i-Construction現場のエキスパートへ!
技術者全員を着実にスキルアップしていく
新潟市の加賀田組は、創業120年余の歴史を誇る地場ゼネコンの名門。土木、建築に舗道、そして各種開発事業まで幅広く豊富な実績を蓄積しています。2012年、同社土木部門ではEX-TREND武蔵を統一CADとして導入し、現場IT化を推進。2015年にTREND-COREの導入を決めて、i-Constructionの流れを先取りする形で多彩なチャレンジを開始しています。
人材のスキルアップが最大の課題
- 土木部門全体を武蔵で統一したそうですね?
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立川氏
当初、5台ほど入れて現場で試験的に運用していたのですが、使った人がみな「これは良い」というので、だったら「土木はこれで統一しよう」ということで技術者全員分を導入。今では86台に増えました。ただし全員が完全に使いこなせているとはいえず、引き続き操作教育を進めています。
- 武蔵を選ばれたポイントは?
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諏訪氏
武蔵は土木CADに留まらない総合的な土木施工支援システムとして、多彩な機能を備えています。特に測量計算機能があるので、これ一本で座標計算等の日常業務までフルに使える。これは大きな魅力でした。また、従来当社では電子納品や写真管理など個々に異なるソフトを使っていましたが、武蔵ならこれらにもトータルに対応できるわけで、全員がこれを使えば成果品の標準化もしやすくなるはずです。個人的には、CADの編集機能が気に入ってます。欲しいパーツが簡単に抽出できるのは素晴らしいですね。
- 武蔵導入を機に現場IT化が始まった?
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立川氏
当時、国交省が推進していた情報化施工への取組みなど、武蔵導入を機に本格化していったといえるでしょう。実際、2014年からTS出来形管理をはじめ、続いてバックホウなどの重機のMGやMCについても現場で実際に使用し、現場見学会を開催してアピールしてきました。今回のi-Construction についても、この流れから自然に進められました。たとえばドローンの活用など、ひと足早く昨年から3D測量を試行しています。
- ドローンは実務でも活用中ですか?
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立川氏
当社もドローンを所有しており、社員が操作して工事写真の撮影などに使っています。ただ測量については外注しています。当然、将来的には社内で対応する体制にします。こうしたi-Construction対応の一環として、この春、TREND-COREも2台導入し、試験運用を開始しています。
- TREND-CORE はどんな使い方を?
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立川氏
試行段階ですが、やはり3次元モデルをどう活用するかがテーマとなっています。現状では発注者へのプレゼンや作業員への説明等にTREND-COREで作った3Dモデルを生かし、iPad等で見せるなどしています。
- 具体的にはどんな現場で?
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諏訪氏
ある現場でコンクリート打設の打合せに使いました。50m×20mで深さ18mのコンクリート打設の現場でしたが、TRENDCOREでこれを立体的に表現。腹起や山留、切梁等々の、死角になる箇所の作業状況を、3Dモデルで確認していただいたんです。また、橋の下の部分を改良する工事の現場では、目視では確認できない橋と工事箇所の関係を事前にTREND-COREで3Dモデル化し、発注者に「こういう形になります」と見せました。どちらも「非常に分かりやすい」と好評でしたね。
- TREND-COREの使用感はどうですか?
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諏訪氏
線形をパソコンの中で再現し、立体化するというやり方など、まさにパソコンの中で現場を進めている感覚です。いわば、現場の仕事を経験し、理解しているプロのためのツールという印象でした。
- i-Construction対応も着々進行中ですね
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立川氏
ICT土工の4つの柱のうち、ICT建設機械による施工については使える現場…つまり「土を動かす」現場では全て行っています。またドローンによる3D測量や検査の省力化、TREND-COREによる設計・施工計画については、前述の通り実際の現場で試行運用しながらノウハウを蓄積中。同時に設備面の充実も進めています。TREND-COREに加え、TREND-POINT等も導入検討していく予定です。
- その中での課題はどのようなものが?
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立川氏
国策であるi-Constructionには、全社を挙げて取組んでいます。国交省発注の現場ではそれが前提になるわけで、社員の誰もが対応できるよう十分なスキルを身に付けなければなりません。もちろん実際の運用は始まっており、スキルアップも待ったなしです。私たちにとっては、人材教育が最大の課題といえるでしょう。
※2016年秋発行のCONST-MAG Vol.4で掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。
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