i-Construction

株式会社 山口土木

i-ConstructionBIM/CIM

FCソリューションをフル活用し業務スタイルを一新!
効率、品質に提案力も強化して事業フィールドを拡大中

愛知県岡崎市の株式会社山口土木は、1990年に設立された若い土木工事会社です。
社歴こそ浅いものの、常に最新を目指す高い技術と旺盛な提案力には定評があり、公共土木はもちろん民間でも豊富な実績を蓄積。いまや地域を代表する1社となっています。
2015年春、同社はEX-TREND武蔵をはじめとする福井コンピュータ製品一式を導入。FCソリューションによる新たな業務イノベーションに着手しました。
すでに着々と成果を上げつつあるその取組みについて、同社の蒲野氏と松尾氏に伺います。

FCソリューションで業務スタイルが一変

幅広い分野の工事を施工していますね

蒲野

公共では土木工事から舗装、上下水道まで、岡崎市と愛知県発注の公共工事を中心に行っています。また民間についても造成工事から宅地擁壁、下水道の切替、外構、舗装等々、建築など何でもやります。決まりきった工事は当然のこと、特に難易度の高い工事を積極的に受けていますね。私たちの技術や経験値を生かした提案など、付加価値を加えられることが多いですから。もちろん下請けを使わず、施工管理も現場管理も全て社内で回していますよ。

社員数は何名様くらいですか?

松尾

監督が8名で現場技術者が30数名、トータル約40名。これで常時8~10現場をフルで動かしています。細かい工事まで入れれば年間20現場以上を動かします。

蒲野

うちの場合、監督でも現場技術者でも、誰が行っても現場でひと通りのことをやれるスキルを備えさせています。「誰かが抜けたら現場が捗らない」なんていうことがないように、複数の現場をコントロールしながら上手く全体を回していくのが私たちの課題だと言えるでしょう。

複数現場を持つ形ですね?

松尾

そうですね、うちは1人1現場というスタイルではないので…。もちろん若手には1現場だけじっくり見てもらうこともありますが、キャリア豊富な技術者はどうしても掛け持ちになりますね。現場はどれも同時進行だし、新規のお客様に頼まれて見積りも作らなければならないし、ひとり何役も兼ねますから。

蒲野

だから作業効率と施工品質の高さを高いレベルで両立させる必要があるんです。加えてお客様への提案力を養うためにも、最新技術の導入と優れたツールの活用が欠かせません。この春、福井コンピュータのソリューションを導入し、他社製品中心だった従来システムからFCソリューションに完全に乗り換えたのも、それが狙いです。

春に導入したシステムの内容は?

松尾

4月にEX-TREND武蔵とTRENDCORE、X-FIELD。そしてTREND-POINTも入れました。これらにドローンを加えたソリューションが、われわれの新たな業務スタイルの核ということになります。武蔵は技術者1人1台体制とし、以前の他社システムから一気に切り替えました。TREND-COREはとりあえず2台ほど導入し、私と蒲野専務がCIMモデルの作成を行っていますが、これも徐々に全員へ普及させていく計画です。またX-FIELDの導入により、現場でのタブレットの活用、武蔵との連携も本格化していますね。

技術とノウハウが事業フィールドを拡げる

導入で業務スタイルが変わったのでは?

松尾

それはもうがらっと変わりましたよ。むろんまだ全ての現場では展開できてはいないし、フルに使いこなせてもいませんが、導入現場では仕事のやり方そのものが一変したという実感があります。

蒲野

特にインパクトが大きかったのはTREND-COREですね。3Dで作ったCIMモデルを見せるだけのソフトなら以前からありましたが、それはあくまでイメージ図でしかありません。役所に見せても「イメージだよね」と言われておしまいでした。しかし、TREND-COREは現場を簡単にCIMモデル化して座標も取れる。現況と計画モデルからメッシュを切って土量計算も簡単に行える。私たちにとって長年待ち望んだ理想的ツール。その登場で一気に3DCADやCIMの敷居が下がったわけで、まさに現場革命でした。

どのような効果が?

蒲野

たとえば計画段階で仮設図等を平面で描いても問題点等のポイントがなかなか伝えられず、議論もしにくかったんですが、今は最初からTREND-COREで3Dモデル化して「問題点はここです」「切土盛土の土量はこれくらいです」と発注者に伝えられます。私たちが頭の中で描いている2カ月後、3カ月後の現場の様子が、具体的に見られるし、見せられるわけです。トラブルは先に潰せるし、やり方についてさまざまな提案もやりやすくなりました。発注者も驚いてましたね。「2カ月後ここに問題が」といっても半信半疑だったのが「本当にそうなった!」って。こうした積み重ねが、高い評価と信頼に繋がっていくのです。

民間の現場でもそのスタイルで?

蒲野

ええ、民間の工事ではさらに驚かれます。先日も「この土量計算は何を根拠に?」って聞かれたので、「この計画モデルから自動計算して…」とお見せしたら「そんなことができるの!」「見積り段階でいちいち土量計算してくれるんだ!」と。実際はTREND-COREを使えば片手間でできるんですが(笑)、これも私たちに対する確かな評価に結びついています。特に最近、民間の仕事で不動産会社の社長との交流も多く、最初期の計画段階から「この土地をどうしたら高く売れるか考えてみて」なんて声もかかるようになりました。

松尾

初めは施工するなかで、TRENDCOREを生かしていろいろ提案していくと、「それじゃもう最初から考えてよ」と任されるんですよ。そうしたら、ドローンとTRENDPOINTで現況測量して進めればいい。さらにそのデータを使ってもらえばプロジェクトの主導権も握りやすくなりますから、利益も出しやすくなるし、事業フィールド自体も広がりつつあります。

「やれちゃってる」感のある空間を作る

ドローンとTREND-POINTで地形モデルを作成

今後のご計画は?

松尾

忙しくてなかなかソリューションをフルセットで活用する機会が少ないですが、今の造成の現場ではドローンを飛ばして現場を空撮し、その空撮写真から3D点群データを作ってTREND-POINTに読込み、フィルターをかけて土量計算したり地表モデルを作る手法を実践しています。さらにそのデータをTREND-COREと武蔵で加工し現場に戻す形でデータを一貫して共有し、活用していきたいと考えています。

蒲野

まあ、TREND-POINT、TRENDCORE、武蔵をさらに全社に普及させていくとともに、これらをトータルに連携させ、より現場の3次元化を実現していきます。CIM関連では、たとえばドローンとTREND-POINTで作った地形データを、重機のMCにも連動させてみたいですね。

そうした取組みのために重要なのは?

蒲野

会社の中に、新しいことが「やれちゃってる」感のある空間を作ることです。特に若手育成において、これはすごく大切です。若い人が「新しい技術に触れたい」と思った時、すぐに最新ソフトが使える環境。実際に皆がどんどん使っている空間を作ることで、誰もが「皆と一緒ならやれる!」と思えるようにしたいのです。

松尾

だからこれから取組もうという会社さんも、TREND-CORE等はとりあえず買ってしまった方が良いですね(笑)。あと、武蔵はもちろんX-FIELD等も1人1台ずつ持たせたい。専務が言う通り使いたいと思った時にすぐ使えることが重要です。費用対効果からいったら安いものですよ。

※2016年冬発行のCONST-MAG Vol.3で掲載したものです。役職などは、取材当時のものです。

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蒲野 禎幸専務取締役

松尾 泰晴 取締役総括技術部長

株式会社 山口土木

設 立
1990年8月
所在地
愛知県岡崎市
売上高
13億1,400万円(2015年3月期)
事業内容
土木工事、とび、舗装工事、管工事、水道施設工事、鋼構造物工事ほか

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