自らドローンを飛ばし3次元測量に挑戦!
1年がかりの取組みをノウハウとして蓄積
自社のノウハウとして蓄積するために
- i-Constructionを先取っておられますね
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川中氏
近年、人手不足が顕著になったことから、これを補う多様な取組みを行っています。ICT技術の活用もその1つで、結果的にi-Constructionを先取る形になりました。特に力を入れているのはドローン等による3次元測量ですね。
- いつごろ開始されましたか
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北氏
ドローンを現場で実際に使い始めたのは昨年7月で、その半年前から準備を進めました。飛ばすのに格好な現場を、タイミングよく受注できたのも大きかったです。
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川中氏
これは奈良県の山間部において大規模なソーラー発電用地を造成する工事で、現場は広大なうえ全体に勾配や傾斜を設けてあるため、測量・管理に多くの時間とマンパワーを要することが考えられました。現場から「何か良い手法はないか?」と問合せがあったのです。そこでドローンを飛ばしてみよう、ということになりました。
- 最初から測量目的でドローンを?
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北氏
ええ。現場でのドローンの活用は通常、工事写真の撮影等から始めることが多いようですが、当社は最初から3次元測量が目的で、外注を使わず自分達で飛ばしました。そうすることで、これを確実に自社のノウハウとして蓄積したかったのです。だだっ広くて人家もない現場だったので、少々失敗しても他所に迷惑をかけずに済むかな、と。
- 実際に失敗もあったのですか
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北氏
実は最初はしょっちゅう墜落していました。何しろ初日から土山にぶつけてドローンの脚部を折りましたし、大破させたことも…。もちろん基本的な使い方、操縦法は、各種セミナーに行くなどして学びましたが、実技はほぼぶっつけ本番で操縦しながら、手探りで学んでいった形だったのです。
- 自力で写真測量するのは大変では?
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北氏
最初はそれこそ、使えるデータなど全く取れませんでした。確かに点群にはなるものの誤差が大きすぎて…そこから始めて「もっと基準点を増やそう」とか「飛び方を変えよう」とか、ラップ率や飛行高度等も含め、さまざまな要素の組み合わせを少しずつ変えながらチャレンジを繰返し、1年がかりでようやくモノにできた感じです。今では何とか、国交省の基準の誤差範囲に収まる程度になってきたかな、と。丸1年かかりましたが、やはりこれは自分の手で飛ばさないと、なかなか身につかないでしょう。
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川中氏
苦労しましたが、こうして社内に「分かっている人間」を育てることで横展開も可能になるんですよ。もちろん全社へ普及させるのは容易ではありませんが、たとえば地方の工事等でこの作業を外部委託する場合も、社内にノウハウを持つ人がいれば管理のしやすさが全く違ってきますからね。
- 福井コンピュータ製品は使われましたか
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野口氏
ドローンで取得した点群処理については、もちろんTREND-POINTをフル活用しました。これも最初は手探りでしたがすぐ慣れましたし、慣れてしまえば決して難しくありません。土量計算など従来の平均断面法等の2次元での計算より正確で、しかも速くできるので非常に便利ですよ。また、ビューアを使えば現場を3Dで見せられるので、これも現場職員や土木業者さん等にとても好評でした。
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北氏
お客様にもプレゼンしやすいですよね。2次元の図面で見せるよりもはるかに分かりやすく、設計意図が確実に伝わります。
- その他の福井コンピュータ製品は?
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野口氏
3次元設計データの作成については、EX-TREND武蔵を使って思いのほか簡単にできました。1度教われば誰でもできるのではないでしょうか。TREND-CORE については、今回の現場ではあまり使う機会がなかったので早くフル活用したいですね。
- 今後チャレンジしたいことは?
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北氏
3次元測量に関しては、やはり国交省の基準で求められている精度を安定して出せるようにしていく必要があります。お施主様にお見せして、納得いただける技術にしなければ…。できるだけ早く、もう一歩ステップアップしていきたいですね!
※2016年発行のCONST-MAGで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。
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