Q:後方交会法による器械設置をおこなう場合の注意点を教えてください。
2021年8月24日公開
後方交会法で器械設置をおこなうさいの6つの注意点を説明します。
1 器械を据える位置は、後視点との位置関係から決定してください
器械の位置と、後視点(2点あるいは3点)の位置関係が二等辺三角形になるように器械を据えてください。夾角は90~120度が理想です。
夾角が狭すぎたり、広すぎたりする場合は計算精度が落ちます。
2 器械点と後視点、観測する点の距離は近くならないようにしてください
器械点、後視点および観測する点(観測範囲)は、下図の状態が理想です。
器械からの距離が近いと誤差が発生する場合があります。
また、後視点はできれば3点使用し、観測する点を囲むようにすることで“座標のずれ”を発見しやすくなります。(下図の後視1と後視3で確認して、後視3と後視2で再確認することになります。)
3 後視点は可能であれば直視し、目標高はできるだけ低くしてください
後視点が直視可能であれば直視し、目標高(ミラー高)をできるだけ低くしてください。
ミラー位置誤差を小さくすることで精度が上がります。
4 「誤差」が小さくても現場座標と一致するとは限りません
器械設置-後方交会で表示される誤差は、器械点と後視点2点から計算された誤差を表すもので、器械設置の精度が保証されるものではありません。
また、誤差の数値が0に近くても現場の座標と一致するとは限りません。
5 後方交会法による器械設置完了後に始業前点検をおこなってください
他の既知点および前日施工した作業点を確認観測し、ずれていないか、始業前点検を必ずおこなってください。
6 必要な精度に合わせた最適な器械設置をおこなってください
後方交会法による器械設置は、後視点2点までの角度・距離を使用して器械点の座標を計算するため、計算上誤差を含んでいる可能性があります。
構造物の観測など、精度を要する作業の場合は、既知点設置を使用してください。