i-Con現場から始まる土木工事新時代広がり続けるi-Construction

株式会社 玉川組

特集i-Construction

i-Constructionという言葉に囚われずに
ICTやCIMを各現場に合わせて自在に活用

さまざまに視点が変えられる3D計画モデルで
一番大切な所を一番分かりやすい角度で見せる

北海道恵庭市の玉川組は、半世紀余の歴史を持つこの地域屈指の総合建設会社です。地域の建設業を牽引する存在として、新しい技術の研究にも積極的で、情報化施工に始まる現場IT化の流れにも早くから取組みを進めてきました。i-Construction活用現場もすでに多数の実績を蓄積しています。次のステップへ着実に歩みを進める同社の最新の取組みの1つ──TREND-COREを用いたCIM活用の現場に、工事長の石尾弘明氏をお訪ねしました。

i-Con以前から3次元の活用を開始

i-Construction以前から3次元の活用を?

石尾

ええ。会社の取組みは2012年頃から始まっています。具体的にはレーザースキャナーと他社製3D CADによる現地の測量ですね。これは技術力の底上げを図るために始まった取組みでしたが、実際には3D CADの扱いなどコンピュータに精通した者でないと難しい部分がありました。そんな状況が変わったのは、5年後の2017年。私が担当したある橋の解体工事の現場でTREND-POINTを導入したのが、大きなポイントとなったのです。

どのような経緯でTREND-POINTを?

石尾

その現場では、渇水期でないと現場近くの川に入れず、橋に近づくのが難しくて、通常のやり方では測量し難い状況でした。そこで3Dレーザースキャナーで点群を取得し、これを処理加工して測量に使おうと考えました。そこで必要になったのが点群処理ソフトです。いろいろ調べるうち福井コンピュータのTREND-POINTに出会いました。同様のソフトは他にもありますが、TREND-POINTはi-Constructionに対応しており、今後を考えれば、利用価値が高いと考え、導入を決めました。

解体工事の方は滞りなく進みましたか

石尾

もちろんです。3Dレーザースキャナーで取得したデータを点群処理して構造物の既存形状を取込み、これを測量の素材として使いました。最終的には実情とほぼ同一の測量ができたことを確認できました。実は私自身それまでずっと他社製2D CADを使っており、この現場で初めて3次元ツールを使ったのですが、問題なく使用できました。ともあれ、この現場での運用を通じて精度の高さを確認できたので、その後もすぐ別の道路舗装工事の現場で、切削オーバーレイの出来形管理にも活用しました。

TREND-COREによる作業

i-Con現場はかなりやっておられるのですか

石尾

当社では一昨年からi-Constructionに取組んでおり、累計するともう7~8現場になるのではないでしょうか。まあ、ICTの使い方はさまざまだと思いますが、社内では何らかの形でICTを活用するのが、すでに当たり前となっています。現在ではその上で、“何に応用していくか?”がテーマとなっていますね。i-Conという言葉に囚われていると大きめの道路土工や河川土工ばかりを想定しがちですが、建築や他の構造物の掘削など、小スペ-ス・小ボリュームの工事であっても、ICTが力を発揮する余地は十分あると思いますよ。

すでにICTに続く新しい挑戦も始まっているそうですね

石尾

たとえばTREND-COREを用いたCIMの展開です。これを使えば3Dモデルが容易かつスピーディに作れるのはもちろん、3Dレーザースキャナーで取得した点群データから生成した地形モデルとも連携できます。つまり、現状の地形モデルにこれから作る計画の構造物モデルを融合して見せることができる、というわけです。従来は外注していたこの作業が、技術者自身の手で行えると分かったので、i-Con現場でもある当現場で活用してみることにしたのです。

TREND-COREでCIMに挑戦

TREND-POINTとTREND-COREによる現場モデル

まずはこの現場をご紹介ください

石尾

延伸950mほどの道路延伸工事の現場で、受注者希望型のi-Con活用現場となっています。今回は、その中でも基盤となる排水溝と構造物……橋とボックスカルバートを構築する工事を行っています。なお、私たちのi-Con提案内容としては、まず掘削工事と盛土工事の土工事があるので、そこでICTを使用していこうと提案し、了承を得ました。

ICT施工について効果はいかがですか

石尾

i-Con現場としてはルーティンな内容ですが、効果は十分に出ています。たとえば着手は切深が約3m程度の掘削で、通常ならオペレーターの他に手元と高さ指示を行う2名が必須でしたが、ICT建機の利用により基本的にすべてオペレーター1人で作業しています。実は今回初めてICT建機を使うというオペレーターだったんですが、操作には1~2日で慣れたし、周囲に他の作業員がいないので安心して進められたと言っています。実際、接触事故等の心配も軽減できましたね。

TREND-COREの本格的な活用は初めて?

石尾

ええ、実際に触っていてもそれほどハードルが高くないと感じたので、やってみようと思ったのです。i-Con同様に、CIMもいずれは必要に応じてやらなければならない時が来るでしょう。だったら、いまのうちに挑戦しようと考えたわけです。

配置計画を貼り込んだ作業計画書

具体的にはどのような使い方を?

石尾

TREND-POINTで点群データから生成した地形モデルに、TREND-COREで作った橋などの構造物モデルを融合させ、この計画モデルを、たとえば構造物の不可視部分の確認等々さまざまな用途に用いていきました。特にTREND-COREには標準でいろいろな機械の3Dモデル部品が用意されており、これらは実際の原寸サイズなので、作りあげた計画モデルにこの機械パーツを置いて配置計画を立てたり、また重機の作業計画やその作業半径の確認、これに関わる危険予知なども合わせて行いました。

一番大切な所を一番分かりやすい角度で

作業計画等を3Dモデルで行った効果は?

石尾

たとえば、現場のこの位置に重機を配置した時に、作業員が安全に作業できるのか?といった確認を行いましたが、2D図面で行うよりも確実に分かりやすいし、作業員にも明確に伝えることができました。特に大型クレーンなど、1度現場に入れるとなかなか動かせない重機の配置計画をする時は、こうした3Dモデルで確認できるのは非常に重要だと思いますね。現場上空の架空線等の高さや位置など、図面に落とすのはなかなか難しいものですが、3Dモデルを使えば、この架空線との干渉やクレーンを上下させた時の架線との離隔などの検討も容易に行えます。いろいろ視点が変えられるので、一番大切な所を一番分かりやすい角度で見せることができるのです。2Dではこうはいきません。

「大切な所」とはどのような?

石尾

たとえば、いまやっているボックス等でも、実際の現場では見られない杭がどんな形状なのか、具体的な形として可視化して伝えられます。現場では、出来上がりのイメージをもっていないと作業の道筋が立てられないので、それを皆で共有できるというのは非常に効果的です。そして、TREND-COREを使えば、豊富な3D部品を駆使してこうした3Dモデルが容易に作れるわけです。仕上げた配置計画は、出力して作業計画書に貼り込んで提出したり、特殊なプロジェクタで会議机に投影して打合せしたり、さまざまに活用していますよ。

本格的な使用は初めてということですが、使用感は?

石尾

良いですよ。構造物単体を描くだけなら、前述の通りハードルは決して高くありません。2D CADユーザーなら、ある程度はすぐに習得できるでしょう。私もこれからどんどん挑戦していきたいですね。

プロジェクタで会議机に3D計画モデルを投影

※2018年発行のi-Construction活用事例集で掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。

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石尾 弘明建設部 第1課 工事長

株式会社 玉川組

創業
1955年
設立
1963年4月
代表者
代表取締役社長 玉川裕一
本社
北海道恵庭市
資本金
1億円
従業員数
108名(役員14名・技術系69名・事務系25名)
事業内容
総合建設業

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