3次元/ICT技術は”普段使い”の時代へ最新実例をご紹介

株式会社 川畑建設

特集i-Construction

ICT技術を活かし元請け+下請けとして展開!
独自の新ビジネス「ICT支援事業」を推進中

3次元データの多彩な活用の可能性を追求
どこよりも早くそれを実現し、提案していく

山口県光市の川畑建設は1992年創業の地場ゼネコンです。2011年に地盤改良事業へ進出した同社は、その4年後に不動産事業へ展開するなど次々と新規事業を開拓してきました。もちろんICT技術の活用にも早くから取組み、幅広い土木工事現場で活用。さらにはICT事業として新たな事業フィールドも開拓し、地域のICT技術を牽引する存在となっています。積極果敢なその取組みについて、専務の川畑大樹氏とICT事業課のお二人に話を伺います。

「人手不足を補うため」のICT導入

早くからICT活用に取組んできたそうですね

川畑

国交省によるi-Constructionが始まる1年ほど前、2015年に取組んだ「南周防農地整備事業 宮ヶ原ため池整備建設工事」の受注を契機にICT活用の取組みを開始しました。当時はまだ「情報化施工」と言ってましたが、この現場でICT建機のバックホウ2台にGNSSローバー、ドローン、そしてTREND-POINT等々を導入。当社として初めて3次元データを活用したICT施工を行いました。

どんな内容のICT施工でしたか

川畑

この時だけ起工測量は外注しましたね。地上型レーザースキャナーで計測してもらい、作ってもらった3次元データを見本に社内でデータを作成したんです。その後も自社で3次元測量を行うつもりは全くなかったのですが、実際に工事が始まると変更に次ぐ変更で計測し直しや設計データ修正が多発。これをいちいち外注する余裕がなくなり「もう自分らでやっちゃおう!」と(笑)。その後は測量も含め、勉強しながら自分たちで取組んでいきました。

なぜこの現場でICTを?

川畑

当社規模の会社にとってかなり大きな工事だったんです。大手ゼネコンなら監督を6~8人配置するくらいのスケールでしたが、当社は人手不足で……現場施工管理の観点から「いかに労力少なく工事を進めるか?」が課題となったため、ICT技術を用いて省力化を図ろうと考えたわけです。実際にICTを導入した結果、3人の監督で回しきることができ、「小人数で大きな現場を見られる」ことを実証。これをきっかけにICTに大きく注力していきました。

ICTへの注力を進めた狙いは?

川畑

そもそもは「建設業における担い手不足」の問題が出発点です。経営者としては、従業員が働きやすい環境を整えると共に、人材不足を補うため何らかの対策を取る必要があると感じていました。そこへ「宮ヶ原ため池整備建設工事」の成功により、ICTの活用で少数精鋭で効率的にやれるという手応えを得たわけです。このことは現場効率化の実現と共に労働環境の改善に繋がり、ひいては若い人材へのアピールになると考えました。ここから、ICT最新機器を積極的に投入し効率化・省力化を図っていく、現在の当社のスタイルが確立されていったわけです。

ICTの活用がスムーズに進んだ理由は?

川畑

私たちの場合、ICTに対するそもそものコンセプトが違いますからね。現在の一般的なICT活用工事では発注者がICTの活用を求めてくるわけで……受注者はそれに応えて、たとえば工事成績でのメリットを出すためや、発注者からの受けを良くすることを狙ってICTを行います。ところが当社の場合、実際に人が足りなくて切羽詰まって始めたのが出発点。何でも自前でやろうと考えるのは当然でしょう。以降、大規模工事はもちろん、中規模も小規模も工事では全てICTを使っていく方針でじっくり組んでいます。もちろん全ての現場でICT活用工事で必要な5項目全てを行うわけではありません。個々の現場に合わせ、最適な技術を最低一つは使っていこう!ということです。

ICT活用から生まれた新規事業

i-Constructionへの対応は?

川畑

先行してICT活用を開始していたので、国交省の取組みが始まった時も正直「出てきたな」としか思いませんでしたが、実際にi-Con現場が出始めてからは積極的に受注しています。やはり、頑張って設備投資したICT建機など、遊ばせるわけにはいきません(笑)。それに元請けとして受注できなかった現場も、実はその受注者からICT業務だけ委託されて、下請けとしてお手伝いするケースが増えています。つまり、当社ではICT支援という新しいビジネス分野を開拓できたと言えるでしょう。

メンテナンス中のドローン

ICT支援はどのような内容ですか

川畑

現場ごとにいろいろです。「ドローンで3次元測量だけやってくれ」というパターンもあれば、ICT関連を全部一括で受けて最初から最後まで請負う現場もあります。この地域はICT普及が遅れ気味なので、支援にあたっては我々の持つ技術を出し惜しみせずに提供し、アドバイスしています。地元の各社に対しては、ある程度追いついてもらって業界の活性化を促し、私たちはさらに「その上」を追求していくことが目標なのです。

ICT注力は会社の利益に結びつきましたか

川畑

もちろんです。元請けで行った場合の効率化、省力化効果は当然として、ICT支援を中心とする下請けの仕事も大きく増えていますから。さらに、こうした需要に応えるためICT支援に特化した関連会社・株式会社サーデックを設立したところ、一種の相乗効果も生まれています。つまり、サーデックのお客様が「ついでに施工も任せたい」というので川畑建設が施工を行ったり、その逆の流れができたり、いろいろと良い循環が生まれているんです。まあ、私自身は以前みたいに自ら3Dデータを扱う余裕はなくなったので、工務課を設けて宮田君・藤井君を配属しICT実務は彼らに任せています。

3次元データのさまざまな可能性を追求

TREND-COREによる作業

福井コンピュータ製品の使用感を教えてください

川畑

ICTに特化した部門を持つ企業として、当社ではソフトウェアも各社の製品をひと通り全部揃えて使い分けるようにしています。しかし、実際には使いやすいものに手が伸びがちで……現場が立ち上がり、すぐに点群を扱う時はやはりTREND-POINTが出てきますし、他のケースでもとりあえずは福井コンピュータのソフトで始めることがほとんどですね。

藤井

私は土量計算等でTREND-POINTを使うことが多いですが、操作が本当に分かりやすいと思います。いま年度末なので出来形の管理帳票を作っていますが、出来形ヒートマップなど、やはり他社ソフトより分かりやすいと感じるのです。以前は点群の不要点除去にやや不満がありましたが、これも改善されて不要点はキレイに消せるようになり、一段と作業が捗るようになりましたね。また設計照査時に断面を並べてチェックする時も表示が非常に分かりやすく、断面の取込みも簡単です。

受付にはICT建機の模型

今後の計画をお知らせください

川畑

今後もICTをフル活用していく姿勢を堅持しながら、蓄積したICT活用ノウハウを全社に標準化させていきたいですね。それに、3次元データはICT施工だけでなく、さまざまな活用の可能性を秘めています。どこよりも早くそれらを実現し提案できるよう、積極的に挑戦していきたいと思っています。

※役職などは2019年春、取材当時のものです。

本例での導入製品(製品ページ)はこちら

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川畑 大樹専務取締役

宮田 哲志工務部 ICT事業課

藤井 健一工務部 ICT事業課

株式会社 川畑建設

創 業
1992年9月
代表者
代表取締役 川畑 克已
所在地
山口県光市
資本金
2,500万円
事業内容
ICT事業、土木事業、地盤改良事業、その他工事、不動産事業

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