ドローン測量の先駆者が率いる実力派プロ集団
FC製品を核に多彩な図化など内業にも注力
もはや3次元化の流れが弱まることはない
その流れを先取りし3次元設計参入を計画中
扶和ドローンはドローンを用いたレーザー測量や写真測量など、UAV測量に特化したプロ集団。2019年4月設立の新会社ながら、多数の最新UAV機器と腕利きパイロットを擁し全国を舞台に着々と実績を築いています。また、そんな外業の果敢な展開と共に、TREND-POINTやTREND-CORE、TREND-ONEを用いた3次元データ処理や図化等の内業も高評価を獲得し、急成長を続けています。新ビジネスを切り開く独自の展開について、境田社長と営業部長の温水氏に伺います。
パイロットが率いるドローン測量専門会社
- 社長ご自身がパイロットだそうですね
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境田氏
ええ、ドローンは6年ほど前に趣味で飛ばし始めました。ラジコン経験も全くない素人でしたが、ドローンで空撮している方のSNSを読んで興味を持ったのがきっかけです。当時、私は測量会社で働いていたのですが、その前は公務員として土木分野の発注や管理を担当していました。そのせいか空から地形を見られるドローン空撮と土木の親和性の高さに気付き、ビジネスチャンスと感じたんです。調べると測量にも使えると分かり、すぐにドローンを買って練習し始めました。
- すぐにビジネスに進出を?
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境田氏
飛ばし始めて半年後には測量用ドローンを購入し、仕事を受けるようになりました。最初はプロモーションCMの動画等の空撮が中心でしたが、徐々に測量の仕事が増え、1年後に法人を設立。本格的に事業を開始しました。ちょうどi-Constructionの新しい流れが生まれた頃で、私もドローン測量の先駆者として設備投資しながら1人で実績を蓄積して行きました。そして一昨年、扶和メタルとご縁もあり、昨年4月に新会社として扶和ドローンを設立しました。
- 扶和ドローンの事業内容は?
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境田氏
ドローン測量の専門会社として、主に公共事業の測量業務を請負っています。顧客は建設コンサルタントや測量会社で、その下請け専門業者としてドローンレーザー測量やドローン写真測量を引き受けています。対象は全国……私たち実戦部隊は宮崎支店が九州地区をカバーしていますが、他に東北エリアを中心とする各地のパイロット10名と契約して本州全域をカバーしています。さらにこの春には北海道のパイロットとも契約予定です。また、最新ドローンをはじめ機器類も充実させており、プロ仕様のレーザー類だけで4機、東北地区にも1セット用意し、機材は現場に合わせて使い分けています。
- 内業についてはいかがですか
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境田氏
もちろん内業のクオリティの高さも当社の大きな特徴です。内業専任スタッフ5名は宮崎に常駐し、各地の現場から届く3Dデータ処理と図化作業等を行っています。特にTREND-POINTやTREND-CORE、TREND-ONEをメインツールとする図化作業の質の高さには定評があります。実際、データ処理や図化だけを任されることもしばしばです。
- 福井コンピュータ製品(以下FC製品)はどのようにご活用ですか
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温水氏
ドローンで取った3次元測量データを、海外製ソフトで補正して扱いやすいデータへ処理後、FC製品の出番となります。まずTREND-POINTに持っていき輪切りにして断面を作ったり、ボリューム計算するなどして、図面化する前のデータを作成。それをTREND-ONEで図化してさまざまなCAD図面へと仕上げていきます。TREND-COREは、より進化した3次元設計用のソフトで、現場の要望に応えて3Dモデルを作る時などに使います。それぞれの使いやすさはもちろん、同じFC製品だけに各ソフトの連携が非常にスムーズなのも大きなポイントです。
FC製品は測量分野のスタンダード
- FC製品をお選びいただいた理由は?
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境田氏
私たち下請け業者というのは、やはりクライアントあっての仕事なので、お客様の間で「どのソフトが一番使われているか?」がとても気になります。何しろ前述の通りデータ処理だけ頼まれたり、さまざまな図化を頼まれたり、内業だけの仕事も多く、お客様と同じ環境で作業した方がやり取りも非常にスムーズなんです。
そして、当社の場合は、客先である測量会社やコンサルタントで一番使われていたのが、やはりFC製品だったんです。製品自体の使いやすさ、連携のしやすさはもちろんですが、この点がFC製品導入の大きなポイントとなりました。 - 内業の方は全員FC製品を使えるのですね
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境田氏
内業スタッフは測量関係からの転職者だったため、以前からFC製品を使っていたメンバーばかりでした。そのため初めて扱う製品でも、操作感に共通性があり、習得するのは非常に早かったですね。実は私自身は、FC製品に限らず、こういったソフトウェアはあまり使わないのですが(笑)。
- 社長は飛ばす方専門というわけですね?
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境田氏
そういうことです。パイロットも増えたので昔ほどではありませんが、今も普通に現場へ出てドローンを飛ばしていますよ。でも、本当は行きたくないんです(笑)。というのは、当社のような専門会社に依頼してくる案件は、現場条件が非常に厳しい所が多いんですよ。たとえば両サイドが45°の急峻な斜面の連続になっていたりとか……お客様の社内パイロットではちょっと危険とか、処理しきれないような、そんな現場がほとんどなんですね。そんな場所を1機数千万円もするプロ仕様のドローンを飛ばすのですから、どうしたって毎回ドキドキしてしまいます。
- もし落としてしまったら……
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境田氏
ほぼ100パーセントがアウト。機体は破損して使いものにならなくなります。低い所のトラブルなら直せることもありますが、山で飛ばしていて飛び出た木に引っかけるとか、たいていのトラブルは高い所で起きるんです。それでも、山で落ちて機体が全損するだけならまだしもですが、人にぶつけたり家にぶつけたりするとクライアントにも迷惑がかかってしまいますし、いろいろな方面に対する影響も大きいので絶対に事故は避けなければなりません。そういったトラブルを避けるための準備については、当社では何処よりも徹底して行っています。
3次元設計分野への進出を計画中
- 間もなく設立1周年ですが、手応えは?
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境田氏
きわめて順調です。実は扶和ドローンの設立時に3カ年計画で売上目標を立てたのですが、初年度の売上目標は10ヶ月で達成してしまいました。実際、ドローン測量に関して言えば、市場は拡大するばかり、という実感があります。これは国の施策であるi-Constructionがまだ道半ばにあるからで、特に調査測量の分野は「やっと動き出した」レベルだからでしょう。分野自体が伸びていく余地はまだまだ非常に大きいだろうと考えています。
- 3次元の普及はさらに進むでしょうか?
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境田氏
もちろん、それは必須だと思います。私たちだっていまさら2次元には戻れませんから。もちろん従来式の測量にも良い所はたくさんありますが、旧式の測量で取れるのは単点のデータでしかありません。ところが3次元なら全て面的に採れるわけで……データ量の違いは圧倒的です。さらにその後の3Dデータの活用という点でいえば、今後は設計も3次元化が進み、それを基に工事や管理もやっていくことになるわけで……3次元化への流れは強まりこそすれ、弱まることはありませんね。
- 今後のご計画は?
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境田氏
そうですね。現在、当社では前述したような、測量業界における3次元化への流れを先取りする形で、3次元設計分野への参入を計画しています。その意味でも、TREND-COREをはじめ、FC製品にはさらなる進化を大いに期待しています。
※取材は2020年3月2日に行われたものです。役職などは取材当時のものです。
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