蓄積したi-Constructionの技術を生かし
新ビジネスの開拓にも挑戦していく
一歩先駆けた取組みで高い評価を獲得
- 現場IT化への取組みに積極的ですね
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清家氏
当社では新しい流れは積極的に取り入れる方針なんです。何事も最初に取り組むのは障害が多く難しいですが、だからこそノウハウも蓄積でき、高い評価も得られる。今回のi-Constructionも、結果的に当社の取組みが、地域に一歩先駆けた形になりました。
- どんな取組みを進めてきたのですか?
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甲斐氏
2010年にCADを一気にEX-TREND武蔵に切り替えたのが、3D化へ繋がる流れの起点になりました。武蔵を選んだのは、CAD自体の性能がずば抜けていたのはもちろん、福井コンピュータの技術力・開発力への信頼感が大きかったですね。これを機にバックホウのMGやブルドーザのMC、ローラーの転圧管理といった情報化施工が本格化し、現場の効率化と精度向上を図ることができました。
- それがi-Constructionの先取りに繋がっていったのはなぜでしょう
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吉本氏
この流れに取り残されていたのが測量だったんです。以前の起工測量は、道なき道を進み法面にぶら下がって計測し野帳に手書きして……というハードな作業で、丁張り掛けも延々と手作業が続き、規模によっては数日から1週間もかかっていました。ところが私たちもだんだん年取って、こうした作業が面倒になってきた(笑)。自ずと作業効率は下がり、リスクは逆に高まるわけで、これを何とかしたかったんです。
- ドローンを導入したのは?
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清家氏
1機目は2015年の夏です。当初は現場の進捗状況の確認が目的でした。で、吉本が趣味でドローンを飛ばしているというので任せると、試用版のTREND-COREやTREND-POINT等を使ってゼロから手探りで3D測量を始めたんです。実際、TRENDCOREで作った3Dの現場モデルを見せられた時は本当に驚きました。「こりゃすごい!」と即座に導入を決めました。
- 吉本さんの個人的な挑戦が出発点?
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吉本氏
前から興味があり、ちょこちょこやっていました。最初はなかなか精度が出ませんでしたが、福井コンピュータ製品を使うことで実用化の目処が立ったので、本部長に見ていただいた。そこから3D測量と3Dモデルを活用するi-Constructionが本格化したのです。
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清家氏
それが去年のことで、結果的に先行してノウハウを蓄積できました。実際にi-Constructionが始まるとすぐ、どの現場ならアピールできるかを計算し、最大限生かせる現場を取れるよう人員の配置等も行いました。結果として現在は3つのi-Construction運用現場が並行して進んでいる状況です。
- 現場で新しい挑戦など行いましたか
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吉本氏
最初の宮崎218号線深角西地区改良工事は、山切りの工事でしたが、導入したばかりの2機目の新型ドローンを精度検証を兼ねて飛ばしました。この新型は新管理基準に則っており、カメラも一眼レフを搭載するなど、今後のi-Construction現場の主力になる予定です。
- TREND-POINT、TREND-COREの運用についてはいかがですか
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吉本氏
「素晴らしいソフトをありがとうございます!」とお礼を言いたいくらい助かっています。たとえばこの現場でも生成した点群データに座標を与え、3Dモデルを作りました。こうしておけば、自分たちで考えた縦断線形を入れれば何処でも横断が切れるし、メッシュを張って土量も管理できます。何日もかけてやっていた作業が1日で終わるのですから最高です。
- 発注者の反響などありますか?
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吉本氏
ええ。LandXMLを使って何かできないかと、簡易な3Dを作って工事シミュレーションしてみたんです。分かりやすいと発注者に好評で、みんなから「データをくれ!」と言われています。そこで武蔵の機能を使ってGoogle Earthに貼り付けて提供したら、これもすごく好評でした。
- 今後の展開は何かお考えですか?
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清家氏
既存の一般土木分野に限らずにこの技術を生かしていきたいですね。実は先日も市内の歴史的建築物の破損状況の確認で、市に依頼されてドローンを飛ばしました。今後はこうした異分野での活用にも積極的に取り組んでいきます。
※2016年発行のCONST-MAGで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。
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