i-Construction

株式会社 KAITO

i-ConstructionBIM/CIM

地域のICT活用&普及を多角的に支援
元請業者ともWinWinの関係を築く

一歩踏み出せばICTは決して難しくない!
現場監督ならきっと理解できるし、活用できる

静岡市の株式会社KAITOは、元々は潜水作業の専門家による港湾工事のプロとして知られていましたが、2004年に一般土木工事分野へも進出。いまや海洋土木・一般土木の両分野へ展開するユニークな技術者集団として展開しています。ICT技術についても、いち早く福井コンピュータ製品を導入して幅広く活用し、多くのi-Construction現場を多角的に支援しています。独自のスタンスで展開する取組みについて、同社の中村管理部長以下4氏に伺います。

ICT導入のため福井コンピュータ製品へ総入れ換え

海洋と陸上両方に展開しているそうですが?

中村

比率的にもほぼ半々です。現状では港湾工事が45%ほどで、10~15%ほどがICT関連業務。残りが一般土木となります。ICT業務については、i-Con現場を落札したゼネコンから委託されてICT関連業務を行うもの。ドローン等による測量業務から、福井コンピュータ製品を用いた点群処理や3D設計データ作成、資料作成など、さまざまな形でサポートしています。

早くからICTの取組みを進めてきたとか?

中村

きっかけは2013年頃、私が子どもと行った航空ショーで初期型ドローンを見たことですね。すぐに「仕事に使えないか?」と情報を集め、現場着工前や完成後等で空から写真を撮っていけばいろいろ使えそうだ、と思ったのです。そこでトップに相談したら二つ返事でOKが出て……それが出発点となりました。

国のICTとは無関係にスタートした?

中村

ええ。最初は着工前や完成後、施工状況等の現場写真の撮影に利用していましたが、約1年後に国のICTが発表されたのです。翌2015年頃にはICTの体制作りを開始しました。具体的にはソフトウェアの選定・導入です。そこで点群処理のためにTREND-POINTを導入し、福井コンピュータとのお付合いが始まったのです。

それまでは他社のソフトを?

中村

CADはずっと他社製品を使っていました。しかし、実際に製品の使い勝手やCADの性能、連動性の良し悪し等を考えていくと、やはり1社に絞って展開した方が良いと判断し、1年の移行期間を設けて総入れ替えしました。現在では、EX-TREND武蔵は複数ライセンス用意して技術者全員が使用しており、TREND-POINTとTREND-COREは各1本ずつを交代で使っています。

村田

私は測量畑なのでTREND-ONEを使っており、そのため福井コンピュータ製品への切り替えもスムーズでした。ですから、ICTの展開もTREND-ONEを組み込んだ流れで行っています。3次元設計データを作るにあたって、元請けからもらった設計図面を読込み、路線計算して縦横断図を作り編集する作業が必要なので、TREND-ONEを使っています。そこから図面を起してEX-TREND武蔵へもっていくスタイルなのですよ。

TREND-POINT等に触れた時の感想を

村田

測量出身だったせいか、すごく感激しましたね。2Dの世界が点群になって3次元になり、色まで付いて……測量屋にとっては夢みたいで。さらに自分で路線計算したものを落として断面を取れば、それで縦横断が切れる。それが全部TREND-POINT内でできるのですから衝撃でした。

TREND-COREで作成した現場概況

伊藤

私はEX-TREND武蔵を使う機会が多いですね。昨年、会社の方針で他社CADから乗り換えたばかりで正直まだまだこれからですが、使えば使うほど使い勝手の良さが感じられます。どんどん新しい機能を使いこなしていきたいですね。

ICT現場もWinWinの関係で

ICTはどの程度活用していますか?

中村

弊社の元請け工事ではほぼ100%、何らかの形で用いていますね。ドローンも3Dレーザースキャナーもあるので、ほとんどの現場で3D測量が行えるし、できあがったデータは土量計算や現況測量など幅広く活用しています。いまやi-Con現場であってもなくても、ICT技術の利用が当社の基本メニューとなっているわけです。もちろんi-Construction指定現場を下請けでやる場合も、ICT支援を期待されているわけですから、当然ICTを駆使することになります。

元請けからICTをトータルに任される?

中村

現場によりさまざまですが、基本的には任されることが多いですね。実際、ICTに関わる作業を負担に感じ「自分たちではやりきれない」という現場監督さんもおられます。だから、3D設計データや工事データの作成まで便利に使える当社に発注いただけるわけですが……実は当社としては、i-Con現場では計画・測量業務だけやっていきたいと考えています。測量と点群データの作成まで当社が責任もって行い、それ以降の3次元設計データ作成や出来形、付随する書類作成などは、元請けさん自身にやっていただいた方が、お互いにとって良いと思うのです。

なぜでしょうか?

中村

せっかく国がICTを立上げ、生産性を向上させて少人数で現場を回していこうとしているなか、現実にはレンタルや外注のコストが嵩んで現場は赤字という元請けさんも少なくありません。こんな風に一部の外注業者やレンタル業者が儲かるだけではICTの意味が無いわけで、このままではICT現場はどこも引き請けられないという状況になりかねません。やはり元請けさんにはできるだけ自分たちの手でICTに取組んでもらい、足りない所だけ当社にやらせていただけるようにすれば、WinWinの関係になれるし、元請けさんもICTからメリットを生み出していけるはずです。

村田

そのためにも、やはり元請けさんには一緒にICTを勉強してほしいですね。ICTと聞くと頭から理解を拒否してしまう人も多いですが、一歩踏み出して学ぼうとしてくれれば、ICTは決してどうしようもなく難しいものではありません。現場監督さんなら絶対に理解できるし、活用できる内容なのです。私たちは出し惜しみしませんし、求めがあればICTの勉強会など積極的に開催しています。食わず嫌いせずに聞いてくれれば、いろいろ役立つはず。分からないままでは、ICT関連の見積りをもらっても何も言えませんからね。そうして本当の意味で土木業界の底上げにも繋がっていくのではないでしょうか。

3次元設計スキルを磨く

御社自身のICTに関わる今後の計画は?

中村

まず今年1年で、当社の現場監督たちには3次元設計スキルを身に付けてもらいたいと考えています。みんな EX-TREND武蔵は使えているので、その3次元設計部分のスキルアップを図りたいのです。まあ、現場が各地に点在しているので教材DVDやWebを通じての学習が中心となりますが、月1回程度は集合して勉強会もやっていきたいですね。ご承知のとおり、当社は海洋土木も行っており、ソナーやナローマルチビーム等も扱います。ですから、海洋土木の監督たちが海洋の3次元設計や土量計算できるようになれば、陸上はもちろん海洋にも大きな強みが加わると考えています。

ICTの先にはCIMの世界も?

中村

そうですね。とりあえずは TREND-
COREのさらなる活用からでしょう。現状では
橋脚の3Dモデル等いろいろな計画の3Dモデルを作って設計照査の資料にしたり、地域住民への説明資料にしたりしており、特に住民向けの掲示では、現場モデルを作って道路規制の状況をビジュアル化したり施工手順を説明したり、いろいろな活用法を試しています。まだまだいろいろ活用できそうですね。

※2018年発行のi-Construction活用事例集で掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。

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天野 祐磨管理部

中村 正樹管理部長

伊藤 拓馬

村田 晃紀管理部

株式会社 KAITO

創業
1916年4月
設立
1959年8月
代表者
代表取締役 星野知己
所 在 地
静岡県静岡市
資本金
1,000万円
従業員数
18名
事業内容
土木工事、潜水作業、水中捜索・調査・撮影、海や水辺管理業務、幼稚園・保育園の管理業務

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