行っても、納品物が3次元データだけでは顧客を十分満足させられない、と気づいたから。3次元設計データに仕上げて提供しなければ、顧客には何も分らないわけで。そこまで仕上げてこそ、お客様にもメリットを感じていただけるようになるんですね。

TREND-POINT、TREND-COREによる作業状況

では、すでに確かな導入効果が?

黒木

ええ。はっきりメリットを実感し始めたのは去年(2018年)からです。特にこの年、建設機械メーカーのK社に声をかけられパートナーシップを結んだ結果、3次元測量関係の業務量が一気に増えました。それ以外でも、新規の建設会社への営業活動を強化し、「ICTに特化した企業」としてアピールすることで新規顧客から仕事をいただくことも増えました。

米田

現場の実感としては、導入4年目で3次元測量関係の仕事量がいきなり3~4倍になった感じです。裏返せば、導入後3年間のノウハウの蓄積があったから、急増した仕事量をさばくことが出来たのだと思っています。

K社からの仕事が増えたとのことですが?

黒木

ええ、K社の宮崎県内の現場では、ほぼ全て当社が3次元測量を行っています。現場に合わせてUAVとレーザースキャナーを使い分け、1年で十数件やりました。だから3次元測量に関わるノウハウもたっぷり蓄積できました。また、K社の現場ではK社自身が3次元設計を行うので、私たちは基本的に3次元測量だけ。そのぶんとても仕事の手離れが良く、数をこなせました。

1社だけ抜きんでた躍進ですね

黒木

実はそれだけではダメなんです。自治体の方からも言われましたが、新技術に関わる公共工事の発注においては、対応できる所が当社だけということになると独占になってしまうので問題があるわけです。だから、こうした新技術そのものを、その地域全体へ普及させていかないと、入札もできません。その意味で、私たちは修得した技術・ノウハウを地域へ普及させていく役割も担っていく必要があるのだと考えています。

考え方次第で活用の幅は大きく広がる

ICTを普及させていく上での課題は?

黒木

これまでほとんどの会社が、ICTは発注者へのパフォーマンス……評価の点数獲得のための手段としか見ていなかった所がありましたが、最近になってようやく、どの現場でもこれが生産性向上などに役立つという意識が芽生え始めました。当社もi-Con現場での使い方だけでなく、普通の現場でメリットを生み出す活用法を追求し、他社とも積極的に意見交換しながら情報発信していこうと考えています。

ICTを普段使いしてメリットを出していくと?

米田

使う側の考え方次第なんですよ。ソフトでも機器でも、i-Conの規則に囚われない使い方はいくらでもあるし、発想次第で通常以上の機能も発揮してくれます。でも、必要最低限やれば良いとか値段も安いほど良いという考えしかなかったら、発想自体が生まれません。私たちはいろいろなお客様からいろいろな要望をいただき、それに応えようとさまざまに工夫して行く中で、独自のノウハウを蓄積できたと思っています。

顧客ニーズがICT活用の幅を広げてくれる?

米田

ええ。たとえば……TREND-POINTやTREND-COREで作った3Dビジュアルは誰にとっても分かりやすいし、説明にも打合せにも最適ですが、3DだからPCで見せた方が良いかと言うと必ずしもそうじゃない。実際は“PC画面よりも出力した状態で見たい”という要望が多いのです。いまはTREND-POINT等で作った3次元画像を大きめに出力し、パウチ加工してお見せしています。提案や打合せ、営業でも好評ですよ。

黒木

だからといって、デジタルプレゼンを全く使わないわけではありません。事実、当社ではTREND-COREをプレゼンツールとして使っています。たとえば先日、ある橋脚の耐震補強工事の現場で、施工場所となる箇所の現況データに3次元設計データを重ね合わせて「こんな風に工事が進捗します」というムービーを作りました。これをタブレットPCに入れてデモや解説に使い、好評をいただいています。

若者へのアピールも成功

現場や客先での説明にはタブレットPCに入れた動画も活用

もう一つの目標「若者へのアピール」はいかがですか?

米田

ここにいる山下君は入社2年目なんですが、入社前のインターンシップで来た時、現場に入って3次元の活用を体験し、無事入社してくれました。それをきっかけに当社もドローンを導入し、今では彼が当社一番のドローンパイロットです。またTREND-COREも彼が一番使っていますね。

山下

そうですね。インターシップ中にTREND-POINT等を1~2回使わせてもらったんですが、従来のやり方より全然楽だし解析も面白くて、非常に関心を持ちました。ドローンも学生時代は全く経験なかったのですが、入社後すぐ導入されたので、米田さんと一緒にドローンスクールへ行き修得しました。

TREND-COREについてはいかがですか?

山下

TREND-POINTとはまた違う3Dの楽しさがあります。先ほど話に出たムービーも私が作ったのですが、当初は立体的に作るやり方やタブレットPCで表示させる方法が分らず、Webで調べるなどちょっと試行錯誤しました。まだまだ機能を使い切ってないので、さらに使い込んでいきたいですね。

今後の課題と目標についてお話しください

米田

現状の業務をしっかりやっていくのは当然として、新しい技術へのチャレンジも継続していきたいですね。今だったらレーザードローンです。当社は電力関係のお客様がいらっしゃるので、山の地形を測量する仕事も多く、役立つのではないかと検討を進めています。

黒木

その意味ではグリーンレーザー計測機器も気になりますね。3次元測量については、空中や地上はもちろん水中もやりたいので……水底地形の計測というのはけっこうニーズがあると感じるので、これも研究していきたいと考えています。

※役職などは2019年春、取材当時のものです。

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黒木 伸人常務取締役

米田 友則測量設計部(3次元計測技士)

山下 祥太測量設計部

株式会社 創建

設 立
1976年1月
代表者
代表取締役社長 安藤 靖
所在地
宮崎県日向市
資本金
1,000万円
従業員数
39名
事業内容
総合建設コンサルタント(各種測量、土木設計、用地調査、施工管理、3次元計測ほか)

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