3Dへの拡張性豊かなEX-TREND武蔵を核に
現場に合わせたICT技術の活用に取組む
東京都千代田区に本社を置く鉄建建設は、鉄道分野を主力としながら、その他の一般土木や各種建築工事にも豊富な実績を持つ、バランスの取れた総合建設会社です。2015年、同社は新たにEX-TREND武蔵の導入と全社への普及を開始。さらにTREND-POINTやTREND-CORE、X-FIELD等による、i-Constructionの多角的な展開を始めています。
選択のポイントは3Dへの拡張性
- 情報化施工やi-Constructionへの取組みを積極的に進めておられますね
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竹中氏
弊社に限らず担い手不足が進む中、限られた人員でしっかり工事を行っていくには、生産性の向上が重要なテーマです。そのための取組みの1つがEX-TREND武蔵の導入であり、i-Construction対応といえるでしょう。
- EX-TREND武蔵の選定理由は?
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竹中氏
i-Constructionを進める上で重要なカギが3Dです。武蔵はこの3Dへの拡張性に優れ、TREND-POINTやTREND-COREといった3Dツールとも緊密に連携できます。また、鉄道分野に強みを持つ当社では、駅舎改良や鉄道施設改良など既存施設を使いながら新しいモノを加える・改良する工事が多く、3Dによるシミュレーション等が役立つと期待しています。
- 武蔵の普及状況はいかがですか
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竹中氏
常時100以上の現場が動いているので、一気に普及させるのでなく新しい現場の立上げに合わせて導入する形で進めています。年内には約80現場まで展開し、来年度中には全現場へ武蔵を普及させます。また、特に力を注いでいるのが教育です。武蔵導入時には各現場へ講師を派遣して機能説明の研修会を行うほか、教材動画も導入しました。動画はEラーニングシステムにより各現場で自由に視聴し、操作を学べます。また、若手対象の集合研修でも武蔵の講習を予定しています。
- 現場での活用状況はいかがですか
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三瓶氏
昨年10月から武蔵導入現場が動き始めていますが、とても好評ですね。特に武蔵の場合、図面上で座標計算まで行える点が、現場で重宝がられているようです。また、合わせて導入したX-FIELDも想像以上に活用されており、皆がタブレットPCに図面を入れて現場へ持ち込んでいるようです。
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竹中氏
電卓でなくタブレットで計算するようになってミスも減りました。図面上でチェックしながら実際の現場で確認できるので、効率が上がるのはもちろん、測量ミス等のトラブルも防げるのです。これは本当に効果的なので、講習会では必ずこのX-FIELDの機能説明も行っています。
- 3次元測量はお試しになりましたか
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三瓶氏
間もなく着工する現場で点群測量を行う予定です。広島のいわゆるスマートインターチェンジの土工事で、山を削ったり盛土したり手間のかかる工事になりそうです。点群測量にドローンを使うか、それとも3Dスキャナにするか、これから現場と検討しますが、いずれにせよ点群を取って3D化し、測量の方へ生かしていく予定です。
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竹中氏
現場はまだ草茫々の状態なので、まず草木を取り除いてから点群測量を行い、そのデータを使って3D図面にします。さらにそれを建設CADに落し込んでいくという段取りになります。このあたりの流れは現場の状況によりまちまちですが、とりあえず対応できるだけの体制は整えてあります。現場で行う時は外注を使うことになりますが、その場合でもTREND-COREやTREND-POINT、武蔵と連動できるデータとして仕上げてもらい、こちらでチェックや修正を行っていきます。
- この現場での課題と期待は?
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竹中氏
特に測量に関して「どれだけ効率よく行えるか」に注目しています。今回は掘削して盛土するだけでなく、法面工でアンカーを打ったりするので、斜面に位置を出さなければなりません。そこで、たとえば自動追尾のTSとX-FIELDのシステムを連携させ、1人でタブレットを使って位置出しすることを考えています。点群測量と合わせて、トータルな測量作業の効率化を目指したいですね。
- その他にも試行のご予定はお有りですか
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竹中氏
もちろんICT建機による施工や3D測量技術の幅広い活用など、他にもやりたいことは多々あります。それぞれの現場環境に合わせ、最適な技術を選択しながら着実に進めていきたいですね。その意味で、福井コンピュータのさらなる支援を期待しています。
※2016年発行のCONST-MAGで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。
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