福井コンピュータ製品をフルに活用し
i-Constructionで「儲かる現場」を作る
やんちゃな土木ネットワーク(YDN)は、全国の土木会社に勤務する技術者有志による技術研鑽と情報共有のためのネットワークです。土木業界はもちろん、多彩な分野のスペシャリストと交流し技術・ノウハウを蓄積。i-Constructionの流れを先取る技術集団として業界でも注目を集めています。
そんなYDNの創設者の大矢氏(正治組)とメンバーの松尾氏(山口土木)にお話を伺います。
i-Construction対応は大きな分岐点
- YDNの取組みはどのようなものですか
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大矢氏
ざっくりいうとYDNは学校なんです。それもメンバーみんなが先生であり生徒でもある学校。そこには幾つかのカテゴリがあって、たとえば地盤改良や空撮など、メンバーは興味のある分野に参加して、新しい情報や発見を活発にやりとりするんです。面白いのは、このネットワークが外の世界にも拡がっている点。空撮部がドローンのスペシャリストを招き、プロカメラマンやレーザスキャンの達人に参加してもらい、最先端のノウハウも豊富に共有するようになっています。
- 公的な集まりで発表する機会も多いとか
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松尾氏
業界でi-Constructionが話題になってから、大矢さんと2人でいろいろな所に呼ばれて話す機会が増えました。大手ゼネコンや省庁でプレゼンを行うなんて、とんでもないことをしている実感がありますね。もっとも自分たちは、それほどすごい取組みをしているつもりはないのですが……。
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大矢氏
実際、私が3次元施工を始めたのは15年も前の2001年から。つまりドローンやTREND-COREを使ってやっている今の手法も、昔から続けてきた取組みの延長線上に過ぎません。業界は「アイコン、アイコン(i-Constructionの略称)」と賑やかですが、私たちはメンバーの得意分野を蓄積しているので、さほど難しい作業ではありません。そして、国が後押ししてくれていることは、とても励みになります。
- 実際は悩んでいる方も多いようです
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大矢氏
もし10年前に「i-Constructionをやれ」と言われたら大変だったでしょう。でもいまは全く怖くない。設備が整っていて何も難しくないからです。TREND-COREやTREND-POINT、武蔵などの福井コンピュータ製品はもちろん測量機器も進化し、ドローンも安く入手できます。これらを使えば、もはや決して高いハードルではありません。
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松尾氏
皆さん「i-Constructionは大手企業の技術」みたいな先入観があるようですが、本当はすごく身近に使える技術なんですよ。私なんて今では測量関係はほとんどドローン。民間の戸建ての現場でもドローンを飛ばしTREND-POINTで点群処理して、面積を測ったり土量を計算したり……実際、小さい現場もすごく楽になりました。
- 聞いていると簡単そうに聞こえます
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大矢氏
いや、本当に簡単なんです。たとえばi-Construction作業の核になるツールの一つであるTREND-COREは3次元のモデリングソフトですが、ものすごく簡単に3Dモデルが作れます。極端な話、道路の中心線形さえ入れてしまえば道路のモデリングもあっという間。2DのCADを触ってた人なら、すぐにできてしまうでしょう。
- それでも設備を揃え操作を学ばせるとなると会社としては大変です
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大矢氏
まさにそこが分岐点なんですよ。たしかにバックホウのようなものに比べ、測量機器やソフトウェアの費用対効果は見えにくいものです。だからこそ、その会社の経営者の器量が試される。業界動向を捉え、将来を見すえた判断ができるかどうか……。
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松尾氏
その意味で、i-Constructionは一種のふるい分けの始まりなのかもしれませんね。業界は3次元化へ向け急速な変革が進んでいるわけで。「まだ国交省レベルだから」とか「県や市に降りてきたらやろう」なんて言ってたら、ふるい分けられかねません。
- i-Constructionの作業を外注してしまえば良いのでは?
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大矢氏
それは「他人の技術を買う」ということで、自分たちにとって面白くないしスキルも上がりません。何よりそれをやると利益を持っていかれてしまうのが問題です。
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松尾氏
実際にそれをやっている企業もありますが、そういう所は「i-Constructionは儲からない」とか「効率が悪い」とかよく言われます。でも、前述した通り、環境さえ整えばぜんぶ自分でできる技術なんです。そして、自分でやれば確実に効率化でき、利益率も大きく向上する。儲かる現場になるんです。
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大矢氏
何度も言う通り、すでに環境は整っているわけで。後は「やるか、やらないか」それだけなんですよ。
※2016年発行のCONST-MAGで掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。
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