i-Construction

カナツ技建工業株式会社

i-ConstructionBIM/CIM

より優れた3次元データ活用法を目指し
i-Conモデル現場で挑む多彩なチャレンジ

多伎朝山道路小田地区改良第12工事は、山陰道となる多伎朝山道路の本線路体盛土工事です。工事を受注したカナツ技建工業は豊富な工事実績と先進的な取組みで知られ、同現場でもi-Constructionを積極的に推進。i-Constructionモデル現場として注目されています。現場での取組みについて、三澤氏、木村氏、坪内氏に伺いました。

一歩先を行くi-Constructionモデル現場

現場をご紹介いただけますか?

坪内

多伎朝山道路の本線の路体盛土を行う工事で、工事延長は約360m。主体となっているのは道路土工の盛土工ですね。工期はこの3月から来年1月末までです。使用する重機はバックホウ、ブルドーザー、振動ローラー等々。もちろん全てi-Construction対応のため汎用の機械にGNSSを搭載させたICT建機となっています。

i-Conの取組み内容をご紹介ください

坪内

まず3Dレーザースキャナーやドローンを使って現況測量を行い、TREND-POINT、TREND-CORE、EX-TREND武蔵を連携させながら、この3次元測量データと設計の3次元データを各ICT建機が共有します。そして、各ICT建機の位置や作業装置の位置、高さ等をリアルタイムで取得して制御データを生成し、建機を制御したり施工量をリアルタイムで把握したりしています。

初のi-Con現場なのに非常にスムーズですね

木村

当社は3次元設計データでの現場運営を豊富に経験しており、ノウハウも蓄積しているので、最初から抵抗はありませんでした。今回の現場もいつもの3次元設計データに加えて「現況を取る」程度だろうという気持ちだったんです。そこで、ルールで定められたi-Conを行うだけでなく、一歩先の試行も進めようと考えました。というのは、現在のi-Constructionは最初と最後のルールは決められたものの、日々集まるデータの利用法については各社の工夫に任されています。そこで、私たちはこれまでのノウハウを生かし日々のデータを活用し、この現場の課題を解決していこうと思ったのです。

現場の課題とi-Conによる解決法とは?

木村

前述の通り24万5,000立米という大型土工の現場ですが、実際の施工範囲は意外と狭く、その狭い所に24万5,000立米を安全確実に盛土していきます。そのため日々その施工量と盛土量のバランスを勘案しながら施工する必要がありました。そこで毎日取得される3次元データを活用し、日々施工した盛土の厚みや数量等を現場モデルへ反映させて「見える化」し、誰でもひと目で現状を把握できるようにしました。さらにこの「見える化」を活用して様々な工夫も行っています。

たとえばどんな工夫が?

三澤

これは基本的な活用法ですが、見える化した現場のビジュアルは、現場事務所に設置した大型モニタへ映して皆で見ながら「明日の機械配置は…」「その配置なら…」等と打ち合わせます。意見を出しやすい環境なんです。それに全員同じ「3Dイメージ図」を見て、リアルタイムで現場状況を共有できるんです。共通のイメージをもって施工できるから、間違いや手戻りを減らせるわけです。

坪内

実際、品質向上に結びついている実感があります。今まで見えなかった部分が見えてきたことで、協力会社の方にも「施工不良があってはいけない」という意識が徹底されているんです。しかも皆が正しい段取りを把握しているので、きちんとした施工を、より効率的に進められるようになってきました。

その他にも新しい工夫などありますか?

三澤

狭い現場に重機が密集するので、接触事故の防止が重要です。i-Con現場では重機オペレータもモニタに注意を奪われ、周囲への目視が行き届かなくなる怖れがあります。実際この「3Dイメージ図」を見ながらの打ち合わせで、協力会社の方から「ちょっと危ないね」という声が上がりました。そこで各重機に他の重機や作業員が一定以上近づくと、警報が鳴る仕組みを導入したのです。現場の見える化により皆が現場を把握しているからこそ出てきた意見であり、対応だったと思っています。

工夫には手間もかかると思いますが?

木村

手間に見合う効果があるのかどうか……正直まだ分かりません。現状は3次元データの効果的な活用法を求めて、いろいろ試している段階ですね。これらの工夫はi-Conのルール上は求められていないので、やらなくても問題はありませんが、やらなければ効果的な利用法を選別できませんから。どんな結果であれ全てノウハウとして蓄積されるのですから、その価値は必ずあります。

三澤

次へ繋いでいくためにも、絶対に必要なことですね。

※2016年発行のCONST-MAGで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。

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三澤 孝土木部 作業所長

木村 善信土木部 チームリーダー

坪内 規之土木部 作業所長

カナツ技建工業株式会社

創 業
1938年6月
代表者
代表取締役 金津 任紀
資本金
1億円
所在地
島根県松江市

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