i-Construction

株式会社 マナブ測建

i-Construction点群活用

ドローンやTREND-CORE等を駆使した「現場のみえる化」でi-Con現場の課題解決

一般社団法人CIM解決研究会は、CIMやi-Constructionに関わる新技術について、「現場の視点」で研究と普及を進める社団法人。測量会社や土木建設会社など10社以上が参加するこの組織で、特に活発に活動している1人がマナブ測建の福士幹雄氏です。現場のプロとして長年現場畑を歩んできた福士氏は、「みえる化施工」と名付けた独自の提案で注目を集めています。そんな福士氏に話題の「みえる化施工」の展開について伺いました。

早く確実に「現場の情報を得る」ことが課題

CIM解決研究会の活動もお忙しそうです

福士

仕事の合間を縫ってですが、各地でCIMやi-Constructionに関する勉強会を開催しています。つい先日も山形でお話をしてきました。測量会社や土木建設会社等々を中心とする幅広い関連業界の方が120人ほど集まってくれました。

CIMやi-Constructionの現場では、いまどのような問題が?

福士

気になるのは、現場の施工計画検討時期における問題です。公共工事の現場ではしばしば発注時の情報が不足しており、1億円クラスの工事で図面が12枚しかないとか、横断図もない状態で始めざるを得ない現場も珍しくありません。特に前半部を別の業者が施工し、それを途中から引き継いで施工する場合など、実際の現場が発注図と全く違うこともしばしばで、ICT施工で計画を立てようとしても、どれほどの施工量があるのか、どんな問題点があるのかさえ見えないのです。

それは相当困りますね

福士

国交省発注工事の場合、1カ月以内に施工計画書の読み合わせを行うので、それまでに現場を見て問題点を抽出し、対策を練っておかなければなりません。ところが事前の情報が少ないので、自分たちで何とかして情報を集めて「どうやって施工するか」計画を立てて資料を作っておく必要がある。だから、できるだけ早く確実に「現場の情報を得る」ことが課題となります。そこで私が提案したいのがドローンや3D点群データの活用です。

ドローンや3D点群データを活かして「現場のみえる化」を

ドローン整備

いち早く現場にドローンを飛ばす?

福士

ええ。ドローンを飛ばして現場を俯瞰し写真を撮り、3D点群データを作っておけば、いつでも縦横断測量が可能になります。TREND-POINTで点群処理し断面を切って確認することで「どういう形で現場を引き渡された」か、把握できる。これにより設計図書と何が違うか、どこを協議すべきか、いち早く課題を抽出できるわけです。もちろん、ドローンや3D点群データから生成した現場情報は、資材業者や工事会社など協力業者や発注者とも共有するため、より分かりやすく把握しやすい形への「現場のみえる化」が重要になります。

具体的にはどのように?

福士

EX-TREND武蔵やTREND-COREなど福井コンピュータ製品とGoogle Earth等を用いた、多様なビジュアルの活用です。たとえば武蔵からCAD図面をkmz出力してGoogle Earthに重ねて貼り付け、Google Earth上に工事現場を展開する。さらにドローンで空撮した現場写真をSfMソフトを使って現況点群を作成し、設計と重ねてGoogle Earth上で見せることもできます。これなら現場の現況と工事予定が誰でも一目瞭然で把握できるでしょう。パソコン上でバックホウやハウスを置いてリアルな現場の雰囲気を演出し、発注者と警備のガードマンの配置をビジュアルに検討したり、タブレットPCに入れて現場での打合せにも使えますよ。

ドローン整備

それらは実際に現場で活用を?

福士

どれも私が現場で使っている手法です。つい先日も、現場に突然地主さんが来て「ちょっとここに道路を付けたいんだが、この辺はどうなるの?」と質問されました。私はちょうどタブレットにデータを入れて持っていたので、その場ですぐお見せして「この場所はこういう工事をしてこうなります」と説明し、理解していただけました。昔だったら2Dの平面図で悪戦苦闘しながら説明し大変な時間と手間だったでしょう。とにかく伝わりやすさは飛躍的に向上しましたよ。

幅広く「見える化」を活用しようということですね

福士

せっかくドローンで空撮して点群データも取得できているのに、i-Constructionで使われるのは起工測量や出来形程度。でも、私はそこにこそ旨味が眠っていると思うわけで、使わなければ勿体ないですよ。実際、武蔵でCADに展開すれば、打合せでも提案でも現場説明会でも幅広く使えます。もちろん、私たちのビジネスの基盤が測量であることに変わりはありません。だから、見える化から入って、きちんと測量の仕事に繋げていくことが重要です。そして見える化の活用により最後の竣工検査まで客先と並走し、そこから次の現場へ繋げていく。個人的にはそんな流れを作り出していきたいと考えています。

※2017年夏公開のCONST-MAG Vol.5で掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。

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福士幹雄ICT推進事業部

株式会社 マナブ測建

設 立
2007年10月
代表者
齊藤学一
資本金
800万円
所在地
東京都北区
事業内容
測量業、測量計画及び設計施工、土地開発造成ほか

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